3人の子供のサザエ、カツオ、ワカメは、波平が死亡した場合
共同相続人として平等に遺産を相続するするのが原則です。
ところが、例えば
波平が末娘のワカメばかりを可愛がっていたため
結婚持参金などの名目の高額な生前贈与や
遺言による遺贈などをまったく考慮しないとすると
実際の相続時の財産は減っているのですから
公平であるはずのサザエやカツオは不満を持つでしょう
そんな時、ワカメが生前にもらっていた財産を考慮して
各々の相続分を決めるのが「特別受益の持ち戻し」という制度です。
具体的には、まずワカメがもらった分を戻させたうえで相続分を計算して
そこからすでにもらっている分を差し引いた残りの財産を
ワカメに相続させることになります。
ただし、贈与、遺贈分がこの計算による相続分より多くても
返還する必要はありません。
【特別受益の範囲】
◎遺言による遺贈…すべて
◎生前贈与…生計の資本としての費用
例えば
・結婚の際の持参金、お道具類
・高額な結納、新婚旅行費用
(挙式費用は原則ダメ)
・独立開業にあたっての開業資金
・家の新築や住宅取得資金
・私大医学部など特別高額な入学金
・養子縁組のための費用 など
【計算方法】
現金ならば貨幣価値変動を考慮したうえで
相続開始時の価値にて計算
土地や株券で贈与後売却されていても
現物があるものとして
相続開始時の評価額、株価で計算します。