特に知らなかったので、三部作と言われたら三四郎が主人公の話だと思っていたのだが、主人公は代助という男だった。
まあでも、漱石自身が三四郎に続く「それから」であり、門へと続く「それから」であるといっているそうなので、まあそれはそうなのだろう。
というわけで漱石三部作の第二部まで読んだことになる。文中に「それから」という言葉が何度となく出てきて、そのたびに、ああ、それからどうなるのだろうと思ってしまうような作品でした。
154ページ抜粋
翌日眼が覚めると、依然として脳の中から、半径の違った円が、頭を二重に仕切っている様な心持がした。こう云う時に代助は、頭の内側と外側が、質の異なった切り込み細工で出来上がっているとしか感じ得られない癖になっていた。それで能く自分で自分の頭を振ってみて、二つのものを混ぜようと力めたものである。彼は今枕の上へ髪を着けたなり、右の手を固めて、耳の上を二三度敲いた。
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