着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

今は無き便利グッズ

2020-05-27 16:34:33 | 着付け
先日、以前義母の断捨離で送られてきた着物や帯、小物たちの整理をしました。
大分年季の入ったそれらのものの中にはこれはどういう時に使うものなの?と迷うものが1つありました。今日はこちらの紹介をしたいと思います。

こちらです(写真上です)。

幅は3寸7分(約14㎝弱)、長さは2尺8寸8分(約109㎝)です。    

こんなのは初めて見ました。
一体何? どういう時に使うもの?
義母にも尋ねてみましたが、
「分からへん、使うたこともあらへん」
とのこと。義母の実家は京都の呉服屋だったので色々な着物関係のものを持っているのに、義母は普段にはあまり着物を着て来なかった人です。
歴史は浅いですが大きさがそっくりの「前結び用の前板(写真真ん中)」というものが市販されていますので、愛用されている方も多いですが、それとは素材感が全く違っています。
大きさ(幅)は違えど、素材感はマジックテープ付きの伊達締め(写真下)にそっくりです。

見れば見るほどこれ、一体何なんだろう…??
そしてハッと閃きました。
これ、昔からよくある博多帯の献上柄が一部分(1尺3寸ほど(約49㎝))についています。
普段着(家着)の着物(ウール、麻、木綿、紬など)で(どうせ家だし、他人に会わないし…)帯までは締めない状態で着ていた時に、ちょっと外出しようと思った場合には、これを前腹だけ柄が出るようにチャチャっととめて羽織でも着ると、あたかもきちんと半幅帯を締めているように見えます。

前から見た感じ↓

後ろから見た感じ↓


しかも羽織は室内で脱がなくても非礼にはならないので、実は非常に使い勝手の良いものなのでは?
そう考えたらこれ、めっちゃ便利!
きっとそういうものであったに違いない!

着物を普段に着る方が減って、冠婚葬祭やお洒落着としてしか着用しない方が増えた結果淘汰されてしまったのかもしれませんが、普段着物を着て過ごされる方にはアイデアグッズですよね、見直してみてはどうかと思いました。

川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko


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