伊坂幸太郎著。
「魔王」「呼吸」の50年後を描いた続編ということで。
共通した登場人物は出てくるけど、同時期に平行して書かれたという「ゴールデンスランパー」により近いかな。
監視社会という共通項においてです。
物語では、いきなり拷問されかけます。
主人公の渡辺さん。
浮気を疑った彼の奥さんの依頼を受けた岡本さんに。
なんとかその窮地は脱出するけど、今度はSEの渡辺さん、奇妙な仕事内容に振り回されていきます。
ある特定の言葉の組み合わせで検索すると、検索した人たちが危険な目に合う、もしくは死んでしまう。
この辺からネタばれかな。注意
数年前に起こった中学校での大量殺人事件。
押し入った犯人たちが生徒と先生を無差別に殺害し、用務員が正義のヒーローになったとされる事件の真相は・・・。
国家は国家が生き延びていくためだけに動いていく・・・・?
誰もがそのシステムの一部でしかなく、善悪などというものが希薄な中で仕事としてこなしているだけだ・・・・
頭の悪い私の理解を超えた理屈が何度も繰り返されます。
「魔王」では「ばかでかい規模の洪水が起きたとき、水に流されないで立ち尽くす、一本の木になりたい。」と主題がはっきりと書かれていたけど、これはなんだかよくわからないなあ。
そう言っていた安藤潤也も結局どうすればいいか分からず亡くなったようだし。
とは言え、いつもどおり窮地に陥りながらの主人公の思考、会話が洒落ていて面白い。
登場人物も魅力的だし。
だから拷問シーンやよく分からない理屈にもへこたれず、最後まで読めたのよ。
特に拷問を生業としている岡本さん。
なんかいいよねえ。そんな職業の人をいいって言うのもなんだけど。
それからやたらに強くて残酷で、浮気を絶対に許さない奥さんの佳代子さん。
正体が掴めないけど、本当に渡辺さんを愛してるんだなあ。
それに彼女なりの信念がしっかりしているところが いい。
五反田さんも笑っちゃう。「俺の喋ってるのは嫌味じゃない。遠まわしに、意地悪く、弱点をついているんだ。」って嫌味の事じゃん。
結局、騒動が一段落した渡辺夫妻は東京を離れ、北海道で喫茶店を始めます。
「目をそらして」生きていくことに決めたから。
見て見ぬふりをすることも大事なんです。
そして勇気は失くすといけないから、強い奥さんに預けてしまいました。
大きな目的のためにと言い訳にせず、小さな目的のために生きることにして。
最後、大きな力に対抗することは諦めてしまうところも「ゴールデンスランパー」に似てるんだね。
救いがあるようなないようなお話だなあ。
「魔王」「呼吸」の50年後を描いた続編ということで。
共通した登場人物は出てくるけど、同時期に平行して書かれたという「ゴールデンスランパー」により近いかな。
監視社会という共通項においてです。
物語では、いきなり拷問されかけます。
主人公の渡辺さん。
浮気を疑った彼の奥さんの依頼を受けた岡本さんに。
なんとかその窮地は脱出するけど、今度はSEの渡辺さん、奇妙な仕事内容に振り回されていきます。
ある特定の言葉の組み合わせで検索すると、検索した人たちが危険な目に合う、もしくは死んでしまう。
この辺からネタばれかな。注意
数年前に起こった中学校での大量殺人事件。
押し入った犯人たちが生徒と先生を無差別に殺害し、用務員が正義のヒーローになったとされる事件の真相は・・・。
国家は国家が生き延びていくためだけに動いていく・・・・?
誰もがそのシステムの一部でしかなく、善悪などというものが希薄な中で仕事としてこなしているだけだ・・・・
頭の悪い私の理解を超えた理屈が何度も繰り返されます。
「魔王」では「ばかでかい規模の洪水が起きたとき、水に流されないで立ち尽くす、一本の木になりたい。」と主題がはっきりと書かれていたけど、これはなんだかよくわからないなあ。
そう言っていた安藤潤也も結局どうすればいいか分からず亡くなったようだし。
とは言え、いつもどおり窮地に陥りながらの主人公の思考、会話が洒落ていて面白い。
登場人物も魅力的だし。
だから拷問シーンやよく分からない理屈にもへこたれず、最後まで読めたのよ。
特に拷問を生業としている岡本さん。
なんかいいよねえ。そんな職業の人をいいって言うのもなんだけど。
それからやたらに強くて残酷で、浮気を絶対に許さない奥さんの佳代子さん。
正体が掴めないけど、本当に渡辺さんを愛してるんだなあ。
それに彼女なりの信念がしっかりしているところが いい。
五反田さんも笑っちゃう。「俺の喋ってるのは嫌味じゃない。遠まわしに、意地悪く、弱点をついているんだ。」って嫌味の事じゃん。
結局、騒動が一段落した渡辺夫妻は東京を離れ、北海道で喫茶店を始めます。
「目をそらして」生きていくことに決めたから。
見て見ぬふりをすることも大事なんです。
そして勇気は失くすといけないから、強い奥さんに預けてしまいました。
大きな目的のためにと言い訳にせず、小さな目的のために生きることにして。
最後、大きな力に対抗することは諦めてしまうところも「ゴールデンスランパー」に似てるんだね。
救いがあるようなないようなお話だなあ。