社会の常識として、オフィスの区画は「共通目的」を持ってスペースを使用する、同一組織や人間集団が、他の組織や外集団とは隔離させて、限定された人々により利用されるものとの思い込みがあります。
「〇〇会社のオフィス」には、関係者以外は立ち入る事が出来ません。 それは、オフィス内には、有形・無形の「営業機密」や「秘密事項」が存在しており、関係者以外への機密事項等の漏洩を防止する事が一つの理由です。 また、自組織が不利益となる「情報」を社外に流出させない為の防御策、要すれば、物理的なスペースへの「情報セキュリティ管理」も大きな理由の一つです。まぁ、ネットワーク社会では、物理場より、デジタル場のセキュリティ管理が重要である事は言うまでもないことですが!
また、同一組織内でも、「関係者以外」に情報を開示しないケースもありますよね。この意識や光景は、当たり前であり「疑問」にも思われていないケースが多いのですが、ちょっと視点を変えてみると、組織自体の情報資産管理へのセンシティブな思い込みが、組織の「意識サイロ化」を助長している側面も否定できません。
こうした意識風土は「隔離型オフィス」を志向させる傾向がありますが、一方ではオープンイノベーションを志向したオープンオフィス概念も併存している社会の中で、オフィスの在り方を考え直して見ることも必要です。
果たして、働く場所としてのオフィスは、同一組織の関係者だけが集い、空間を占有し、時間を共有することだけで「機能」を果たしていると言えるのでしょうか。
私自身は、この問いに対する社会意識の顕れが、組織社会の共創志向やオープンイノベーション期待感を背景として、「コ・ワーキングスペース」型のオフィス提供事業が拡大しているのでは!と感じでいます。
でも、現実的には組織社会側の「期待価値」を充足させるまでには至っていないように映ります。それは、組織社会側が保守的なオフィス概念から脱却できていないことも理由の一つかもしれません。
では、どのような道筋を示せば、コワーキングが意味をなす「未来型オフィス概念」への進化適応が促進されてゆくのでしょうか。
-続く-