民泊 新法ができたけど大丈夫?

2018年02月26日 19時46分13秒 | 日記

「みんぱく」って?
  マンションや住宅の空き部屋を使った「宿泊事業」を、届け出だけで解禁する民泊新法(住宅宿泊事業法)が6月に施行されます。
 「違法民泊が合法化される」「平穏なくらしが脅かされる」と不安の声が上がっています。
 法施行を前に問題点や対策について考えたいと思います。
 

エアビーアンドビー
 「エアビーアンドビー」社はインターネットサイトの世界最大手の民泊仲介業者です。
 民泊の多くはインターネットを利用して仲介して貸し出されています。こうしたインターネット上に掲載された「民泊」は足立区にもすでに200戸以上あります。実態は500戸ぐらいあるのではないかと推測されています。
 

大騒ぎ・ゴミ・違法営業?
 事例を紹介すると、渋谷区の閑静な住宅密集地域。アパートの1階に住む女性(65)あてに昨年6月、家主から「2階の〇〇号室をエアビーアンドビーに貸し出すことになりました」とのお知らせが届きました。
 以来この女性は2階からの騒音に悩まされています。
 エアビーアンドビー社は10月に公正取引委員会が、独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで立ち入り調査を行った会社です。
 

夜の11時 話し声、カートの音…
 夜の11時から12時にかけて外国語を話す宿泊客4~6人が入れ代わり立ち代わり来て、ドスンドスンという音、カートを転がす音、板張りをサンダルで歩く音が何時間も続く。
 多くが2泊3日です。宿泊者が引き揚げてほっとする間もなく、こんどは部屋をメンテナンスする業者の騒音。朝5時ごろから始まる有様。
 

最高は107デシベルにも
  この女性は困り果てて区役所から騒音測定器を借りて測ると70デシベルぐらいから始まって最高では107デシベルになりました。
 この地域は第2種中高層住居専用地域で、東京都の条例では午後7時から翌朝8時までは45デシベル以下の騒音基準となっています。
 100デシベルは電車が通る時のガード下並みです。
 

 現在は旅館業法、建築基準法などで規制
  現在は民泊新法ができても施行(6月)されていませんので、宿泊業を営む場合、旅館業法や消防法、建築基準法などの規制を受けます。
 住居専用地域(左下のカコミ参照)では原則として旅館・ホテルの営業はできませんので違法営業の疑いが濃厚です。
 

民泊対策 平穏なくらしを守る規制が必要

大田区では
 すでに大田区では国家戦略特別地域での民泊(特区民泊)を導入していましたが、12月8日、全国初の民泊条例が成立。
 条例は住居専用地域などでの民泊を禁止していますが「それでも住民・宿泊者の安全は守られない」と日本共産党は反対討論に立ちました。
 「旅館・ホテルは宿泊者の安全確保を第一に区の旅館業法施行条例を守っているのに、これらを骨抜きにする」「少ない職員数では違法民泊の摘発は無理」と指摘しました。
 

新宿区では
 新宿区でも12月11日、住居専用地域での民泊事業を土日に限る全国2番目の条例が成立しました。日本共産党は代表質問で、「区民の住環境を守るため」として住居専用地域での民泊の全面禁止を求めました。
 また新宿区で4000を超すといわれる民泊の実態調査と夜間・土日の苦情・相談の人的配置を求めました。
 

京都市では
 有数の観光地京都市では、住居専用地域での民泊事業を、観光閑散期の1~2月期に限定し、半径800メートル内に管理者を置く「駆け付け要件」を設定するなどの案を示しています。

日本共産党京都市議団は11月21日に「市民のくらしと宿泊者の安全を確保する〃民泊〃条例の制定を目指す提案」を発表。
 ▼住居専用地域・木造密集地、学校や児童福祉施設周辺の家主不在型「民泊」は営業日数ゼロなどの規制をする
 ▼宿泊施設内には管理者常駐を義務付け、「駆け付け要件」などの例外は認めない
 ▼地域住民への説明会と協定書を義務付ける
 ▼マンションなど集合住宅では民泊営業を認める規約か決議文の提出を義務付ける―などの6つの提案をしています。
 

マンションでは
 住居専用地域とともに問題となっているのが分譲マンションでの民泊です。
 渋谷区のあるマンション管理組合は10月末、臨時総会を開いて管理規約に「区分所有者はその専有部分を…住宅宿泊事業に使用してはならない」と民泊禁止を明記しました。組合役員の方は「不特定多数の知らない人が出入りするようになると、防犯面から心配だった」と語っています。
 

都議会では
 東京都議会では日本共産党が、マンションでの民泊を悪用した覚せい剤密輸事件や性的暴行事件も示して、「住民の安全・安心の確保が何より大事だ。都として3月の民泊届け出開始までに、管理規約の改正などの民泊対応を管理組合などに周知徹底すべきだと」迫りました。
 

足立区でも条例
 民泊新法が住民の平穏なくらしに対する脅威になることは間違いありません。住居専用地域での民泊が解禁されるとなんのために住居専用地域を作ったのかということになります。
 平穏を守る民泊条例の制定は住民の声と、首長のやる気にかかっています。東京では分譲マンションでの宿泊が問題となっていますが、管理組合で民泊についてしっかり議論することが大事です。素直な議論を積み重ねることで民泊に一致団結して当たることができます。

明日の厚生委員会で審議がされます。傍聴においでください!