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フリップとルッツの差別化とジャッジ(ISU)の思惑

2011年12月02日 | フィギュアスケート

GPシリーズが6戦終わり、後はファイナルを残すのみとなりました。一部意外な顔も見られますが、大方予想通りの面々が揃ったような気がします。

ファイナルはもう来週開催ですが、その前にちょっと気になったことを書きとめておこうかと思います。

既に海外の掲示板や日本の掲示板でも話題に上っていますが、レオノワ選手のジャンプ構成の認定のばらつきが気にかかるのです。具体的にはフリップとルッツの跳び分けがどうなっているのかということになります。

ロステレコムの際には、解説の荒川さんが少し触れていましたが、フリップとルッツでは踏切までのジャンプの入り方が異なります。もちろん選手それぞれに癖や工夫があるので全て同じとは言えませんが、多くの場合フリップはターンから入り、ルッツはS字を描くようにして入ります。

荒川さんが指摘したのはこれに絡んでくると思うのですが、レオノワ選手のフリップおよび構成で申請されているルッツはみんなターンから入っているんですよね。それではエッジは完璧に跳び分けられているのかと言うとそれはNoです。

参考までに彼女が出場した3大会のFSにおけるフリップとルッツの構成と判定は以下の通り。

スケートカナダ

3Lz(e)

3F+2T

3F<

 

NHK杯

3F(認定:加点つき)

2F+2T

3F+3T

 

ロステレコム

3Lz(e)

3F

2F+2T

 

毎回微妙に構成が違うのと、認定がそれぞれ異なっているのがお分かりいただけるかと思います。結局彼女はフリップを3回飛んでいるのか、それとも単なるフルッツなのか。前者なら確信的にザヤックルールの危険を犯して飛んでいるのでしょうか? しかしNHK杯ではコンボ1つは2+2になっているものの、全部フリップ扱いです。ちなみにロステレコムでは妙に点数が出るまで時間がかかり、最終滑走の浅田選手がうろうろした挙句コーチに手招きされ立ち尽くして待ちぼうけしておりました。時間がかかることはたまにはあることとはいえ、上記のような展開だと、ジャッジがレオノワ選手のルッツ(あるいはフリップ)をどう扱っていいのか対処について意見がまとまらなかったのではないかと推測します。

真相は選手本人と、協議の意図はジャッジにしか分かりませんが、エラーを取るなら取るでもっとはっきりしたガイドラインが制定されるべきではないかと改めて思った展開でした。

これはもちろんレオノワ選手だけを責めているのではなく、毎回ころころと基準が変わる審判団が一番悪いと思っています。点数の出し方も、いかに毎回選手が違い、演技の精度も違うとはいえ高めに出る大会と渋めの大会があるのは誰もが認めることでしょう。場合によっては順位・ポイントで並んだ場合、高めの大会に出ていたかそうでないかでファイナルへの切符の行方が左右されます。毎試合同じジャッジにしろとは言いませんが、もう少しばらつきが少ない採点姿勢を見せてほしいものだと思います。