1.はじめに
私は、エンタテインメント企業で「場」創り総務の仕事を13年間携わり、その後のHLD Labでの活動をつづけながら新たに見えてきた「世界観」があります。
少し仰々しい表現となりますが、最近思う「場」つくり観とは..
『「人」を徹底的に知る努力をする事』、そして『社会幸福(人類善)の実現に向けたさまざまな仕掛けや仕組み、そして人間社会に不可欠な『愛』の時空創造の具体的施策の有効性を仮説検証しながらそれを絶えず継続してゆく事』
と思っています。
長年、社会生活を過ごしてくると、若い時の価値観とは異なる視点で物事が見えることがあります。
組織経営、仕事や働き方、幸福な暮らし、「場」を創る!.....
「場」創りは「人間」を知ることから始まります。
地球時計*から見た「ホモサピエンス」登場は23:59‘58” ! たった2秒の世界。
とはいえ、数十万年の時は膨大な時間であり、それでも現代人が、かくも文明的な暮らしをしていることは奇跡と言えます。
ダーウィン云く「最も強い種が生き残るのではなく,最も賢い種が生き延びるでもない。唯一生き残るのは,変化に対応できる種である」とは未来の人類への示唆でもあります。
ベストセラーとなったイスラエルの歴史家、ユバル・ノア・ハラリの『サピエンス全史 ; 文明の構造と人類の幸福』と『ホモ・デウス』は、知的好奇心を刺戟してくれる本です。
私にとっての「人間」を知る手がかりとなるヒントが満載されています。
書評からの紹介です。
【本書はスコープが「歴史」に留まっていないこと、そしてそのおかげで「歴史」の理解がより深まるところにある。七万年前からわれわれが生物学と歴史の両方の線路を走る存在になったこと。
そして、生物としての順応力を超えたスピードで飛躍してしまったために、不安を抱えたとても危険な種になっていること。
超ホモ・サピエンス(シンギュラリティ)は科学技術だけでは語れず、否応なしに哲学、社会学を巻き込んでいく。小賢しく言ってしまえば、リベラルアーツを学ぶことの重要さへの示唆が、この本には詰まっている。
「サバンナの負け犬だったわれわれサピエンスが今の繁栄を築いたのは妄想力のおかげ」という主題には説得力があって、この魔法の杖一本でネアンデルタール人駆逐から資本主義隆盛までの大イベントを語りつくす。
「農業は史上最大の詐欺」という奇を衒(てら)ったような主張も、種の繁栄か個の幸福かという重たいテーマを考える糸口となっている。】
人類の歴史を振り返る事は「人」を知る手がかりになります。サピエンス視点から「場」とは何か!を考え、そして、「場」どのように「創造」してゆけば私たちの「幸福」に繋がってゆくかのを考察も有効です。
2.マネジメントスタイルの新思考と「実践学」の視点
私は、近未来型マネジメントスタイルは「幸福価値創造経営」や「ソーシャル・キャピタルマネジメント」にシフトしてゆくと思っています。
MBAホルダーや社内パワーバランスに長けた「優秀」な人材も必要ですが、概念分解・分析能力や、「人間」に対する好奇心と柔軟な発想や思考ができる経営レベルの「人財」として CHO(Chief Happiness Officer)をCFOの並び配置する事が必要と感じています。
今もCHO(Chief HR Officer)として活躍されている経営職はいますが、「H」をHRではなくHappiness とすることがポイントです。
Chief Happiness Officer の役割は、組織社会に於いて、人々を繋げ、思いを語り合い、新たな関係性を創造,構築してゆく経営職として、組織幸福の「場」を創造するデザイナーです。
これからの時代は、組織社会で働く人々の幸福感受性を高揚させる「場」をプロデュースし、人間社会の中で「社会時間」や「組織時間」、そして「交流時間」や「自由時間」の基本設計をデザインし、働く人々のモチベーション力を意志力にまで押し上げてゆく「ソーシャルハピネスデザイン」のスキルと経験値を持つチェンジリーダーが求められています。
組織社会集団を牽引してゆくトップマネジメントは、「事業ビジョン」を語ると共に、組織を支え価値を生み出す人々たちの「心の想い」に目を向けた「人心・人本ビジョン」をも語ることが大切です。
私が考える「人心・人本ビジョン」とは、「人事戦略」とは異なる概念です。
「人事戦略」とは、どちらかと言うと、働く人々を「管理・監督」して経営側の思いに合わせるように仕向けるもの!とのイメージがありますが、「人心・人本戦略」は、働く人々を管理するのではなく、自律的に価値創造意欲を高める「人間価値経営」とでもいうイメージです。
キーワードは「ハピネス」!
幸福感や幸福感受性を持ちまた高めて暮らせる社会の実現と、組織社会との関係性に於ける「組織時間」と「プライベート・自由時間」とのウェル・バランス!が大切です。
「働き方改革」で問われている事は、働く人々の幸福「場」つくり!ではないでしょうか。
意識変革は簡単ではありませんが、誰かが汗をかかなくては何事も変わりません。
今こそ、Chief Happiness Officer や総務人事FMに携わるプロフェッショナルの出番です。
一組織単位での取組には限界があります。
私は、CHOや総務人事FMの横連携を高め、その機能を有機的な社会ネットワークを構築する事で、単位組織を超えた日本社会の躍動を創り出してゆければと考えています。
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