お待たせしました!
フォルクスワーゲンのプロがインプレッションする新企画!とうとう始まります。
車種ごと評価ポイントを共通化するために
デザイン、パッケージング、エンジン、走行性能、乗り心地、不満点、総評という
7つの項目で各車種をインプレッションしていきます。
車選びの参考にしていただけたらと思います。
今回は注目のコンパクトSUV、フォルクスワーゲンT-Crossをインプレッションします。
T-Crossは約1年前、2020年1月に日本で発売されたコンパクトSUVです。
発売当初から人気が高く、2020年輸入車のコンパクトSUV部門でNO.1の販売台数だったという実績もあります。
そもそも世界でコンパクトSUVは今、流行っています。
なぜかというとコンパクトカー並みの取り回し性能で、背が高くヘッドスペースにも余裕があり、荷室容量も大きい。
また、高い着座位置で視点が高く運転しやすいからです。
ハイトワゴン軽自動車が決められて寸法内で上に大きくなっていて、それがとても人気があるのに理由は似ているかもしれません。
◆デザイン◆
大型のフロントグリルが特徴的です。
フォルクスワーゲンのデザインとしては珍しい大型のフロントグリルを採用、
また、ボンネットの高さを高くすることで実寸以上に車が大きく見えるデザインとなっています。
ボンネットのプレスライン、サイドのプレスラインともに2本線のラインとなっていて統一性があります。
サイドラインのプレスラインは深く、陰影が楽しめるデザインもフォルクスワーゲンらしさです。
リアのテールライトがつながっているのも今時のデザインです。つながっている部分は反射板のみで光ったりはしませんが、
夜間の安全性を高めるデザインにもなっています。
下側をカバーしている樹脂パーツはSUVっぽさを強調しています。
実際、ちょっと擦ってしまっても鉄と違い錆びないからそのままにできる点や、
板金ではなく樹脂部交換で済む為、安く直るメリットもあります。
◆パッケージング◆
SUVスタイルであるため、ヘッドスペースにゆとりがあります。
後席も狭くは感じさせない広さがあります。
コンパクトサイズなので絶対的な広さはありませんが、
ヘッドクリアランスや視界から狭く感じさせない工夫があります。
また、後席を14センチほど前後にスライドさせることができ、荷室の広さを変えることができます。
そもそも荷室もクラストップレベルの広さがありますが、荷物が多くなってしまった時には
頼もしい機構です。国産車はこの手の便利な機構がついている場合が多いですが、
どうしても輸入車はそういった一手間を加えた機構は苦手でした。
フォルクスワーゲンとしてはT-Crossで初採用となり、T-Croosへの力の入れようがわかります。
後席も広いことからファミリー層にもとても人気があります。
◆エンジン◆
排気量:1000cc
馬力:116PS
トルク:220N・m
燃費WLTC:16.9km/L
フォルクスワーゲンおなじみのダウンサイジングターボエンジンです。
1リッターではありますが、POLOよりパワーアップされており、
UP!GTIと同じエンジンを搭載しています。
馬力は116と驚くほどではありませんが、
街乗りや加速に特に大事なトルクは220Nと2リッタークラスの大パワーです。
パワー不足を感じさせません。競合モデルと比較してもパワフルです。
やはりこのあたりはアウトバーンで時速200キロオーバーでも走れるような
エンジンを載せていることがわかります。
◆走行性能◆
・ハンドリング
適度にクイックなハンドリングです。
遊びが少なく、スポーティーな印象です。
交差点やコーナリングでもグッと切っていくと思い通りの舵角でコーナーをパスしていきます。
とても気持ちいい。
特にフロントのエンジンは軽い為、グイグイノーズが入っていくように切り込めます。
ワインディングロードでもキビキビしていて絶対に楽しいのは容易に想像できます。
・足回り
柔らかく快適ではありません。
ドイツ車らしいしっかりとしたコシのある足です。
SUVはサスペンションのストローク量も多く、コーナーでふらつきがちですが、
さすがドイツ車、ロール量がとても少なく、ふらつきません。
初めて試乗してみた時に一番ビックリしたポイントです。
走りが好きな人はロールが大きい車は好きではないと思います。
そういった理由からSUVスタイルは好きになれない方も多いです。
T-Crossはコーナーの踏ん張り感がいい意味でSUVっぽくありません。
車高が高くない車に乗っているくらいのしっかり感があります。
・ブレーキ
私の86よりもしっかりしています。ブレーキの剛性やタッチがより安心できます。
つまり、国産スポーツカー以上の性能、質感という感覚です。
特に高速域でのしっかり感や初期制動の応答性、その後のタッチなどブレーキのフィーリングが
安心できるブレーキです。アウトバーン性能恐るべしです。
◆乗り心地◆
足回りがしっかりしている分、乗り心地はよくないかもしれません。
そもそもドイツ車は硬めの足として知られています。
スポーツ性を高めると乗り心地が悪くなるのは仕方ないことです。
でも決してガチガチのスポーツカーのように悪くはありません。
私の86は車高調を入れて走行性のは上がりましたが、快適性、乗り心地をかなり犠牲にしています。
休日に86に乗り、仕事でT-Crossに乗ると快適性と走行性能の両立を羨むほど快適です。
遮音性レベルもとても高いです。
ロードノイズ、風切り音、エンジン音、エンジン振動の車内への侵入はとても少なく快適です。
これはクラスを超えたレベルと言っても過言ではないと思います。
なぜか、それは3つの理由があります。
1.エンジンそのものがとても静か、3気筒エンジンですが、不快な音や振動は発生させないように作られています。
(これは試乗中のお客様に多く褒めて頂けるポイントです。)
今やただ走るだけのエンジンなんてどのメーカーでも簡単に作ることができます。
いかに静粛性が高く、低振動で燃費のいいエンジンを作ることができるか、各社が奮闘しています。
フォルクスワーゲンのエンジンはどのモデルもかなり静かで低振動です。
2.遮音材を多く使っている。床下やボンネットなど極力遮音できるように遮音材がとても多く使われています。
3.MQB骨格の採用、ボディ骨格は静粛性にも影響します。骨格のレーザー溶接や接着剤の改善により高級車並みの静粛性を実現しています。
◆不満点、気になる点◆
1点目はエンジンが1リッターということもあり、ターボ加給が薄い回転域1000~2000回転までは
トルク、パワーが薄いと感じることがないこともありません。
ターボ車のデメリットは走り出しのトルクの低さだとは理解していますが、
他の1.2~2リッターエンジン車以上に排気量が小さい為に感じてしまう点もあるかと思います。
でも、逆に2000回転以上はとてもトルクフルなので、ターボ車の特性として割り切るしかないでしょう。
2点目は内装がプラッキーな点です。
フォルクスワーゲンは目に見えないところにお金をかけるメーカーです。
MQB骨格や高性能エンジン、足回り、塗装等にとてもお金をかけているため、
ダッシュボードやドアの内張はすべてプラスチックにになっています。
僕みたいな車マニアのお客様には理解して頂けますが、
300万円以上する車でこの質感はナシ!と早々にジャッチしてしまうお客様も少なくありません。
国産車はそのあたりがうまいです。ソフトパッドや合皮、ステッチを多用してそこまでお金をかけずに豪華に見せてきます。
3点目は後部座席が14センチ程スライドすると紹介しましたが、
リアシートを前に動かしたときにラゲッジスペースの処理が微妙なのです。
動いた分荷室のボードが伸ばせるとかそういった細かな工夫はない為、
シートが前に動いたままのスペースになっています。
(説明が難しいですが、見ればわかると思います。。。)
4点目は運転席の足元のスペース
輸入車は基本左ハンドルで設計されているため、
右ハンドル仕様にしたときに運転席の足元に余裕がないのは
昔からの輸入車の懸念ポイントです。
慣れれば問題ないかもしれませんが、T-Crossもやや狭めです。
僕の場合左膝がセンターコンソールにあたってしまいます。
◆総評◆
★★★★☆星4
使い勝手、走行性能ともにとても高いレベルにあると思います。
国産車では満足できない、車の本質を理解しているこだわり派の人に選んで頂きたい車です。
また、コンパクトSUVで上質な走りを求める方、人と違う一クラス上のコンパクトSUVを求めている人には自信を持ってオススメしたい車です。
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フォルクスワーゲンのプロがインプレッションする新企画!とうとう始まります。
車種ごと評価ポイントを共通化するために
デザイン、パッケージング、エンジン、走行性能、乗り心地、不満点、総評という
7つの項目で各車種をインプレッションしていきます。
車選びの参考にしていただけたらと思います。
今回は注目のコンパクトSUV、フォルクスワーゲンT-Crossをインプレッションします。
T-Crossは約1年前、2020年1月に日本で発売されたコンパクトSUVです。
発売当初から人気が高く、2020年輸入車のコンパクトSUV部門でNO.1の販売台数だったという実績もあります。
そもそも世界でコンパクトSUVは今、流行っています。
なぜかというとコンパクトカー並みの取り回し性能で、背が高くヘッドスペースにも余裕があり、荷室容量も大きい。
また、高い着座位置で視点が高く運転しやすいからです。
ハイトワゴン軽自動車が決められて寸法内で上に大きくなっていて、それがとても人気があるのに理由は似ているかもしれません。
◆デザイン◆
大型のフロントグリルが特徴的です。
フォルクスワーゲンのデザインとしては珍しい大型のフロントグリルを採用、
また、ボンネットの高さを高くすることで実寸以上に車が大きく見えるデザインとなっています。
ボンネットのプレスライン、サイドのプレスラインともに2本線のラインとなっていて統一性があります。
サイドラインのプレスラインは深く、陰影が楽しめるデザインもフォルクスワーゲンらしさです。
リアのテールライトがつながっているのも今時のデザインです。つながっている部分は反射板のみで光ったりはしませんが、
夜間の安全性を高めるデザインにもなっています。
下側をカバーしている樹脂パーツはSUVっぽさを強調しています。
実際、ちょっと擦ってしまっても鉄と違い錆びないからそのままにできる点や、
板金ではなく樹脂部交換で済む為、安く直るメリットもあります。
◆パッケージング◆
SUVスタイルであるため、ヘッドスペースにゆとりがあります。
後席も狭くは感じさせない広さがあります。
コンパクトサイズなので絶対的な広さはありませんが、
ヘッドクリアランスや視界から狭く感じさせない工夫があります。
また、後席を14センチほど前後にスライドさせることができ、荷室の広さを変えることができます。
そもそも荷室もクラストップレベルの広さがありますが、荷物が多くなってしまった時には
頼もしい機構です。国産車はこの手の便利な機構がついている場合が多いですが、
どうしても輸入車はそういった一手間を加えた機構は苦手でした。
フォルクスワーゲンとしてはT-Crossで初採用となり、T-Croosへの力の入れようがわかります。
後席も広いことからファミリー層にもとても人気があります。
◆エンジン◆
排気量:1000cc
馬力:116PS
トルク:220N・m
燃費WLTC:16.9km/L
フォルクスワーゲンおなじみのダウンサイジングターボエンジンです。
1リッターではありますが、POLOよりパワーアップされており、
UP!GTIと同じエンジンを搭載しています。
馬力は116と驚くほどではありませんが、
街乗りや加速に特に大事なトルクは220Nと2リッタークラスの大パワーです。
パワー不足を感じさせません。競合モデルと比較してもパワフルです。
やはりこのあたりはアウトバーンで時速200キロオーバーでも走れるような
エンジンを載せていることがわかります。
◆走行性能◆
・ハンドリング
適度にクイックなハンドリングです。
遊びが少なく、スポーティーな印象です。
交差点やコーナリングでもグッと切っていくと思い通りの舵角でコーナーをパスしていきます。
とても気持ちいい。
特にフロントのエンジンは軽い為、グイグイノーズが入っていくように切り込めます。
ワインディングロードでもキビキビしていて絶対に楽しいのは容易に想像できます。
・足回り
柔らかく快適ではありません。
ドイツ車らしいしっかりとしたコシのある足です。
SUVはサスペンションのストローク量も多く、コーナーでふらつきがちですが、
さすがドイツ車、ロール量がとても少なく、ふらつきません。
初めて試乗してみた時に一番ビックリしたポイントです。
走りが好きな人はロールが大きい車は好きではないと思います。
そういった理由からSUVスタイルは好きになれない方も多いです。
T-Crossはコーナーの踏ん張り感がいい意味でSUVっぽくありません。
車高が高くない車に乗っているくらいのしっかり感があります。
・ブレーキ
私の86よりもしっかりしています。ブレーキの剛性やタッチがより安心できます。
つまり、国産スポーツカー以上の性能、質感という感覚です。
特に高速域でのしっかり感や初期制動の応答性、その後のタッチなどブレーキのフィーリングが
安心できるブレーキです。アウトバーン性能恐るべしです。
◆乗り心地◆
足回りがしっかりしている分、乗り心地はよくないかもしれません。
そもそもドイツ車は硬めの足として知られています。
スポーツ性を高めると乗り心地が悪くなるのは仕方ないことです。
でも決してガチガチのスポーツカーのように悪くはありません。
私の86は車高調を入れて走行性のは上がりましたが、快適性、乗り心地をかなり犠牲にしています。
休日に86に乗り、仕事でT-Crossに乗ると快適性と走行性能の両立を羨むほど快適です。
遮音性レベルもとても高いです。
ロードノイズ、風切り音、エンジン音、エンジン振動の車内への侵入はとても少なく快適です。
これはクラスを超えたレベルと言っても過言ではないと思います。
なぜか、それは3つの理由があります。
1.エンジンそのものがとても静か、3気筒エンジンですが、不快な音や振動は発生させないように作られています。
(これは試乗中のお客様に多く褒めて頂けるポイントです。)
今やただ走るだけのエンジンなんてどのメーカーでも簡単に作ることができます。
いかに静粛性が高く、低振動で燃費のいいエンジンを作ることができるか、各社が奮闘しています。
フォルクスワーゲンのエンジンはどのモデルもかなり静かで低振動です。
2.遮音材を多く使っている。床下やボンネットなど極力遮音できるように遮音材がとても多く使われています。
3.MQB骨格の採用、ボディ骨格は静粛性にも影響します。骨格のレーザー溶接や接着剤の改善により高級車並みの静粛性を実現しています。
◆不満点、気になる点◆
1点目はエンジンが1リッターということもあり、ターボ加給が薄い回転域1000~2000回転までは
トルク、パワーが薄いと感じることがないこともありません。
ターボ車のデメリットは走り出しのトルクの低さだとは理解していますが、
他の1.2~2リッターエンジン車以上に排気量が小さい為に感じてしまう点もあるかと思います。
でも、逆に2000回転以上はとてもトルクフルなので、ターボ車の特性として割り切るしかないでしょう。
2点目は内装がプラッキーな点です。
フォルクスワーゲンは目に見えないところにお金をかけるメーカーです。
MQB骨格や高性能エンジン、足回り、塗装等にとてもお金をかけているため、
ダッシュボードやドアの内張はすべてプラスチックにになっています。
僕みたいな車マニアのお客様には理解して頂けますが、
300万円以上する車でこの質感はナシ!と早々にジャッチしてしまうお客様も少なくありません。
国産車はそのあたりがうまいです。ソフトパッドや合皮、ステッチを多用してそこまでお金をかけずに豪華に見せてきます。
3点目は後部座席が14センチ程スライドすると紹介しましたが、
リアシートを前に動かしたときにラゲッジスペースの処理が微妙なのです。
動いた分荷室のボードが伸ばせるとかそういった細かな工夫はない為、
シートが前に動いたままのスペースになっています。
(説明が難しいですが、見ればわかると思います。。。)
4点目は運転席の足元のスペース
輸入車は基本左ハンドルで設計されているため、
右ハンドル仕様にしたときに運転席の足元に余裕がないのは
昔からの輸入車の懸念ポイントです。
慣れれば問題ないかもしれませんが、T-Crossもやや狭めです。
僕の場合左膝がセンターコンソールにあたってしまいます。
◆総評◆
★★★★☆星4
使い勝手、走行性能ともにとても高いレベルにあると思います。
国産車では満足できない、車の本質を理解しているこだわり派の人に選んで頂きたい車です。
また、コンパクトSUVで上質な走りを求める方、人と違う一クラス上のコンパクトSUVを求めている人には自信を持ってオススメしたい車です。
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街中でもボチボチT-Cross見るようになってきましたね。
今までのフォルクスワーゲンファミリーの雰囲気を踏襲しながら新しいデザイン言語で、近未来感がありお洒落だと思います。
国産コンパクトからの乗り換えや、フランス車あたりからも気になる1台ではないでしょうか。
ベースは現行POLOですか?
お返事遅くなりまして、すみません。
確かに国産車からの乗り換えやダウンサイズ、
他輸入ブランドからの乗り換えが多いです。
ベースは現行POLOです。
1リッター3気筒エンジンはパワーアップしていますので
POLOでパワーが足りないという方はT-Crossを検討という
パターンもあります!