南方単車亭日乗

奄美大島にIターンした中年単車乗りが、てげてげに綴ります。
はじめての方は、最初に《ごあいさつ》をお読みください。

大島海峡東岸紀行 伍拾参

2006年10月24日 20時11分32秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 伍拾弐よりつづく。

曽津高崎(そつこうさき:通常はソッコーザキと呼ばれる)から戻り、山道をさらに先に進む。
ほどなく、宇検中央林道2号線への分岐にいたる。
大島海峡東岸紀行 四拾四にて紹介した崩落現場を通過すれば、ここに至るのだ。
崩落現場まで行くつもりはないが、すこしだけ寄り道していこう。



眼下に、大島海峡東岸紀行 伍拾で紹介した桟橋跡の浜を眺める(じっさいの桟橋跡は左の斜面に隠れている)。
中央に三連立神(さんれんたちがみ)、その向こうに江仁屋離(えにやばなれ)、その右に見えるのが赤瀬。



ほぼ同じあたりから西古見(にしこみ)集落を見下ろす。
空は蒼く、海は紺碧。



林道横の緑が途切れたところで岩肌を眺める。



奄美大島は、地底深くフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下にもぐりこみ、海底が隆起してできた島である。
それも、一度だけぽっかり顔を出してそのまま現在に至るのではなく、大陸と地続きになったり離れたり、沈んでみたり隆起したりが繰り返されて現在に至っている。
アマミノクロウサギリュウキュウアユといった固有の生物は、こうした経緯によるものだという。
現在、マクロに見ても、島の北部と南部では地殻の変動の度合いもかなり違ったらしく、比較的平坦な北部に対して南部は起伏が激しい。
こうして岩盤が露出しているところを見ると、海底が隆起したなごりであろうか、水平に重なるはずの地層が急角度に傾いている。
試してみるまでもなく、こうした岩盤はひじょうに脆く、強い衝撃を与えれば簡単に剥がれ落ちる。
事実、岩盤が露出した箇所では、かならず剥がれ落ちた岩のかけらが路面に散らばっている。
こうした脆弱な地盤を持つ土地に村長・村議と地元の土建業者らが高レベル放射性廃棄物の最終処分場を誘致しようという動きが表面化されたのは、つい先日のこと。
地域住民の反対の声の大きさにすぐさま白紙撤回されたのだが、「5期目ともなるとこーゆーこともへーきでやるわけじゃやー。近隣自治体に住む者として安心できんちば」と思うオレである。

大島海峡東岸紀行も、いよいよ次回が最終回です。

つづく


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コメント (3)
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