ふたつの会社でこの列車は運行されているそうです。会社が変わった時には機関車を変えるらしい。アプト式機関車へのつけ替えや何回かの連結を繰り返し、進行方向を逆にしたりして車両は次第にその長さを増してきます。
雨は降り止みません。スイス政府観光局のパンフには「アルプスの名峰、美しい森や牧草地、山間の急流や渓谷など絶景の連続。車窓から存分に風景を堪能しましょう」と書かれていましたが、何ともむなしい 氷河特急の旅になってしまった。
列車は、北海への長い旅をするライン川に沿って走ります。 「ライン峡谷では線路の左右に巨大な岩壁が息をのむような高さでそびえているのです」と車内の日本語パンフに書かれていますが、ガスの中を走る車窓には映ってはくれませんでした。この雨のなか寒かろうにゴムボートでラフティングを楽しんでいる若者の姿も見られました。
ライン川に寄り添って渓谷を走る列車。岩山岸壁がそこまで迫ってくる峡谷。パンフにはこんな写真で紹介されていますが、雨と霧の中を走行した私たちの旅には提供していただけなかった景色です。そして雨で濁った水、澄み渡るラインの流れではありません。