ハッピーライフ デザイン

幸せな人生をデザインしてゆく「羅針盤」ブログです

体系的「場」つくり理論シリーズ その7 『ウェルビーング』を共創する環境条件 -総務・人事・広報・経営企画との連携-

2022-07-27 08:43:00 | 日記

今年はバックオフィスのイベントで講演させていただく機会が増えています。
8/23にもDXPO2022で『未来型イノベーティブ・バックオフィスが会社を変える!~クリエイティブ・メタバース×DX総務の機能と役割~』の特別講演をさせていただきます。

https://box.dxpo.jp/tokyo/conf2022.html
管理部門のDXを加速させる!をテーマとしたイベントです。

総務FMの領域で取り組んでいる『「場」つくり』とは、人事・社内広報、経営企画、情報システム部門等のバックオフィスDX領域を視野に入れた取組であるという事!
謂わば、「総務FM、人事・広報・経営企画・情報システム等」が一体となり、働く人たちの幸福「場」つくりを進めて行く事が、これからの時代は大切だと思っています。

総務、FM、社内広報、人事、経営企画、情報システムは、其々の個別業務を担いながら、働く人たちのエンゲージメントパワーを最大化する戦略と具体的施策について、連携してゆくことが求められます。
其々の仕事に就く方々に認識して貰いたいことがあります。
それは、働く人たちにとっての「ウェルビーング」を創造する環境条件を知っておくこと。

今更、当たり前の事ばかり!と思われるかもしれませんが、なかなか出来そうで出来ていないこともたくさんあります。
具体的な「ウェルビーング」の構成要素として、8つの向社会的ポジティブ感情があります。

希望
喜び
寛容
思いやり
信頼
畏敬
感謝

これらは、自己というより人間同士のつながりから生じるものです。
全ての感情がポジティブである必要はありません。時にはネガテイブであってもいいのです。大切な事は、そういう自分の状態を知る意識を持っておく事です。
「場」つくりとは、組織開発であり、また組織マネジメントとも言えます。
要は『経営』そのものです。

「場」つくりで最も重要な視点は、組織で働く人たちの『想い』を意識する事。
そして、組織で働く人間同士の関わりをいかに円滑にして、個々の能力を発揮してもらい価値創造活動を進めてゆくかが経営者に課される責務でもあります。
ベタなアプローチかもしれませんが、今こそ「ウェルビーング環境構築」を経営の重要な柱とすべき時代となっていると思います。

誰が牽引するのか!

経営者並びに経営職階のエグゼクティブの意識変革により、総務FM、人事、広報部門、経営企画の横断的連携と、トップマネジメントとのアライメントが大切です。

体系的「場」つくり理論シリーズ その6 組織のコミュニケーション・デザイン&マネジメント

2022-07-26 08:12:00 | 日記

「コミュニケーション」が組織力を、そして会社力をいかに高めていけるかについて考察してみます。
コミュニケーションとは、「人間」の間で行われる知覚・感情・思考の伝達行為です。この伝達行為をベースに、人と人の間で「意志の疎通」が行われたり、「心や気持ちの通い合い」が行われたりと、「相互に理解し合う」ことでコミュニケーションが成立します。
組織社会では、コミュニケーションによって人の感情、意思、思考、知識などさまざまな情報が伝えられ、受け止められながら創造的知識生産活動が行われます。
またコミュニケーションの機能は情動的であり、相手の意識や行動を制御するとともに、「共感」を呼び起こす行為でもあります。
さらに、コミュニケーションは言葉による会話や対話に、表情、身振り手振りといった非言語メッセージが統合されて成立するリアル空間でのものと、バーチャル空間(メール、チャット、TV電話などICTツールやメタバース等を媒介した場)を通じて成立するものがあります。

最近の技術進歩でバーチャルとリアルのボーダーがなくなりつつありますが......、息遣いや香りを感じられるのはリアルだけです!

■コミュニケーションが活性化し活力ある「場」を創造するには
 私は、こうしたコミュニケーションの特性を十分に認識した上で、組織を構成する人の気持ちや思いに焦点を当てた「総務」の実践、つまりインナーブランディングをベースにした「場」の創造が、組織を変革し会社力を高めるきっかけになると考えています。
コミュニケーションを活性化し活力ある「場」を創っていくには、集団の中での人々の「意識」や「行動心理」を理解することが大切です。そして、組織規模に即した総務戦術、つまりワーカー数とワークスペースの調和と場の演出を考えなくてはなりません。
社員・役職員すべてがお互いに顔と名前がわかる規模の会社と、何千、何万という社員がいてオフィス拠点が国内外に多数展開している組織のコミュニケーション戦略は異なります。オフィス内で働く社員・役職員すべてがお互いの顔と名前が認識できる規模(100人程度の人員数)では、社員同士が仲間、同僚意識を持ちながら仕事上のコミュニケーションは比較的スムーズに行われます。
この規模の組織では、リアルコミュニケーションを主体としたコミュニケーションマネジメントが可能です。
社長主催の朝会やタウンホールミーティング、日々の業務の打ち合せは、知った者同士で効率的なテーブルワークが有効に機能します。
「場」の一要素たるワークプレイスは社員が自律的に創ることができます。一方、組織が一定規模以上になると、お互いの名前や顔を直接認識できなくなります。同じ組織やチームで働いていても、話したこともない人が増えてきます。この段階にある組織のコミュニケーションマネジメントには、物理ワークプレイス内のリアルコミュニケーション環境と、ICTツールを活用したバーチャルコミュニケーション環境やメタバース空間を融合した場つくりが求められます。

また、組織規模に関係なく、働く人々が交わりを持ち、共通話題で盛り上がり、共感し、同じ会社で働く仲間としての喜びと達成感を分かち合える環境創りを心掛けなくてはなりません。しかしながら、それぞれの仕事を持つ社員・役職員は、自分の仕事に関係ないと思っていることや、興味、関心のないことには意識が向かいません。また、話したことがない人との会話は、共通話題がなければ成立しません。

■相互コミュニケーション誘発の有効な仕掛け総務ミッションの一つは、価値観の異なる人の行動心理と人間関係の状態を観察して、担当業務が異なり日頃交わりの少ない、ないし、交わりのない人達の相互コミュニケーション誘発の仕掛けを「場」に創り出すことにあります。
有効な仕掛けの一つがIoTツールやAIの活用と運用の洗練化です。ユニファイド・コミュニケーション(統合的なコミュニケーション通称UC)の仕掛けを構築したり、メタバース空間を構築し、リアルコミュニケーションを補完すながらメタバースとの相互乗り入れでもある「マルチバース」化への取り組みです。
デジタルネイティブ世代は、デジタルリテラシーが高く、意識や感情の伝達をチャット、メール、LINEなどのツールを使いこなしてコミュニケーションをしています。彼らは、業務でもプライベートでもバーチャルコミュニケーションが当たり前になっており、どの組織でもリアルコミュニケーションが面倒と思う人は少なからず居るのではないでしょうか。
常識的な感覚では、バーチャルよりリアルコミュニケーションの方が望ましいコミュニケーション手段、と思われていると思います。リアル対面会話では、場の雰囲気、空気感、臨場感や相手の表情、息遣いなどノンバーバルコミュニケーションを含めたコミュニケーションができます。
相手への気遣いや、ホスピタリティを伝える表情(笑顔や目線)や、さりげないオーラを相手に感じて貰えるのもリアルコミュニケーションの強みです。しかしながら、組織が大きくなればなるほどリアルコミュニケーションができる機会が減ってきます。忙しい日々の中、いちいち話し合う時間を取ることはできません。
メールで一斉連絡しておけば仕事効率も高まりますが、反面、無機質なコミュニケーション場になる懸念もあります。仕事でもプライベートでも、相手の心に届くコミュニケーションとは、リアルコミュニケーションとバーチャルコミュニケーションをバランス良く使い分けることです。このバランスのとれた使い分けを実践させていく取り組みがコミュニケーションマネジメントです。
今後はメタバースやらマルチバースなどの空間を織り混ぜたコミュニケーションデザインが求められてきます。総務部門と情報システム部門等が協力体制を築いて取り組むべき課題です。

体系的「場」つくり理論シリーズ その5 『パワーワーキング空間」の設計&デザイン -Nature fixed LivingWorkPlace のデザイン思考とWork Techの融合-

2022-07-25 08:45:00 | 日記


都会のストレス社会で暮らす人たちは、知らず知らずのうちに心にストレス垢が溜まってきます。
放って置くと、その垢は石化し、取り返しのつかない心状態になりかねません。
仕事での憂鬱が折り重なると尚更です。

ストレスは脳で感じるものですが、その影響は心身にも及びます。
脳ストレスは、自然環境の中でデトックスされます。  自然力の効果です。
森林浴をしたり、夜空の星を眺めたり、大海原で心地よい風を感じたり、清流の辺りで野鳥の囀りを聴くと脳がリラックスし、心身に元気をもたらします。 
皆さんも経験された事ありますよね。

こうした体験は、都会生活を送りながらアーバンシティで働く人たちには到底無理な事!
と諦めていませんか?
スマートシティでは、多くの大型オフィスビルの外構や街中には、グリーンベルトが配されたり、公園や水辺が造られ、自然環境に配慮された社会つくりが進められています。
自然の力が、人々の暮らしに潤いと豊かな心地を提供できる事が認知されているからこそ、緑化演出が施されているのです。

私は、オフィスや室内生活空間でも同様の発想があって良いのでは!と思っています。
勿論、都会生活をしていると「どこでもドア」がない限り、本物の大自然環境を身近に置く事は出来ませんが、今のテクノロジーを駆使すれば、擬似自然環境を演出する事は可能です。

オフィスで自然・森林浴!

リフレッシュルームに夜空の星を!

社員食堂でアウトドアランチを!

ナッピングエリアで高原の風を!

コミュニケーションエリアに自然音を!

無窓空間に燦燦と降り注ぐ太陽光を!
.....etc

VR✖️AR、MRやXRなどのテクノロジー、ナッピングPOD、ハイレゾ音響再生技術、ナノテクノロジーによる香り演出、3D空気調和システムとブリージング対流演出、プラネタリウム投影技術、擬似窓/天井へのプロジェクションマッピング、サウンドマスキング....etc
HLD Lab では、こうした既に実用化されている技術をキュレーションしながら、空間演出をしてゆくNature Fixed Living & Workplaceの実現と、Work Tech の進化によるセンシング技術を駆使した「場」のプロデュースを進めています。
また、リアル場に加えメタバース空間との融合によるマルチバース演出も加え、Web3世界に向けた先進的「場」つくりを設計中です。

体系的「場」つくり理論 その4 コーポレート・コンシェルジュ機能

2022-07-25 08:43:00 | 日記

組織に内在する様々な「知」を集合・整理し、それらを有機的に繋ぎ合わせたり攪拌させることで「組織の知性」を高め、「組織の感性」を豊かにする「コーポレートコンシェルジェ」の機能は、これからの知識社会には不可欠です。

「バウンダリースパナー」もコーポレート・コンシェルジェといえます。
「バウンダリースパナー」とは、ネットワークにおいて異なるクラスター間を有機的に結びつける「境界連結者」です。
「コミュニケーション・コンシェルジュ」として、組織知のノード的役割と共に組織内「サイロ」の壁を上手く突き崩してゆく組織知のブレンダー兼コミュニケーション・ファシリテーターです。

組織におけるコミュニティ(部門、グループやチーム)には、ある種の閉鎖性があります。
つまり、人間は、仲間意識を共有している集団の中に、異分子たる他者が入る事を無意識的に「拒絶」する意識が働く傾向があります。「村意識」とも言える感覚です。
組織の中でこのような「クラスター」化したコミュニティが並存している状態を「サイロ化」とか「蛸壺化」と言われ、組織活性化の阻害要因となります。

クラスター化した組織を、風通しの良いコミュニケーション組織に変革してゆくには、コーポレート・コンシェルジュをいかに機能させてゆくかが重要です。
私は、コーポレートコミュニケーション部門や社内広報部門などの組織が、コンシェルジュ機能を担うのが良いと思いますが、こうした機能を担う組織が無い場合は、総務FM部門がイニシアチブをとって推進してゆくべきと考えています。

大規模組織では、情報システムネットワークを活用した「知識情報コンシェルジュ」の仕掛を情報プラットフォームの中に構築してゆく事も重要です。
さて、コーポレート・コンシェルジュといってもオールマイティとはいきません。 役割機能に則した考え方をお伝えしてゆきましょう。

■コーポレート・コンシェルジュの役割
5つのタイプに分類してみました。

1.ウェルネス・コンシェルジュ
「健康経営」の重要性が見直されている時代に於いて、社員の健康意識を高めてWell being を促進させてゆく役割です。
具体的な施策として、定期的に「社員健康白書」をまとめ、社員の健康意識を高めたり(内容は別の機会に紹介します) 、社員食堂のメニューを、シェフ並びに保健師や管理栄養士と連携して、バランスのとれた食を提供してゆく等が考えられます。
また、社員の心のケアやメンタルサポートを行う役割も重要です。人の心に関わるセンシティブな仕事は、専門的知識や経験を有する「ウェルネス・コンシェルジュ」を置く事に意味があると思います。

2.コミュニケーション・コンシェルジュ
経営陣やエグゼクティブ層は、生産性向上に向けた「コミュニケーションの活性化」を望んでいます。
然し乍ら、社内で生産性向上に繋がる社員間の「コミュニケーション活性化」は簡単ではありません。
皆さんも日常を思い起こしてみてください。
例えば、今まで話をした事もない他部門の社員に対して話しかける事は勇気のいる事ではありませんか?
たとえ顔見知りであっても、よほどの話題や用事が無ければスルーするのが普通ですよね。社員は「友達」ではありませんから、仕事に関するコミュニケーションを自然で誘発させてゆくには、社員同士が「同僚」意識を持てる雰囲気を醸成させて、仲間感覚を感じられるようにする周到な準備と仕掛けが必要です。 
こうしたコミュニケーション誘発の施策を考え、演出してゆく機能がコミュニケーション・コンシェルジュの役割です。

3.ナレッジアセット・コンシェルジュ
ナレッジアセット・コンシェルジュ業務は「情報資産管理業務」とも言えます。
組織に内在する様々な「知識情報」をライブラリー化し、社員が必要とする情報やデータ、更には成果や実績等のナレッジコンテンツを、全社横断的に構築・運用するのが「ナレッジアセット・コンシェルジュ」の役目です。
どの組織でも「文書管理規程」があり、文書管理業務は総務部門の専管事項の1つです。
単なる紙文書管理ではなく、デジタル情報資産を含めた「ナレッジ・ドキュメンツマネジメント」を高度化させて、必要な情報を素早く検索出来る環境を作る事で生産性を上げることができます。

4.ワークスタイル・コンシェルジュ
ナレッジワーカーやアーティストの創造力を描き立たせ、彼らのクリエイティブワークを総合的にサポートしてゆく事が「ワークスタイル・コンシェルジュ」の役目です。
人間科学の分野、特に心理学の知見を深め、働く人たちの気持ちや心の動きなどを考慮したを「ワークスタイルデザイナー」機能も兼ね備えておくことが必要です。
一般的には、人事総務部門の仕事です。

5.ブランディング・コンシェルジュ
社員一人ひとりを元気にし、組織力を向上させる「インナーブランディング」施策を企画実行するのが「ブランディング・コンシェルジュ」の役目です。
(尚、ここでは、アウターブランディングは含まずに考察してみます)

社員同士の仲間意識を高めたり、社員のエンゲージメントレベルを強くしてゆく諸施策、例えば、ファミリーデーやスポーツイベントの開催や、社内でのワクワクイベントの開催(単なる懇親会を超えた企画!)を推進する事により、社員間の同士意識が醸成され、組織へのエンゲージメントも高まります。
この仕事は、コーポレートコミュニケーション部門や広報部門がイニシアチブを取るのが良いと思いますが、そうした機能を持たない組織の場合は、総務人事FM部門が担うべきと思います。

コーポレート・コンシェルジュとは、コミュニティマネジャーとインナーブランディング・プロデューサーを統合させた機能と役割です。
この職務を担える人材をどのように養成してゆくかも重要な課題ですが、養成手法については別の機会にお話しします。

-続く-