本当の覚醒、本当の悟りは、個人的意志の完全な明け渡しを通じてやって来ます。
それは完全な明け渡しです。
もちろん、これはしばしば私たちの幻想的自己感覚の中に恐れを生み
個人的意志を手放すことはトラウマ的だ、という解釈を生むだけになってしまうこともあります。
私たちは明け渡しが、自分を危険に開いてしまうことを恐れます。
もし自分が個人的意志を手放したら、私たちは自分が欲しいものを決して得ることができず、
世界も決して自分が望むようにならず、決して何事も自分の望むように起こることはないと思うのです。
私たちが究極的に見ることは、こういった結論それ自体がただの思考にすぎないということです。
実際、個人的意志などというものはないのですが、私たちがそれを見るまで
意志の経験は私たちが関わらなければならないものです。
ここで私たちは、幻滅することの知恵に出会い始めるのです。
私たちが何かに幻滅を感じるとき、それは自分の意志の終わりに来つつあることを意味しています。
自分の意志の終わりに来ることによって初めて、変容が起こるのです。
ドラッグやアルコールに中毒して回復した人たちは、
回復において非常に重要な要素は
自分の個人的意志の終わりに来ることだと知っています。
自分の意志を通じて自分の中毒を変えることはできないと、あなたは理解するのです。
人の意志はそれほど強くはないので、それを自分自身でやることはできないのです。
中毒者が「どん底に落ち込む」とき、それが本当に意味することは
その人の個人的意志が壊れてしまったということです。
そして私たちの個人的意志が壊れてしまったとき、まったく別の力が自分のシステムに突入して来ます。
それがスピリットの力であり
それが今度は機能することができるようになるのです。
なぜなら、あなたはもはや個人的意志へのしがみつきを通じて、それを避けていないからです。
私たち皆が自分の目覚めのプロセスで、自分の個人的意志の限界が訪れるでしょう。
私たちのほとんどは、ますます深いレベルで何回か異なったレベルで何回か異なった時期にそこを訪れ
ついに個人的意志は完全に絶滅するのです。
アジャシャンティ
あなたの世界の終わり
P179〜180