ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

機関紙BEATNIK(Vol.24)その2

2016-06-28 06:19:18 | 日記
「甲斐バンド・この1曲」コラム特集の続きですが
「この1曲」という「お題」にも関わらず
「しいて挙げれば、次の3曲」とおっしゃる秋本治さん(笑)

「結構過激な曲が多い中で、ライブ中盤に
甲斐くんが、ハンドマイクでしみじみと語りかけるように唄っていた
しっとりと情感あふれる【昨日のように】が非常に印象的であった」

「CMソングとして、テレビやラジオで流れ始め
ついには、ベストテン番組の上位にランク付けされるようになった【HERO】
甲斐バンドの名が一躍、日本中に広まった
甲斐バンドのひとつの節目になった曲だと思う」

「僕が漫画家としてデビューして間もない頃
深夜放送を聞きながら、徹夜で原稿をあげることが多かった
そんな時、甲斐くんのセイヤングでよくかかっていたのが【東京の一夜】」

「ある意味、東京は、自分の持っている可能性を最大限に発揮できる所
すなわち、サクセスストーリーのある都市だと思う
ある者は成功し、ある者は敗れ去り…
それでもこの大都会・東京はおかまいなく呼吸し続ける冷たい場所だ
仕事をしながら、そんなことを感じていた」と記されてます

当時、甲斐さんご自身もそういう思いでいらしたようで
「3枚目のアルバムの[ガラスの動物園]辺りまでは
地方から東京に出て来た少年が、どうやって成長していくかとか
そういったことが支配していて…
【東京の冷たい壁にもたれて】とかさ」と話されてるんだけど

「でも[虜]辺りからは、そういう風景じゃなくなってきたよね
ナンかこう、東京という都会がすんなり身体の中に入ってて
更に今度はニューヨーク、みたいな…
東へ東へ、どんどん行ってる感じ
そして、そこで生きるんだっていうことを物凄く強く打ち出してますよね」
…と、その後の「少年」の成長ぶりを語っておられました(笑)

続いては、その【東京の冷たい壁にもたれて】を選ばれた下森真澄さん
「私、自分の身長がえらくキライなんだ
ナゼって、少女マンガの読み過ぎが大きく影響してんだな
特に[チッチとサリー]なんてのを読みふけってたのがマズかった」

「あの世界には、男のコの肩に女のコが頭をもたげて歩く
キスする時、女のコは少しつま先立つ…ってな場面がいっぱいあるじゃない?
私もあーゆー絵になる恋愛をするんだと心に決めて
少女期思春期を送ってしまったんだ」

「それゆえにトーゼン、理想のタイプは松田優作路線ね
しかし、現実にぞっこんホレるのは
みーんな背が低めの男なんだよね(笑)
高くて170センチ弱、大体が私とどっこいどっこいの背丈
この理想と現実のギャップは、えらくツライ」

「二人並んで歩く時は、絶対にハイヒールを履かない
間違って立ってキスすることになろうものなら、膝を折ってるって感じなのね
この苦労を知らない愛すべきトンマ男いわく…大柄だねえ
ここで怒れないのがホレた弱味で
[もうちょい低い方が可愛いのにね]と卑屈で気弱な笑いを浮かべてしまう」

「私の背がちょうど160センチに達した頃
[1メートル、君は60センチ、とてもステキさ]を耳にした
このフレーズは、背のつりあいの取れた男のセリフじゃない
ほとんど女と背丈の違わない男が、デートかナンかに遅れて
立ってる彼女を遠目に見つけた時
ふと、その背の高さがとてもステキだと感じた
…そんな情景が、全く自分勝手に思い浮かんじゃったんだ」

「もう、私はこの歌を聞いてえらく喜んだね
そーか、私ってステキな背丈の女なんだ!って…
まさか、その後、成長期過ぎて
もう1センチ伸びるなんて思いもしなかったもんな」

奥さんのように背が低いのも何かと苦労が多いみたいだけど
背が高い女性にもお悩みがあるんですね

甲斐さんは、この「トンマ男」の方とは違って(笑)
彼女がいつもヒールの低い靴を履いていらしたことに気づいておられ
「いい女だなあと思ってた」とおっしゃってたらしいし
下森さんの「思い込み」は、的を射てるんじゃないかなあと…?

田口陽子さんが選ばれたのは【観覧車】で
「痛い!というのが第一印象。それもかなり強力にグサリと来る痛さだった
甲斐バンドの曲って、自分の一部分と思えるくらいの曲ばっかりだけど
これは全く違っていた。これだけは、彼の曲
彼の痛みを私が感じているという痛みなんだ」

「この曲はずいぶん繰り返して聴いた。ショッキングだったからね
かなり経つまで、バックの音を全く感じなかった
甲斐よしひろの声と詞、つまり彼の言葉しか耳に入らなかったんだもん」

「全部が全部、体験をもとに曲を作っているとは思わない
でも、彼は当然、どう受け取られるかっていうのも考えていたと思う
歌を作るって、スゴイことなんだ。ここまで腹をくくって…
いや、歌にしなきゃいられなかったということなのかなあ」

「[観覧車'82]の方がラクだった
[うーん、スケールが大きくなったなあ]なんて思いながら聴いたから…
でもそれは、ボブ・クリアマウンテンの力だけじゃなく
月日という濾過装置が、最高のアレンジャーだったんじゃない?」

「以前、甲斐よしひろが[男と女のことって
世の中で一番スゴイことだと思うよ]って言ってたのを思い出した
もっとも、みんな私の考え過ぎなのかも知れない
いつでも傷つく時は、それが一番痛い傷だと思うしね」

「ただ、彼が、大人の男の傷つき方になって来たことだけは確かだね
あの頃は若かったなあ、甲斐よしひろも私も、と
自分の思い出を重ねながら、一人で苦笑してしまった」と記されてます

川又千秋さんも「[82]じゃなくて
【観覧車】の方が好きだ」とおっしゃってましたが
その川又さんと田家秀樹さん、亀和田武さんがゲスト出演なさったサンストで
「観覧車の男女のその後」について話し合われたことは

「どう受け取るかは聴き手の自由」という甲斐さんには
かなり珍しいことだったんじゃないかと…?

この放送については、以前にご紹介しましたけど
「あの男女は別れたと思ってる人が多い」との噂が
そもそものきっかけだったみたいだし
「アップからダウンに行く時に作った曲だ」ということ
でも、別れるんじゃなくて「ずっと一緒にやっていくんだ」ということを
きちんと判って欲しいと思っておられたんでしょうね?

その【観覧車】と同じニオイがすると奥さんが主張してる(笑)
【MIDNIGHT】について「好きになるのに理由などない」と水岡隆子さん

「ある時の気分にその歌が滲みた。それだけのことだ
普遍的に滲みる歌などあるハズがない
哀しい気持ちになる歌を、目茶苦茶に楽しい時に聴いてみればいい
それでも涙がこぼれ落ちるだろうか?
そもそも楽しい時に涙のこぼれそうな歌をターンテーブルに乗せるだろうか?」

「たかが歌なのである。所詮、歌なのである
が、やるせない気持ちや言いようのないワダカマリを
いったい誰が的確に自分の心に伝えてくれるのか?
取りあえず、私はボブ・マーレーにおすがりし、中島みゆきにおすがりし
ハンク・ジョーンズにおすがりし、甲斐バンドにおすがりするしかない」

「その時の気持ちに一番合いそうな歌をターンテーブルに乗せる
期待に応えてくれる歌もあれば
まやかしの歌だと見えて来ることもある
こんなに深い歌だったのかと再発見する時もある」

「創り手がどのようなレベルで書いたのか?は、一切ムシする
あくまでも主観的なモンダイなのです
この再発見の醍醐味が甲斐バンドなのである
[ポップコーンを…]に至っては3度再発見した
これは私の理解力のなさだろうか?」

「で、ここ4〜5ヶ月のヒットソングが[MIDNIGHT]である
この歌は[まるで何々][何々のような]といった現在の詞のパターンを
ものの見事に打ち破って、なおかつ新しい」

「甲斐バンドは[まるで何々]のパターンで[氷のくちびる]をブチ上げ
そして今[MIDNIGHT]で捨て去った
凄いね。これっきゃないよ
かくして夜は更け、私は再び[MIDNIGHT]に針を落とす」と結ばれてます

この曲は、BIGGIGの中で
甲斐さんが【東京の一夜】と同じくらい「良かったね」とおっしゃってた曲らしいんだけど
水岡さんといい、奥さんといい
「声も出さず泣く」男の声にシビレる女性って
母性が溢れているのか?それとも「男前」なのか?…(笑)
コメント
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