行楽日よりの中、友人と行くという女房にくっ付いて
隣町小布施のお祭りを見に行きました。
名産の「栗」を中心とした町おこしのため、急速に観光地として
様々な取り組みがされているこの町を観光目的でゆっくり訪れたことがなく
以前から一度は、と思っていたのです。
祭りそのものは取り立てて特別なものでもないのですが
県外ナンバーのクルマでひどく渋滞しているのですから
観光シーズンと新栗の収穫シーズンに合わせたイベントとしては成功しているようです。
主な会場となる歩行者天国の1本の通りの両側には
食べ物、骨董品、古本のテントが数多く出店されていて御輿なども練り歩いていました。
その中の一つに発動機が数台、愛好家によって出品されているのを見つけ
わざわざ女房たちと離れて一人で見学に行ったのはもちろんです
私より一回りは年配と見受けられる年寄りがただ単に回しているだけなのですが
これら“戦前の遺物”を実動させるだけのことが
機械好きにとってはこの上なく楽しくてしょうがないことは想像に難くありません。
説明を求めても、言っていることが良く分からないので
たまたま隣に居合わせた福島県から訪れているという観光客に色々尋ねたところ
私より1歳若いのにやけに詳しく、30分近くに渡ってウンチクを聞く羽目になってしまいました。
曰く、「農村では昔、こうした発動機が脱穀などの農作業に大活躍だったので
自然に詳しくなってしまった」とか。
どうりで“お町育ち”の私には近くで見た記憶もなく知識もないわけです。
始動時はガソリン、その後の燃料は灯油ということも初めて知りましたし
緑のアメリカ製のモノなどは、フライホイールを兼ねたプーリーが5回転する間に
1回しか着火させず、かつ、負荷が掛かると毎回爆発させるのですから
現代のような電気的でなく、全て鉄の機構でこれをやらせる技術は
当時とするとすばらしいメカニズムだったのでしょう。
このたくましい“鉄の塊”が近代社会の発展に寄与した度合いは計り知れないはずなのに
脇を通りかかる女性や子供達が興味を示すことはなく、それどころか
心地よい単気筒の「ダン!ダン!」という排気を「ウルサイ!」の
果ては「臭い!」の「酔っちゃう!」のと言って避けて行く姿は
まさに、綺麗で静かな無臭・無菌の現代を象徴しているように思えるです