亀和田さんと甲斐さんが似ておられる点は
お顔立ちとお好きなレスラーの他に
「オールディーズ、あるいは懐メロ」だそうで
「この話になると、我々の会話は俄然盛り上がりを見せる」と亀和田さん
NHKホールでの甲斐バンドのコンサートで甲斐よしひろは
「[僕は小学校に入る前に、その年の紅白歌合戦の曲を
全部歌うことが出来て神童かと噂された]…と観客を笑わせていたが
確かに彼のその辺の能力というのは凄くて
おまけに記憶力がやたらに良いもんで
興が乗ると、ウン十年前の曲を歌ってくれたりする
こんな風に敵もなかなかのものであるから、懐メロ談義となれば
記憶力とセンスと体力の勝負になると言っていいくらい
凄まじい掛け合いとなるのだ
長州力 対 藤波辰巳のように
片一方が技をかければ、もう一方がそれを見事に受けてみせ
返す刀で更に華麗な技を仕掛ける…というやり取りが成立する間柄を
[手が合う]とプロレス・ジャーナリズムは呼んでいる
確かセックスの相性が良い場合は[肌が合う]と言ったっけ
で、こういうケースは何と呼ぶのか知らないのだが
私と甲斐よしひろの好みの懐メロというのは
本当にピシャリと重なってしまうのである
それも小ヒットした曲であるとか
B級の歌謡曲の好みというのが、恐ろしいくらい一致する
一例を挙げるなら、中村泰士作曲で、以前、ザ・ピーナッツが歌い
その後、いしだあゆみもカバーしている【大阪の女】がそうである
あるいは、世間では愛田健二といえば
【京都の夜】と相場が決まっているのに
我々が彼の代表曲と推すのは【琵琶湖の少女】と
もう1曲タイトルを失念したが
[これでぇー、お別れなっのー、アッナタとはー
おなごり惜しいけどー]という歌詞のアレである」と記されてますけど
この歌詞を見てタイトルが判るのは、作詞家の方以外
愛田さんと甲斐さんだけなんじゃないかと…(笑)
ともあれ…「つまり、私と彼では、ポップスないし歌謡曲に関する
ま、何と申しましょうか、審美眼とでも呼ぶべきものが、ほぼイコールなのだ
…となれば、そんな甲斐よしひろの作るメロディが私の気に入らない訳はなく
結局のところ、私が甲斐バンドを好きなのは
日本のロックシーンに占めるその独特なポジション云々のせいではなく
とにもかくにも彼の作る曲が、私の身体にスーッと入り込み、同調するからである」んだとか…
もし、亀和田さんがミュージシャンでいらしたら
甲斐さん風のメロディをお書きになったのかも知れませんね(笑)
そうそう!亀和田さんには
「甲斐よしひろにもヒケはとらない、秘かな特技がある」そうで
「1時間、2時間といった長電話をやらかす時
甲斐よしひろとは、必ずパラキン(パラダイスキング)と
(そのリードヴォーカルの)佐野修の話に話題が移行し
更には、何フレーズかお互いに歌ってみせるというところまで行く
僕の秘かな得意技というのは、佐野修のモノマネが
もう抜群に巧い!ということなのだが
甲斐よしひろも佐野修の真似っこに関しては
相当な自信の持ち主らしいのだ
でも[こと佐野修の歌マネに関しては俺の方が一枚上手だな]
と、内心ホクソ笑んでいたのだが、これでは客観性がない
そんな時、甲斐よしひろが以前[セイヤング]で
【電話でキッス】を歌っていたという話を聞いた
【電話でキッス】は、オリジナルをポール・アンカが歌い、日本語バージョンをパラキンが手掛けたヒット曲だ
僕は、その[セイヤング]のカセットを入手するのに成功した
で、ある日、僕はカセットに
パラキンと甲斐よしひろの両方の【電話でキッス】を吹き込んで
若い女の子たちの前に持参した
まず、佐野修がリードヴォーカルをとっている
パラキン版【電話でキッス】を聴かせる
ついで、甲斐よしひろバージョンの【電話でキッス】を聴く
そして、ジャーン!最後に真打ち
亀和田武版【電話でキッス】を聴いて貰った
女の子たちは、もお、ホトンド感動に近い表情を浮かべていた
この僕が、歌に関して…
たとえ10代の少女たちが誰も知らないような歌手のモノマネであっても
…甲斐よしひろよりも巧かったことに
彼女らは深い衝撃を受けたようなのだ
でも、なんとなく悲しい特技だなあ」と結ばれてるんだけど
「60年代ポップ少年」の中に
亀和田さんのもう一つの悲しい特技が紹介されてます
「スポーツはどれも苦手だし、絵が描ける訳でもない
楽器の演奏だって出来ないし
公園や道端に咲く花の名前すら言い当てられない
そんな私に特技と呼べるものがあるとすれば、唯一ツイストを踊ることだ
ただ難点がひとつだけある
それはツイストが忘れ去られた過去のダンス音楽だということだ(笑)
若い連中には[え、なんすか?それ]の一言で片づけられ
同世代からも[ああ、流行ったね、昔
体をクネクネさせる、あれだろ]
といった反応しか起こらない
あげくの果てには[しかしツイストなんて、お前も古いねえ
そんな大昔のこと、よく覚えてるな]と呆れられるのがオチだ」と亀和田さん
「ツイストの帝王と呼ばれたチャビー・チェッカー
日本でツイストを踊らせたら、他に並ぶもののいなかった藤木孝
そんな二人の特徴をよく掴んで、上手くマネてるじゃないか
そんな感想のひとつも欲しいところだが
肝心の藤木孝やチャビー・チェッカーの踊る姿を
覚えている人がほとんどいないのだから
似てる似てない、上手い上手くないの評価が返って来る訳もないのだ」
…と嘆いておられますが、この特技が悲しいホントの理由は
亀和田さんが中学生の頃、大抵の真面目な生徒は坊っちゃん刈り
不良たちはスポーツ刈りという「棲み分け」があったらしいんだけど
亀和田さんは「ポップミュージックの虜」でいらしたため
坂本九さんやジェリー藤尾さん、飯田久彦さんといった
和製ポップス歌手の皆さんがスポーツ刈りになさっていたのをご覧になり
「だったら、私も髪を短く刈って
前髪パラリにしない訳にはいかない」と真似されただけなのに
「番長候補の本命と目されているKくん」に
「いきなり思いがけないパンチの洗礼を受けた」そうで
「部屋で一人になると、レコードプレーヤーに【ルイジアナ・ママ】を置いた
アメリカの陽気な恋のポップス
飯田久彦と一緒に歌いながら、激しく全身を使ってツイストを踊る
たったの2分45秒で、顔の痛みの半分はとれた
もう一度、シングル盤に針を落とす
今度はB面の【電話でキッス】だ
恋と涙の詰まった2分45秒の完璧な虚構の世界に惑溺するため
私は毎日、家に帰るとツイストを踊った
一人ぼっちのツイスト
こうして私の悲しい特技が生まれた」んだとか…
お顔立ちとお好きなレスラーの他に
「オールディーズ、あるいは懐メロ」だそうで
「この話になると、我々の会話は俄然盛り上がりを見せる」と亀和田さん
NHKホールでの甲斐バンドのコンサートで甲斐よしひろは
「[僕は小学校に入る前に、その年の紅白歌合戦の曲を
全部歌うことが出来て神童かと噂された]…と観客を笑わせていたが
確かに彼のその辺の能力というのは凄くて
おまけに記憶力がやたらに良いもんで
興が乗ると、ウン十年前の曲を歌ってくれたりする
こんな風に敵もなかなかのものであるから、懐メロ談義となれば
記憶力とセンスと体力の勝負になると言っていいくらい
凄まじい掛け合いとなるのだ
長州力 対 藤波辰巳のように
片一方が技をかければ、もう一方がそれを見事に受けてみせ
返す刀で更に華麗な技を仕掛ける…というやり取りが成立する間柄を
[手が合う]とプロレス・ジャーナリズムは呼んでいる
確かセックスの相性が良い場合は[肌が合う]と言ったっけ
で、こういうケースは何と呼ぶのか知らないのだが
私と甲斐よしひろの好みの懐メロというのは
本当にピシャリと重なってしまうのである
それも小ヒットした曲であるとか
B級の歌謡曲の好みというのが、恐ろしいくらい一致する
一例を挙げるなら、中村泰士作曲で、以前、ザ・ピーナッツが歌い
その後、いしだあゆみもカバーしている【大阪の女】がそうである
あるいは、世間では愛田健二といえば
【京都の夜】と相場が決まっているのに
我々が彼の代表曲と推すのは【琵琶湖の少女】と
もう1曲タイトルを失念したが
[これでぇー、お別れなっのー、アッナタとはー
おなごり惜しいけどー]という歌詞のアレである」と記されてますけど
この歌詞を見てタイトルが判るのは、作詞家の方以外
愛田さんと甲斐さんだけなんじゃないかと…(笑)
ともあれ…「つまり、私と彼では、ポップスないし歌謡曲に関する
ま、何と申しましょうか、審美眼とでも呼ぶべきものが、ほぼイコールなのだ
…となれば、そんな甲斐よしひろの作るメロディが私の気に入らない訳はなく
結局のところ、私が甲斐バンドを好きなのは
日本のロックシーンに占めるその独特なポジション云々のせいではなく
とにもかくにも彼の作る曲が、私の身体にスーッと入り込み、同調するからである」んだとか…
もし、亀和田さんがミュージシャンでいらしたら
甲斐さん風のメロディをお書きになったのかも知れませんね(笑)
そうそう!亀和田さんには
「甲斐よしひろにもヒケはとらない、秘かな特技がある」そうで
「1時間、2時間といった長電話をやらかす時
甲斐よしひろとは、必ずパラキン(パラダイスキング)と
(そのリードヴォーカルの)佐野修の話に話題が移行し
更には、何フレーズかお互いに歌ってみせるというところまで行く
僕の秘かな得意技というのは、佐野修のモノマネが
もう抜群に巧い!ということなのだが
甲斐よしひろも佐野修の真似っこに関しては
相当な自信の持ち主らしいのだ
でも[こと佐野修の歌マネに関しては俺の方が一枚上手だな]
と、内心ホクソ笑んでいたのだが、これでは客観性がない
そんな時、甲斐よしひろが以前[セイヤング]で
【電話でキッス】を歌っていたという話を聞いた
【電話でキッス】は、オリジナルをポール・アンカが歌い、日本語バージョンをパラキンが手掛けたヒット曲だ
僕は、その[セイヤング]のカセットを入手するのに成功した
で、ある日、僕はカセットに
パラキンと甲斐よしひろの両方の【電話でキッス】を吹き込んで
若い女の子たちの前に持参した
まず、佐野修がリードヴォーカルをとっている
パラキン版【電話でキッス】を聴かせる
ついで、甲斐よしひろバージョンの【電話でキッス】を聴く
そして、ジャーン!最後に真打ち
亀和田武版【電話でキッス】を聴いて貰った
女の子たちは、もお、ホトンド感動に近い表情を浮かべていた
この僕が、歌に関して…
たとえ10代の少女たちが誰も知らないような歌手のモノマネであっても
…甲斐よしひろよりも巧かったことに
彼女らは深い衝撃を受けたようなのだ
でも、なんとなく悲しい特技だなあ」と結ばれてるんだけど
「60年代ポップ少年」の中に
亀和田さんのもう一つの悲しい特技が紹介されてます
「スポーツはどれも苦手だし、絵が描ける訳でもない
楽器の演奏だって出来ないし
公園や道端に咲く花の名前すら言い当てられない
そんな私に特技と呼べるものがあるとすれば、唯一ツイストを踊ることだ
ただ難点がひとつだけある
それはツイストが忘れ去られた過去のダンス音楽だということだ(笑)
若い連中には[え、なんすか?それ]の一言で片づけられ
同世代からも[ああ、流行ったね、昔
体をクネクネさせる、あれだろ]
といった反応しか起こらない
あげくの果てには[しかしツイストなんて、お前も古いねえ
そんな大昔のこと、よく覚えてるな]と呆れられるのがオチだ」と亀和田さん
「ツイストの帝王と呼ばれたチャビー・チェッカー
日本でツイストを踊らせたら、他に並ぶもののいなかった藤木孝
そんな二人の特徴をよく掴んで、上手くマネてるじゃないか
そんな感想のひとつも欲しいところだが
肝心の藤木孝やチャビー・チェッカーの踊る姿を
覚えている人がほとんどいないのだから
似てる似てない、上手い上手くないの評価が返って来る訳もないのだ」
…と嘆いておられますが、この特技が悲しいホントの理由は
亀和田さんが中学生の頃、大抵の真面目な生徒は坊っちゃん刈り
不良たちはスポーツ刈りという「棲み分け」があったらしいんだけど
亀和田さんは「ポップミュージックの虜」でいらしたため
坂本九さんやジェリー藤尾さん、飯田久彦さんといった
和製ポップス歌手の皆さんがスポーツ刈りになさっていたのをご覧になり
「だったら、私も髪を短く刈って
前髪パラリにしない訳にはいかない」と真似されただけなのに
「番長候補の本命と目されているKくん」に
「いきなり思いがけないパンチの洗礼を受けた」そうで
「部屋で一人になると、レコードプレーヤーに【ルイジアナ・ママ】を置いた
アメリカの陽気な恋のポップス
飯田久彦と一緒に歌いながら、激しく全身を使ってツイストを踊る
たったの2分45秒で、顔の痛みの半分はとれた
もう一度、シングル盤に針を落とす
今度はB面の【電話でキッス】だ
恋と涙の詰まった2分45秒の完璧な虚構の世界に惑溺するため
私は毎日、家に帰るとツイストを踊った
一人ぼっちのツイスト
こうして私の悲しい特技が生まれた」んだとか…