岩佐和裁のブログ、裁縫記:IWASA WASAI's blog, SAIHOUKI

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縮緬のゴム化と正生地とバイヤス

2005年07月09日 17時39分05秒 | 未分類
プロジェクトX、言わずと知れたNHKの人気番組です。
 この番組で薬師寺の金堂の復元を放送した事がありまして、その時の宮大工の棟梁の”西岡さん”?の木の狂い方を表現した、「千年たてば丁度良くなる」という言葉が印象に残りました。
 木材と同様に布もその種類によって狂い方が違います。
前にも何回か記事にした事がありますが、以前縮緬類で大失敗をした事があります。
 私は縮緬類の地のしには蒸気アイロンを使うのですが、この時の生地は結構詰まって、調子に乗って詰めるだけ詰めてへら付けをし、素縫いが終わり”まとめ”に入って、縦とじを入れようとしたら、表地が緩くてとじが入らないではありませんか!最初はへらを間違えたと思いましたが、原因は、詰めたはずの生地が元に戻っていたのです。
 なんでもやり過ぎは駄目なんだと思い知らされました。
それと、裄の曲がりの大きい袖付けや、衿付けの流れなんかも、考えれば考える程わからず、結局は”えーいこんなもんか”と適当にやっています。
 厳密にいえば身八ッ口から肩山にかけての裄廻りや、おくみの流れは直角三角形の斜辺なのですからピタゴラスの定理(三平方の定理)にあてはめると、斜辺の長さ(流れ)を c とし、その他の辺の長さを a(合褄幅)、 b(衿先の位置からおくみ下がり迄のおくみ付けの長さ)にすると、 a2 + b2= c2 で求められるはずです。
 しかし現実はそういかなくて、反物の長さは横糸の数で決まります。
そこで悩みます、バイヤスの流れと、おくみ付けの衿先の位置からおくみ下がり迄とでは、横糸の数はどちらも同じであるのに、三平方の定理によれば、おくみの流れは、おくみ付けの衿先の位置からおくみ下がり迄より長いのです。
 そこでおくみの流れと同じ長さに、衿の流れのへらをして衿付けをすると、衿は正生地ですから、こんどはお互いの長さは同じですが、おくみよりも衿のほうが横糸の数が多くなり、衿が緩くなってしまいます。
だからといって横糸の数を揃えるには、衿の流れのへらの長さを、衿先からおくみ下がりのおくみ付けの長さと、同じにしなければならず、これでは紬類は勿論、縮緬類でもおくみが緩くて衿が付きません。
 平均では、おくみの流れから1分5厘引いた値を衿の長さにしていますが、先の紬や絽等ではそうもいかないときがあり、やっぱり感が頼り?と言う事になります。(私のはあてにならないです)

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コメント (2)
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