ハッピーライフ デザイン

幸せな人生をデザインしてゆく「羅針盤」ブログです

体系的「場」つくり理論シリーズ その3「場」の意味とは!

2022-07-22 08:29:00 | 日記


このシリーズの主題である「場」についてお話しします。

そもそも「場」って何でしょう。
オフィス?     環境?    職場?    組織?        暮らし?    時間?    空間?....

「場」という概念は、人により様々な考え方や感じ方があると思いますが、私は、「場」には四つの視点があると考えています。

第一の視点は、経営の器たる物理場としての「建物・オフィス空間」であり、働く人たちが暮らすリアルなワークプレイスの視点です。
いわば、組織社会で働く人々が、出社する場所であり、そこで働く為の諸機能、例えば、衛生環境や執務機能環境が備えられた場所!   といった現実空間です。

総務FM部門のミッションに一つである、オフィスや研究施設、工場等のファシリティを軸とする物理的な「場」を維持構築してゆく業務は、FM業務の中核となる仕事です。

初期投資を意味するCAPEX、及び家賃や設備費等の維持・運営費用を意味するOPEXに投じるお金は、組織にとって人件費に次ぐ大きな金額となりますから、経営者にとって「費用」ないし「コスト」の観点で、できるだけ安くしておきたいとの思いが働くものです。

結果、経営視点では、FM投資とは物理的ワークプレイス構築や改善・改修、そして維持運営に関わる「費用」ないし「コスト」部分のみにに焦点を当てて、「投資対効果」をみるのではなく、付加価値を生まない費消されているお金の意識で、「費用対効果」とした数字のみを判断基準とする傾向にあります。
 

第二の視点は、組織の文化や風土、そして規範、規律、制度といった組織の枠組みの視点です。其々の組織には歴史があり、その時空間の中で醸成・蓄積されてきた独特の文化が存在します。

そして文化が醸し出す風土は組織の個性をつくりだし、組織の知的生産性に様々な影響を与えます。「場」の価値を高め、組織の知力向上を演出するうえで重要な要素となります。

「組織風土と知的生産性」の相関性は、次に述べる第三の視点である、組織で働いている人々の『想い』や『幸福感』との相乗的効果を絡め考察してゆくことが不可欠です。

そして、第三の視点!
働く人々の心情や意欲といった、目には見えない「想い渦巻く意識空間」です。

組織は人間の集団であり、様々な個力が結集して価値創造活動を行っています。
組織の原単位である人の『想い』、つまり、価値創造に励む人々の意欲、熱意、生き甲斐、喜び、感謝、楽しみ、満足感、そして幸福感こそが、価値創造活動を支え、刺激し、イノベーションをわき起こす原動力となっています。
ある意味、場の要素のなかで最も重要な視点であり、人々の『想い』を「場」の概念に織り込んでおく事が大切です。

然し乍ら、これら第二、第三の要素は数字による定量的測定が難しい!という難点があります。

最後、第四の視点は、人間組織内に存在する知識・情報資産をナレッジワーカー達の知識創造活動に有効かつ効果的に活かせる「バーチャル空間」つまり、バーチャル意識ネットワーク場の視点です。
組織内のコミュニケーションを活性化させる仕掛けとして不可欠の要素であり、イノーベーションを誘発する要素でもあります。

こうした複合的な「場」の意味を有機的に組み合わせながら、価値創出活動(仕事と言われるもの)を支えてゆくことが「場」つくりです。
その本義は、働く人々の創造力や各種潜在能力を誘発させる仕組みや環境設計を周到にデザインしながら、人々が活気とわくわくを感じながら、夢中で活動できる「セレンディピティパーク」をプロデュースすることです。
働く人々一人ひとりの「知」が、単位組織レベルに統合されてゆくと部門組織力が高まります。
そして、部門「組織知」を組織全体にブレンディングし、システマチック・トランザクティブメモリー(誰が何を知っているかを知れるシステム)を組織実装することにより、組織の「実践知」が醸成されてゆきます。
実践知を触発してゆくには、部門間の垣根を無くす「バウンダリースパナー誘発システム」を取り入れてゆきます。

組織の知力を能率的に編集・編纂し、サイロ化された組織間の壁を融解させる事が期待できます。
これも「場」つくりという考え方です。

-続く-

体系的「場」つくり理論シリーズ その2 ネガティブ意識の人たちの特性と活性化手法!

2022-07-21 06:41:00 | 日記


人間が集団を作り何かの目標を持つと、目標に向かいポジティブ意識を持つ人たち(概ね10-20%)と、人任せの風見鶏ニュートラル意識の人たち(概ね60-70%)、そして何でも反対&ネガティブ意識を持つ人々(概ね10-20%)に分かれる傾向があります。

『2:8の法則』ともいわれます。

人間集団の特徴の一つです。

ネガティブな意識を持つ人々には共通項があります。

脳科学者の林成之氏の「脳に悪い7つの習慣」(幻冬舎新書)」によると、

・「興味がない」と物事を避ける事が多い

・「嫌だ」「疲れた」とグチを言う

・言われた事をコツコツやる

・常に効率を考えている

・やりたくないのに我慢して勉強する

・スポーツや、絵などの趣味がない

・めったに人をほめない

皆さんも心あたりあるのではないでしょうか。
「場」つくりを行うにあたり心得ておくべき人間集団心理の一つです。

本来、人間は怠惰な生き物!かもしれませんが、『意識の持ち方』次第で変わる事が出来る可能性も秘めています。

『意識の持ち方』とは、『自分自身の人生の生き方』とも言えます。
「人の人生放っておいてくれ〜!」
と思われる人も多くいると思います。

当然だと思います。私も人からとやかく言われたくない一人ですから!

大切な事は、本人の『自覚』と『覚悟』を「覚醒」させる組織「場」を創造してゆく事。

強制的なルールをつくり、無理強いしてはいけません。
行き過ぎた「管理」をしてはいけません。
「信頼」を醸し出す我慢と覚悟、そして中庸意識やネガティブ意識に支配されている人たちの『自覚』を促してゆく「水向け」の演出術を施す事が「場」つくりプロデューサーのみならず、全てのマネジャー・管理職に求められます。

どのようにすれば、組織で「風見鶏タイプ」や「ネガティブ族」への意識改革の刺激と自覚を促す事が出来るのでしょうか。

一番難しい経営課題であり、簡単ではありませが『方法』はあります。
その一つが、私流でいつも言っている「わくわく場つくりプロデュース手法」
言い換えれば『幸福な組織経営術』です。

価値を生み出すのは「人間の知」です。
私が思う「組織経営」とは、人間を知り、人の心の機微を知り、人生の想いを知り、相互人間愛を感じる知覚を磨き、集う人々の幸福感受性を最大化してゆく「場」つくり!ではないかと思います。

企業価値を高める活動の原点は「人間の叡智」です。
私流「場」つくり体系の根幹にある哲学は、働く人々の潜在知力を自律的に創発させてゆく幸福意識ともいる「わくわく」価値にスポットを当てた「人間経営」の視点です。

-続く-

体系的「場」つくり理論シリーズ その1 「場」つくりのエンジニアリング!

2022-07-20 09:21:00 | 日記


このシリーズは、私が取組む『「場」つくり』の意味と意義を体系的に整理してゆく試みです。
少し専門的な話もありますが、わかりやすくお伝えしてゆきます。

第一回目は 「人間工学」「感性工学」「認知工学」「空間・環境デザイン工学」を応用した「場」のユーザビリティを考えてみます。

「場」つくりエンジニアリングとユーザビリティ!
ワクワク幸福「場」の演出に必要な基礎知識の一つです。

私たちが、知的創造活動を行う上で利活用している「道具」たる椅子、机、PC、電話...等の「使い心地」、つまり「ユーザビリティ」を追求するエンジニアリングが「人間工学」の世界です。

例えば、一脚20万円以上もするオフィスチェアへの投資を『「ユーザビリティ」を高められれば、人間の知的創造活動が活性化し、知的生産性向上に繋がる!』との仮説を立て、企画提案をした場合、立ちはだかる壁は、

「椅子などは安い簡易なもので十分!そんな無駄金を使うな!」
との経営からの突っ込みです。

「ユーザビリティ・感性と生産性の相関」を、納得感あるストーリーで説明・説得する事が出来なければ、「ユーザビリティ改善・感性投資企画」は絵に描いた餅に帰してしまいます。

でも、これを立証するのは中々大変です...よね!

そこで、経営に対し「ユーザビリティ」の価値や「感性投資」の意義を納得してもらう(説得ではありません)にあたり、「人間工学」の視点に加え、「認知工学」や「感性工学」そして、「空間・環境デザイン工学」などの分野も織り交ぜてストーリーを作り上げてゆく手法が有用です。

先ずは、知識の整理をしてみましょう。

「ユーザビリティ」には、3つの側面があると言われています。

1. 機器等の操作すなわち「人間の出力系」に関係した側面

2. 機器等の認識すなわち「人間の入力系」に関係した側面

3. 機器等操作にまつわる「人間の内部状態」に関係した側面

要は、「操作性」「認知性」「快適性」ということ。

これら三つの問題に関連した研究領域として、「人間工学」「認知工学」「感性工学」「空間・環境デザイン工学」などがあります。

「人間工学」は、環境物理的な体感を軸とした研究分野、「認知工学」は、人間の記憶や判断などのプロセス処理や情報処理ループ全体をも扱うもの、そして、私が今最もこだわりを持っている領域が「感性工学」です。

「感性工学」とは「感性」「感性情報」そして「感性情報処理」を扱う学問分野です。
「感性」とは、人間が感じる「美しさ」「心地よさ」「面白さ」そして「楽しさ」などポジティブな情動、つまり「心の働き」の事です。

感性情報とは、人間のポジティブな情動が湧き起こる刺激となる「情報」です。
そして「感性情報処理」とは、感性情報を集め、作り、作り替え、蓄え、伝えるシステムの事とされ、要は、「感性工学」とは、人間の「心のフィット感」をいかに捉え具現化してゆく研究分野と言えます。

更に、「空間・環境デザイン工学」は、より広い視点から、自然環境に人工空間・環境をデザインする複合工学として、人間の暮らしを豊かにする基盤創りを担っています。

こうしたアカデミア研究で検証・実証されてきた価値ある理論や知見を、実務家である総務FMプロフェッショナルが、実践場に則した理論の応用と学際知の結合により「実践知」を深めてゆくことが大切です。

私は、こうした努力の積み上げにより「ユーザビリティや感性投資と生産性との相関」を説得力ある考え方やストーリーに仕立て上げ事が出来るようになると考えています。

人間工学(身体のフィット感)+感性工学(心のフィット感) の融合で「場」のフィット感を演出してゆく「居心地クリエイター」!

そして、こうした目に見えない「価値創造」要素を、誰もが理解出来るような平易な言葉や概念で伝えてゆく仕事も「戦略的クリエイティブ総務」の範疇です。

「場」創りの科学と実践学 マネジメントスタイルの新思考

2022-07-19 16:39:00 | 日記


今日は「場」つくり実践学の視点から「マネジメントの在り方」をお話ししてみたいと思います。

私は、近未来型マネジメントスタイルは、「幸福価値創造経営」や「ソーシャル・キャピタルマネジメント」にシフトしてゆくと思っています。

MBAホルダーや社内パワーバランスに長けた「優秀」な人材も必要ですが、概念分解・分析能力や、哲学や倫理観を踏まえた「人間」に対する好奇心と柔軟な発想や思考ができる経営レベルの「人財」として 、CHO(Chief Happiness Officer)をCFOの並び配置する事が必要と感じています。

今もCHO(Chief HR Officer)として活躍されている経営職はいますが、「H」をHRではなくHappiness とすることがポイントです。

Chief Happiness Officer の役割は、組織社会に於いて、人々を繋げ、思いを語り合い、新たな関係性を創造,構築してゆく経営職として、組織幸福の「場」を創造する経営デザイナーともいえます。

これからの時代は、組織社会で働く人々の幸福感受性を高揚させる「場」をプロデュースし、人間社会の中で「社会時間」や「組織時間」、そして「交流時間」や「自由時間」の基本設計をデザインし、働く人々のモチベーション力を意志力や行動力にまで押し上げてゆく、「ソーシャル・ハピネスデザイン」のスキルと経験値を持つチェンジリーダーが求められています。

組織社会集団を牽引してゆくトップマネジメントは、「事業ビジョン」を語ると共に、組織を支え価値を生み出す人々たちの「心の想い」に目を向けた「人心・人本ビジョン」をも語ることが大切です。

私が考える「人心・人本ビジョン」とは、「人事戦略」とは異なる概念です。
「人事戦略」とは、どちらかと言うと、働く人々を「管理・監督」して経営側の思いに合わせるように仕向けるもの!とのイメージがありますが、「人心・人本戦略」は、働く人々を管理するのではなく、自律的に価値創造意欲を高める「人間価値経営」とでもいうイメージです。

キーワードは「ハピネス」!

幸福感を持って暮らせる社会の実現と、組織社会との関係性に於ける「組織時間」と「プライベート・自由時間」とのウェル・バランス!が大切です。

「働き方改革」で問われている事は、働く人々の幸福「場」つくり!ではないでしょうか。
意識変革は簡単ではありませんが、誰かが汗をかかなくては何事も変わりません。

今こそ、Chief Happiness Officer や総務人事FMに携わるプロフェッショナルの出番です。
一組織単位での取組には限界があります。
私は、CHOや総務人事FMの横連携を高め、その機能を有機的な社会ネットワークを構築する事で、単位組織を超えた日本社会の躍動を創り出してゆければと考えています。

「デジタル田園都市国家構想応援団」での活動にも繋ぎ合わせながら、DXを活用したわくわく日本社会創りにも貢献出来ればと思っています。