着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

着物(晴れ着)着用時の補整について

2022-06-04 16:52:48 | 着付け
着物を着せてほしいと頼まれた時、着付け師はお客様に対して、どういう着物を着られるのか、それによって準備していただきたいものは何なのかをお客様に伝えるわけなのですが、その際、体型の補整としてタオルや晒し(もしくはガーゼ)をご用意いただきたいとお願いするケースが多いです。
洋服着用時にはほぼ使わないものですね。

着物は長方形の布からできていて殆どが直線縫いですが、体は曲線なので、くびれているウエスト周りなどにはタオルを巻いたり、鎖骨あたりの窪みに綿花を入れたり、お胸やお腹の大きい方には晒しやガーゼを巻いたりして体のラインを平らかに整えるなどの補整をすると次のようなメリットがあります。
1.着物が綺麗に着られる
2.お紐を締めた時、体への負担を軽減させることができる
3.汗を吸収することによりダイレクトに着物に汗がいかないようにする
4.着崩れを軽減させる

さてこの補整グッズですが、お客様サイドの判断で、
「私は太っているからタオルを巻く必要はない、補整は要らない」とか
「胸がないからガーゼは要らない」
などなどと、ご用意いただけないケースが少なからずあります。
着付け師が必要だと思うのに用意されていない場合、美容室やお客様のご自宅への出張の場合などでお借りできる場合は良いのですが、そうでない場合、全く使えないままでの着せつけを余儀なくされることがあります。
着付け師はどんな体型の方でも、綺麗に、崩れずに苦しくない着付けが出来ないかを目指しているものなのですが、その解決はいきつくところ、いかに綺麗に体型の補整が出来るのかというところにあると言っても過言ではありません。
太っていると仰る方でも多少のくびれはあるものですし、ウエストのくびれは無くとも反り腰で後ろの腰とお尻の段差がきつい方、お胸とお腹に段差がある方…とさまざまです。
そして、それらはほんのタオル1〜2枚で解決できるようなことばかりで、
「せめて一枚タオルがあったらもう少しきれいに着付け出来たのに…」
と思うようなことも多々あります。
着付けを頼まれる方々、どうかご自身の勝手な判断で、用意してほしいとされているものを用意しないということはなさらないでくださいませね。

川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko

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