ヨハネス・ブラームス:
・交響曲第4番 ホ短調 作品98
・悲劇的序曲 作品81
指揮:レナード・バーンスタイン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Grammophon: 410 084-2
なぜか突然ですが柄にもなくブラームスのCDです。19世紀の後半、カロリーの高いロマン派全盛期の中にあって、ブラームスは形式感を重視した古典主義的な渋い作風でした。なんでも当時のドイツ楽壇はブラームス派とワーグナー派に分かれてお互いをののしっていたとか。ロマン派の音楽というのは、表現したいという衝動が従来の音楽の形式からはみ出てできたようなものです。はみ出しまくったワーグナーの音楽と、できるだけ収めようとしたブラームスの音楽では、それは相容れないに決まっています。
私はロマン派の音楽は苦手なのですが、このブラームスの交響曲第4番には思い入れがありまして、それはオーケストラで最初に演奏した曲の一つだからです。と言っても私の出番は第4楽章だけでしたが。ブラームスはこの曲でさらに古い形式を指向しています。第2楽章では教会旋法の一つであるフリギア旋法(ミファソラシドレミの音階)を用いたり、第4楽章はシャコンヌという変奏曲の一種であったりします。特にこの第4楽章のいかにも古めかしく聴こえる作りには面食らってしまいます。このディスクでも、第3楽章までは割と余裕をかました演奏なのに(そういう曲想だと思うし)、第4楽章は妙に雰囲気たっぷりになっていてちょっと引いてしまうのですが…。
YouTubeにあったNHK交響楽団による昭和天皇追悼演奏会での第4番の第4楽章。ホールに聴衆はいないのでしょうか、厳かな雰囲気と演奏です。
さてここからが本題(または心底どうでもいい話)。ネオジオの格闘ゲーム「サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣(ざんくろうむそうけん)」では、このブラームス交響曲第4番の第4楽章に酷似した部分があるBGMがあるのです!(心底どうでもいいか…)
その曲とは天草四郎時貞のBGMです。下の動画(音量がでかいので注意!)で0:09~0:48の旋律は、上の動画の1:07~1:23の部分に当たります。初めて聴いた時には笑ってしまいました。
ネオジオ格闘ではモーツァルトのレクイエムの例もあるから不思議ではありません。ブラームスの著作権はもちろん既に切れているので問題は無いのですが、「斬紅郎」のCDの曲目解説等にブラームスの名前が無いのは部分的な使用だからでしょうか? クラシックを使ったゲーム音楽はかなりの数がありますが、このような使い方は極めて珍しいでしょう。それとも私が知らないだけかな?
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