Storia‐異人列伝

歴史に名を残す人物と時間・空間を超えて―すばらしき人たちの物語

ムサビの芸術祭’11

2011-10-31 23:28:10 | 音楽・芸術・文学

芸術の秋だから美大の芸術祭というものを見に行った。安くて時間の節約は深夜バス、運ちゃんはおばちゃん(失礼)で東北道・首都高・中央フリーウェイと追越し車線バンバン飛ばしてくれて、前列で高い眺めがめずらしく、それよりもコワいのと狭い座席で眠れず早朝立川に降りたったら眠いのなんのって。目指すガッコにたどり着けば朝まだき7時過ぎ、正門すぐまえのアパートのムスメをたたき起こしてちょっとまどろめばもう11時近く。ともかくもこうして、ガンガンとロックの轟音鳴り響くキャンパスに入ったのであった。

 ■武蔵野美術大学芸術祭'11、日頃の課外活動や個人制作・研究成果の一般公開の作品展覧会、各サークルを中心とした個性的な模擬店群とともに開学以来の伝統的な行事、とか。2011年は10月29日(土)~10月31日(月)であった。 

  

個人出展とグループ出展、ゲージュツ系の仕事のヒキもあったりするので、作品の脇には自作名刺やらポートフォリオをおいたりと、出展する子はそれなりにがんばっているようであった。しょせんお祭りだからか、作品は質量ともにちょっと残念な感じ、卒展にはまだまだのお遊びの世界だが、器用な学生はいまふうイラストというか漫画なんてお手のものなのだ。


本気のものは公募展とか学外に出すのかもしれない。だが卒業後何年かのセミプロがやっと入選するような狭き門、現役で賞を仕留めるのは至難のワザ、入選すらならず落ち込むことも多いようだ。だから、来なくていい!などと一時不機嫌でこっちのほうが落ち込んでしまったが、盗まれたチャリンコ見つかったり先週あたりはずっとマンマが泊り込み夏冬取替、上げ膳据え膳、足の踏み場もない部屋大掃除のせいかニコニコになっていた。ピンピロリン~「おーい、どこだ」「友達とあそんでる、いまどこ?」「どこって、サンマ焼いてる前だ」「そこ、動くなっ、行く」・・・

ここへのムスメの志望動機はオヤジにはほとんど分からぬが、ファインアートは本道、そこに突き進んでしまったのだ。むむ、蔵書から見るにあのスタジオジブリの大先輩やら「ハチミツとクローバー」のせいも少しあるかいな?やれるだけやってみな。じつに伸び伸びした学校であって入学式など途中からギンギンのステージになっておねえさんたちがサンバを踊りまくる。ポット出のムスメはドギモを抜かれたのであった。さすがに2年にもなると、一風かわった表現技法を作り出したようで今年あたりの作品にはちょっとおどろきのものがある。まあ彼女に見つかるまいから、ちょっとだけ貼っておこう。これはアブラではなく多層の塗りを彫って描いている・・・構想力と、べらぼうな根気、やり直しはきかず・・・

     幸せだけ正夢になれ

ちょうど学内では、「杉浦康平・脈動する本」と「20世紀から21世紀へ 転換期のポーランド・ブックアート」というブックアート/デザイン展が開かれているのでこちらも見させてもらった。杉浦さんの手がけた装丁になる本は2000冊にもなるという。そうだ、こういう世界もあったか、ほんものの本という紙のメディアも貴重なものだと思ったことであった。

「笑点」にも出ている林家たい平さんは、なんとここのOBでしかも客員教授である。東日本大震災後の慰問のなか石巻市観光協会からムサビの学生による≪未来があり元気になる作品≫を復興支援のために寄贈してもらえないかというお願いを受けたと。「石巻支援アート押しプロジェクト」、復興に向けて頑張る市民を応援し、勇気づけ美しいものを見る喜び、将来に向かう元気を届けようというのだ。作品はJR石巻駅、商店街、ホテルなどに展示してくれるという。ムスメも絵を出したが、オヤジはみていない。そのうち石巻で見れるだろうかな。

 

コメント
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