愛妻家のマスオが、横断歩道を歩行中に交通事故に遭い
それが原因で帰らぬ人になってしまいました。
こんな場合、マスオ(被害者)は損害賠償請求権を取得しますが
死亡した本人が権利を行使できないため
相続人のサザエとタラちゃんがこの権利を相続します。
損害賠償は“違法な行為”により損害を受けた者に対して
その原因を作った者が損害の埋め合わせを金銭ですることです。
適法な行為による損害の埋め合わせをする損失補てんとは区別されています。
損害賠償金には「逸失利益の補償金(*1)」や「慰謝料(*2)」などがありますが
相続税の対象ではなく、遺族の所得になり所得税の対象になります。
しかし、所得税法上、不測な損害の補てんである損害賠償金は非課税となり
所得税がかからないことになっていますので、要するに
相続税も所得税もかからないことになります。
なお、マスオがまだ生存中に、損害賠償金を受け取ることに決まっていたが
その損害賠償金を受け取らないうちに死亡してしまった場合は
その損害賠償金を受け取る権利は相続財産となり
相続税の対象となりますので注意が必要です
また、生命を侵害した死亡事故の場合には
相続による損害賠償請求権の他に
直接の被害者であるマスオとは別個(!)に
「父母・配偶者・子」であるマスオの父母、サザエ、タラちゃんは
遺族固有の慰謝料請求権も取得します。
(*1)逸失利益の補償金…交通事故にあったマスオが生きていれば
今後、得られたはずの所得に対する賠償としてのお金
(*2)慰謝料…マスオなどの精神的な苦痛に対して
その賠償として支払われるお金