着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

たかが伊達締めされど伊達締め

2019-07-08 16:29:02 | 着付け
透け感のある着物や帯、小物を身にまとう方々を見ると、見る側にとってはとても涼しげにうつります。しかし着ている本人にとっては夏着物だからと言って必ずしも涼しいと思っている訳ではありません(むしろ暑いです)。 少しでも着物を着て涼しく快適に過ごすためには、身につけるものを身体に近いところから素材選びにこだわったり、着る枚数を減らすこと、補整を少なめにすることなど、着方で工夫すると良いと言われます。

今回は、伊達締めについての工夫のお話しです。

伊達締めは着物や長襦袢の衿合わせを固定したり、おはしょりの分量を整えるために使う10cm程度の幅の帯状(並尺と言われる普段使いのものは全長約210㎝程度)のものです。
今まで私は、ポリエステル製のものを使っていました。

しかしながら前からインターネットなどで
「麻素材の伊達締めが熱がこもらず涼しくていい」
というご意見をいくつも見つけ、気になっていたので私も試してみることにしました。
ネット購入で「本麻伊達締め一本税込み 2,160 円」なり。

普通、伊達締めは長さの中心を体の正面に当てて後ろに回して交差させて前に持ってきて結んで固定するという使い方をします。
私が購入した麻の伊達締めもそのタイプです。つまり身体には2周巻かれていることになります。
そもそも熱がこもらないと言われる麻素材のものとはいえ、涼しく過ごすのが目的なので重なり部分がなくなる方がさらに良いと考え、伊達締めの長さ(幅じゃないですよ)を半分に切り、それぞれ両脇に木綿の綾テープ(100均で購入)を縫い付けてみました。
画像上は表側が見えるように、下は裏面が見えるように撮っています


 こうすることによって、購入した伊達締め1本分から2本分が出来上がり、しかも私がいつも使っている伊達締めの扱いと変わらずに使えるようになりました。早速試してみたところ、熱がふぅーっと抜けて身体にこもらず快適に過ごすことが出来ました。
使用したところ こんな感じです

たかが伊達締め、されど伊達締めですね。

麻素材でしかも楊柳加工の長襦袢や高島縮みの木綿の長襦袢(上記写真は高島縮みの長襦袢です)は既に愛用していますが、これらを使うとやはり快適で、もうポリエステル製のものには戻ることが出来ません。やはり天然素材は凄いと痛感します。自宅で洗えるメンテナンスの良さもお気に入りのポイントです。

これを機に帯枕や帯板もへちま素材のものに変えました(画像下⇓)こちらもなかなか良いですよ。
夏に涼しく快適に過ごすためにはこんなふうにお金も多少かかりますが、日本の美意識の詰まった民族衣装は見てくれがやっぱりちょっと良い感じですよね。
工夫してなるべく着ていこうと思います。

川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko

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