歌うように語ろう

観劇や観戦(主にフィギュアスケート)等について語るブログです
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もうすぐGPF。その前に……

2011年12月04日 | フィギュアスケート

ツイッターで見つけた動画なのですが、今年のGPFに出場する女子シングル選手の紹介動画をご紹介します。率直に言って、テレ朝他本職の人が作るものよりもよほど出来がよく、かつ選手のよさを存分に引き出していると思います。

http://www.youtube.com/watch?v=frJ4s8GiCcY

ちなみに去年は男子編を作られているようなので、興味がある方はそちらもご覧になると楽しいかもしれませんね。

 

さて、直近のGP6戦ロシアで実現した「愛の夢対決」ですが、対決などと煽られるようなものではなく、それぞれの年齢にふさわしい違いが表現されたものだったと私は思いました。

曲がかぶること事態はままあることですが、同じ振付師に依頼している選手で、選手同士にも関係があるとなると傍から見ればやりにくいのではないかと思ってしまいます。ましてや今回ソトニコワ選手のSPおよびFS、浅田選手のSPを担当したタラソワ氏本人が「本当は私がマオに愛の夢を振付けたかった」と発言していることを思うと、対決とまでは思わなくとも、つい比較はしてしまうかと思っておりました。

しかし彼女たちが6歳差であること、また曲のアレンジがかなり双方で異なっていたこともあり、両選手の個性も相俟って対決と言うよりはむしろ「協演」であるかのような満足感を得られました。

残念ながらソトニコワ選手の調子はよろしくなく、浅田選手もロステレコムではFSでミスがいくつか出てしまったのでそれぞれ完全版ではありませんでしたが、それでも彼女たちが表現しようとしているそれぞれの愛の夢の概要は伝わったように思います。

ソトニコワ選手の愛の夢は、まさに十代が憧れる少女の夢を描いているようでした。力強かったりあくの強い曲を選ぶことがよくあるタラソワ氏にしては、途中か弱くすら感じられる編曲を施したり、少々一貫性のなさを感じもしましたが、好意的に解釈するならばそれこそが少女の不安定さであったり、揺れ動く思いを表現したかったのかなと推測しました。本来なら、ソトニコワ選手の個性ですとSPのボレロの方がどちらかというと似合うかと思うのですが、あえて彼女のカラーではない曲を持ってきたところにタラソワ氏の期待と課した試練を見た気がします。

対して浅田選手は、昨季からの持ち越しということもあり、初戦からかなりのクオリティを見せました。もともとこういう曲調は彼女の個性の中でもど真ん中、ストライクゾーンに入るかと思いますが、ジャンプが徐々に安定しつつあることもあり、またもともと良かったスケーティングに磨きがかかったことも相俟って、スケールの大きい表現になっていたように思います。言うなれば、昨季の愛の夢が「二十歳の恋」ならば、今季は「二十一歳の包み込むような愛」とサブタイトルをつけたい感じですね。リンクいっぱいを使い、6種のジャンプと曲との親和性が極めて高いステップを見せ付けるこのプログラムは、多少のミスがあってもジャッジに高得点を出さざるを得ない心境にさせるのではないかと感じました。

それぞれ異なった愛の夢は。15歳と21歳それぞれ今しか出来ない表現でありプログラムなのかもしれないと感じた次第です。出来れば二人とも、ノーミスでまたそれぞれの愛の夢を見せて欲しいと願っています。加えて浅田選手の場合は冒頭で3Aが入ったら言うことなしですね。ワールドかもし出るならば国別対抗あたりで全て揃った浅田流愛の夢を見せて欲しいと思います。もちろん無理にとは言いませんが。