先祖代々の家系図や祭具(仏壇、仏像)やお墓などは
祭祀(さいし)財産と呼ばれますが、財産的な意味合いはないとされ
一般の相続財産には含まれませんので
相続の対象にはなりません
この祭祀財産を受け継ぐのは、祭祀主宰者と呼ばれる立場の人で
法的な決まりはなく、波平の生前の指定や遺言で指定されます。
(通常は祭祀主宰者=喪主)
それがない場合は、地域や先祖伝来の慣習
または、相続人間の話し合いで決定しますが
それすらない場合は家庭裁判所に調停
もしくは審判を申し立てて決めることになります。
祭祀主宰者には、甥のノリスケや孫のタラオなど
波平と深い関係のある立場でしたら相続人以外でもなることができますが
一般的には、配偶者のフネ、フネがいない場合は
長男のカツオ、次いで長女サザエの順になります。
(波平の遺体や遺骨もこの人に帰属します)
◎喪主…葬儀全般の主宰者であり、弔問をうける喪家の代表者であって
葬儀の宗教を決めたり、その後の供養、納骨、法要の責任者にもなります。
◎施主…葬儀の金銭的な負担や運営の責任者で
通常は喪主と施主は同じ人がなりますが
喪主が高齢者等の場合は、その子供が施主になることもあります。
仮に、相続人であるカツオが祭祀主宰者になったとして
前述の通り、祭祀財産を継承したからといって
財産を減らされることはありませんし
逆に、余分にもらうこともできませんが、一般的には
遺言により祭祀継承を含めて
他の相続人より多くの財産をもらうケースが多いようです。
ただし、指定されたとしても
法律的な義務を負うわけではありませんので
実際に祭祀を実施するかどうかはカツオの考え次第です