フォルクスワーゲンのプロがインプレッションする企画第2弾!
今回はT-Roc TDIをインプレッションします。
T-Rocは昨年の2020年夏から日本にて発売されました。
前回紹介のT-Crossのような台数の記録はそこまで大きくないものの、
今のフォルクスワーゲンの主力モデルであることは間違いありません。
実はT-Rocの世界的なデビューは2017年のモーターショーでした。
当時、TIGUANと同時に発表発売されましたが、日本ではなかなか導入されませんでした。
ですが、昨今のSUVブームにより日本でも導入、発売をした注目の新型モデルです。
◆デザイン◆
フォルクスワーゲンらしいエッジの深いデザインと、サークル型のデイタイムランニングライト、
クーペSUVとも言われる、後席にかけてルーフラインが落ち、デールゲートに傾斜がついているのが特徴的です。
また、ホッケースティックと言われているサイドのガラス上からCピラーにつながるシルバーのトリムがおしゃれポイントです。
流麗、エモーショナル、というフォルクスワーゲンらしくないワードが導入研修で印象的でした。
フォルクスワーゲンのデザイン哲学としては水平基調でシンプル、飽きの来ない、古く見えないデザインを大事にしているので、
T-Rocはちょっと特別な凝ったアウディ的なデザインをしています。
また、T-Cross同様、車体下側は樹脂になっていて、SUVらしい力強さも演出しています。
プレスラインはサイドの深いキャラクターライン以外にも、前後のフェンダー部のホイールアーチ、リアゲートの深い折り目ラインが印象的です。
ドアノブもキャラクターライン下にあり、他モデルと比べると少し低い位置にあるのがわかります。
また、インテリアも凝ったデザインをしています。
エクステリアフロントマスクを思い出してみると、リンクしているのがわかります。
サークル型のデイタイムランニングライトは左右のエアコン吹き出し口、
グリルの形は、ダッシュボードインパネの形とリンクしています。
こういう統一されたデザインが所有欲を高めます。
◆パッケージング◆
フォルクスワーゲンの考え方としては家族で快適に乗れるスペースを大事にしています。
後席にかけてやや下がっていくルーフライン、クーペSUVスタイルのT-Rocでも、
後席のヘッドスペースを犠牲にしていません。大人4人であれば広々と乗ることができます。
また、後席の足元のスペースもT-Crossと比べると余裕があります。
車幅もT-Cross比+6cmということもあり、シートにも余裕があります。
T-Crossでは少し小さい、後席の使用頻度が高いという方にオススメです。
ラゲッジルームもゴルフやT-Crossより大きいものになっています。
小さめであればゴルフバックが横に乗る場合もあります。
◆エンジン◆
排気量:2000cc
馬力:150PS
トルク:340N・m
燃費WLTC:18.6km/L
燃料:軽油
他のTDIモデルと共通の2リッタークリーンディーゼルターボです。
アドブルー(尿素水)で有害物質を無害化する最新の浄化システムを採用している、
新世代のクリーンディーゼルとなっています。
クリーンディーゼル車の特徴としてとても太いトルクの為、ガソリン車ではあり得ないパワー感を感じることができます。
中高速域での追い越し加速のシーンを得意とするのですが、街乗りでも扱いやすく、モリモリと力強く走ります。
またトルクで走るので、ガソリン車と比べて満載の重い時でも燃費悪化しないのも特徴です。
とは言え、ガソリン車と比べるとネガティブなポイントもあります。
エンジンレスポンスです。走り出しのスムーズさ、踏み込んだ時の応答がやや遅いです。
エンジン構造が違うので仕方ないですが、スポーツカー的な走りには向かないエンジンです。
とは言え、T-Rocはネガがかなり改良されています。TIGUANやGOLFのTDIエンジンに比べればガソリン車に近いです。
あとは、振動やガラガラ音、フォルクスワーゲンのクリーンディーゼルはかなり静かな方ですが、
ガソリン車と比較してしまうとやや振動、音は気になります。
◆走行性能◆
・ハンドリング
TDIエンジンはT-Crossの1リッターエンジンと比べると重いです。
その重さによって重厚感のある走りになっています。
軽快さはありませんが、とても安心のできるしっとりとしたハンドリングです。
T-Crossとの車格の違いを感じる、一段上の質感を感じます。
・足回り、乗り心地
こちらも質感の高さを感じます。
ドイツ車らしい硬い乗り心地ですが、目地段差でドンッ!と突き上げられた時、
T-Crossよりも振動は少ないです。足がうまく収めてくれて、懐深い足だなと感じます。
とは言え、高級セダンのような滑らかな乗り心地ではありませんのでご注意を!笑
T-Cross同様車高の高さを感じさせないロールの少なさ、国産モデルにはないしっかり感があります。
高速で長距離移動しても疲れません。安心してずっと乗っていられると思います。
また、シートもすごく良いです。
ドイツでは走行距離の想定が日本の2倍です。年間2万キロ走行が想定されています。
つまり、シートに座る時間も2倍です。長く乗っていても疲れないシートになってます。
シートは硬めで座面には傾斜がついていて腰がしっかり固定されます。
特にT-Rocのスポーツシートは詰め物の量、サイドサポートがベストバランスで、
快適性、ホールド性がここまで高いレベルで両立できるとは!と驚きました。
・ブレーキ
ドイツ車らしくよく利くブレーキです。
速度を問わず、扱いやすく、安心できます。
T-Crossよりも剛性感、しっかり感があります。
◆不満点◆
多くの方からご指摘頂くのは内装のチープさです。
安くても410万円、高いと460万円、諸費用入れると500万円超えの車なのに、ダッシュボード、ドアはハードプラです。
競合国産モデルはこの金額で選べばかなり豪華なインテリア(レザーシートなど)が選べます。
POLOでさえソフトパッドを使っています。せめて、ダッシュボードにソフトパッドを・・・涙
なぜかというと、フォルクスワーゲンは目に見えないところにお金をかけているからです。
MQB骨格など非常にマニアックなつくりをしています。
だからと言って内装を簡素にというのはお客様には受け入れられません。
◆総評◆
★★★☆☆3.5
デザインはとてもカッコよく、サイズ感、使い勝手がちょうどいいです。
幅は182cmと少し大きいですが、最小回転半径が5.0mととても小回りが利くのもうれしいポイントです。
正統派、硬派なコンパクトSUV、一緒に暮らしたら楽しいこと間違いなしだと思います。
個人的には本国モデルの1.5リッターガソリンエンジンが気になります。
このサイズ、この格好にはガソリンモデルがマッチしていると思います。
日本に導入されることがあればまた記事にしたいと思います。
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今回はT-Roc TDIをインプレッションします。
T-Rocは昨年の2020年夏から日本にて発売されました。
前回紹介のT-Crossのような台数の記録はそこまで大きくないものの、
今のフォルクスワーゲンの主力モデルであることは間違いありません。
実はT-Rocの世界的なデビューは2017年のモーターショーでした。
当時、TIGUANと同時に発表発売されましたが、日本ではなかなか導入されませんでした。
ですが、昨今のSUVブームにより日本でも導入、発売をした注目の新型モデルです。
◆デザイン◆
フォルクスワーゲンらしいエッジの深いデザインと、サークル型のデイタイムランニングライト、
クーペSUVとも言われる、後席にかけてルーフラインが落ち、デールゲートに傾斜がついているのが特徴的です。
また、ホッケースティックと言われているサイドのガラス上からCピラーにつながるシルバーのトリムがおしゃれポイントです。
流麗、エモーショナル、というフォルクスワーゲンらしくないワードが導入研修で印象的でした。
フォルクスワーゲンのデザイン哲学としては水平基調でシンプル、飽きの来ない、古く見えないデザインを大事にしているので、
T-Rocはちょっと特別な凝ったアウディ的なデザインをしています。
また、T-Cross同様、車体下側は樹脂になっていて、SUVらしい力強さも演出しています。
プレスラインはサイドの深いキャラクターライン以外にも、前後のフェンダー部のホイールアーチ、リアゲートの深い折り目ラインが印象的です。
ドアノブもキャラクターライン下にあり、他モデルと比べると少し低い位置にあるのがわかります。
また、インテリアも凝ったデザインをしています。
エクステリアフロントマスクを思い出してみると、リンクしているのがわかります。
サークル型のデイタイムランニングライトは左右のエアコン吹き出し口、
グリルの形は、ダッシュボードインパネの形とリンクしています。
こういう統一されたデザインが所有欲を高めます。
◆パッケージング◆
フォルクスワーゲンの考え方としては家族で快適に乗れるスペースを大事にしています。
後席にかけてやや下がっていくルーフライン、クーペSUVスタイルのT-Rocでも、
後席のヘッドスペースを犠牲にしていません。大人4人であれば広々と乗ることができます。
また、後席の足元のスペースもT-Crossと比べると余裕があります。
車幅もT-Cross比+6cmということもあり、シートにも余裕があります。
T-Crossでは少し小さい、後席の使用頻度が高いという方にオススメです。
ラゲッジルームもゴルフやT-Crossより大きいものになっています。
小さめであればゴルフバックが横に乗る場合もあります。
◆エンジン◆
排気量:2000cc
馬力:150PS
トルク:340N・m
燃費WLTC:18.6km/L
燃料:軽油
他のTDIモデルと共通の2リッタークリーンディーゼルターボです。
アドブルー(尿素水)で有害物質を無害化する最新の浄化システムを採用している、
新世代のクリーンディーゼルとなっています。
クリーンディーゼル車の特徴としてとても太いトルクの為、ガソリン車ではあり得ないパワー感を感じることができます。
中高速域での追い越し加速のシーンを得意とするのですが、街乗りでも扱いやすく、モリモリと力強く走ります。
またトルクで走るので、ガソリン車と比べて満載の重い時でも燃費悪化しないのも特徴です。
とは言え、ガソリン車と比べるとネガティブなポイントもあります。
エンジンレスポンスです。走り出しのスムーズさ、踏み込んだ時の応答がやや遅いです。
エンジン構造が違うので仕方ないですが、スポーツカー的な走りには向かないエンジンです。
とは言え、T-Rocはネガがかなり改良されています。TIGUANやGOLFのTDIエンジンに比べればガソリン車に近いです。
あとは、振動やガラガラ音、フォルクスワーゲンのクリーンディーゼルはかなり静かな方ですが、
ガソリン車と比較してしまうとやや振動、音は気になります。
◆走行性能◆
・ハンドリング
TDIエンジンはT-Crossの1リッターエンジンと比べると重いです。
その重さによって重厚感のある走りになっています。
軽快さはありませんが、とても安心のできるしっとりとしたハンドリングです。
T-Crossとの車格の違いを感じる、一段上の質感を感じます。
・足回り、乗り心地
こちらも質感の高さを感じます。
ドイツ車らしい硬い乗り心地ですが、目地段差でドンッ!と突き上げられた時、
T-Crossよりも振動は少ないです。足がうまく収めてくれて、懐深い足だなと感じます。
とは言え、高級セダンのような滑らかな乗り心地ではありませんのでご注意を!笑
T-Cross同様車高の高さを感じさせないロールの少なさ、国産モデルにはないしっかり感があります。
高速で長距離移動しても疲れません。安心してずっと乗っていられると思います。
また、シートもすごく良いです。
ドイツでは走行距離の想定が日本の2倍です。年間2万キロ走行が想定されています。
つまり、シートに座る時間も2倍です。長く乗っていても疲れないシートになってます。
シートは硬めで座面には傾斜がついていて腰がしっかり固定されます。
特にT-Rocのスポーツシートは詰め物の量、サイドサポートがベストバランスで、
快適性、ホールド性がここまで高いレベルで両立できるとは!と驚きました。
・ブレーキ
ドイツ車らしくよく利くブレーキです。
速度を問わず、扱いやすく、安心できます。
T-Crossよりも剛性感、しっかり感があります。
◆不満点◆
多くの方からご指摘頂くのは内装のチープさです。
安くても410万円、高いと460万円、諸費用入れると500万円超えの車なのに、ダッシュボード、ドアはハードプラです。
競合国産モデルはこの金額で選べばかなり豪華なインテリア(レザーシートなど)が選べます。
POLOでさえソフトパッドを使っています。せめて、ダッシュボードにソフトパッドを・・・涙
なぜかというと、フォルクスワーゲンは目に見えないところにお金をかけているからです。
MQB骨格など非常にマニアックなつくりをしています。
だからと言って内装を簡素にというのはお客様には受け入れられません。
◆総評◆
★★★☆☆3.5
デザインはとてもカッコよく、サイズ感、使い勝手がちょうどいいです。
幅は182cmと少し大きいですが、最小回転半径が5.0mととても小回りが利くのもうれしいポイントです。
正統派、硬派なコンパクトSUV、一緒に暮らしたら楽しいこと間違いなしだと思います。
個人的には本国モデルの1.5リッターガソリンエンジンが気になります。
このサイズ、この格好にはガソリンモデルがマッチしていると思います。
日本に導入されることがあればまた記事にしたいと思います。
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