遺言書の有無の確認
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相続人の徹底調査を行い、全相続人を確定
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相続財産を確定・評価し財産目録を作成
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全相続人が合意するまで話し合う
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波平の死亡と同時に、その財産は相続人に自動的に相続され
遺産分割協議が終わるまでは相続人全員の共有になります。
“全員の共有”なのですから
全員の同意がない話し合いは無効になってしまいます。
このため、法律上の相続資格のある人をモレなく確定させ
かつ、その人の生存を確認したうえで遺産分け
つまり、遺産分割協議を行わなければならず
まずはとにかく、相続人調査をする必要があります
家族にとっては「今さら」と思っても、改めて調べてみたら
波平に再婚歴があって前妻との間に子供がいた、とか
サザエとカツオの中間に幼い時に養子に出した子供がいた、など
まったく想定外の相続人が発覚するケースも少なくなく
こんな場合は、せっかく時間をかけて遺産分割協議をしても
相続人全員の同意がありませんので無効とされてしまい
再度、やり直しということになります。
また、相続財産の名義変更をするときなど
法務局(ときには銀行も)は
相続人調査がされていないと受け付けてくれないと聞いています。
具体的な相続人調査は、波平については
生まれてから死ぬまでの全部の戸籍(この戸籍についてのお話は次回に)
相続人のフネ、サザエ、カツオ、ワカメに関しては
フネ、カツオ、ワカメは戸籍謄本と住民票
サザエはさらに除籍謄本が必要かと思いますが
実際に取って見ないと分かりません。
そしてその結果をまとめるため
相続リスト(*1)や相続人関係図(*2)を作成するとよい、と
専門家はアドバイスしています。
◎戸籍は「本籍地」でしか取得できませんが
一定の書類を添えて申請すると郵送での戸籍取得も可能です。
市町村ごとに必要書類が異なる場合がありますので
その都度、確認のうえで申請なさってください。
◎波平は54歳だからよいですが、例えば100歳で亡くなったのであれば
だいたい明治の終わり頃からの戸籍を集めなくてはならず
時代によって様式などが変更(改製)になっていますので
集めるべき戸籍も多種にわたることになったり
また、波平が若い頃は転勤族で、本籍をあちらこちらに移していた場合は
それぞれ移転先の役場に戸籍を請求しなければいけないこともあります。
取得する戸籍の数が多いほどかなり手間がかかり
(これらについても次回、改めてご説明します)
最初から専門家に依頼するのも一案です。
(*1)相続人リスト…相続人の氏名、続柄 (妻や長男など)
法定相続分、現住所を一覧表にします。
(*2)相続人関係図…被相続人(亡くなった人)との関係を視覚的に一目で把握できます。
(こちらにリストと同じ内容を書き込んでおくとより分かり易いです)