コンロン・ナンカロウ:
・自動ピアノのための習作 第42番
・自動ピアノのための習作 第45番
・自動ピアノのための習作 第48番
・自動ピアノのための習作 第49番
演奏:自動ピアノ
Wergo: WER 60165-50
ジャケットのおじさんは、アメリカからメキシコに亡命したという変な経歴の作曲家ナンカロウです。名前もなんか変ですね。自動ピアノのための習作をいっぱい作っていますが、それも変な音楽ばかりです。
リズムや和声や音階やフレーズなどは全体的にジャズの影響が強いように感じますが、まったく耳心地のいいものではありません。例えるなら、ドナルド・マクドナルドがあの笑顔で刃物を振り回して襲ってくるような錯覚に落ち入るような音楽です(そんな画像をネットで見た気が……)。
音楽の設計としては、複数のパートが互いに噛み合わないテンポで進行するという、人間が演奏するには困難なものになっています(それでも演奏する人間はいて、CDも色々出ていて私も持っています)。しかもそれらのパートが独立してあり得ないほど加速したり減速したりして、まるで音の滝を浴びるようです。
私はこのCDを買ってから長らくの間、聴くのがしんどかったのですが、近年ようやく聴けるようになりました。しんどさの理由の一つには、噛み合ないはずの全てのパートが平面的に並べられているために、音楽の中心的なものが何だか掴めないというのがあったような気がします。近年では音楽の散らばり具合がいいなと思えるようになったようです。
CDと同じ音源と思われる動画(?)がありました。
比較的聴きやすい第45番の一部です。
ただし、鬱状態の人が聴くと錯乱するかも知れないので注意してください。
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