「オイ、あんたもリンゴ作らないか!」
「でも、年間でどれくらい儲かるんですか?」
「“金勘定”でなく好きでなければ農家はできないよ」
「・・・」(そうなんだ!?)
うちのすぐ南に隣接してリンゴ畑があるBさんとの2年前のやり取りです。
Bさんは私より2つ上、かつては県職員だったこともある理論派
先日、映画「奇跡のリンゴ」まで観に行って農法に触れていなかったと
嘆いていたのですから研究熱心でもあるのでしょうが
少なくても疑問に対する答えにはなっていません。
「好きでなければ」ってリンゴが好きってこと?それとも農業が好きってこと?
「金勘定でなく」からして商売として奨めているのではないことは確かですから
かなり少ない収入であることは予想できました。
以来、我家の周り中のリンゴ農家の収入に興味があったのですが
誰に訊いてもはっきりした数字を教えてくれません。
知っているのに答えないのか、実は本当に知らないのか…。
そんな折、たまたまこんなQ&Aを目にしました。
Q:りんご農家の人に質問です。
消毒やかかる手間を引いた手取りで
10a当たりいくら位の年収になりますか?
品種毎に答えてくれれば嬉しいです。
A:10a当たり3600kg収穫できて
フジ…所得 270,000円
ツガル…所得 280,000円
フジ(わい化)…・粗収入850,000円 所得 600,000円
10aと言えば1000㎡、いわゆる1反歩・300坪とほぼ同一とされています。
そこで先日、酒の席でフジを作っているBさんにこの数字の真偽を尋ねてみたところ
「それは良い数字でなかなかそこまで稼げないよ」
ちなみに、Bさんのリンゴ畑の広さは2反歩だそうですので
多分50万円くらいなのでしょうか?
(口ぶりからしてもしかしたらもっと少ないのかも)
単純にこの数字だけを見たら案の定というか、予想通りの少額です。
農業に携わったことのない私には普通の600坪と言えばかなり広い土地に思えます。
なのに、奥さんと二人、あれだけの手間と気を遣って育てても
1カ月ではなく1年で僅か50万円ほどの収入ですって…。
数字の出所がはっきりしないQ&Aの数字はともかく
畑にまつわる話をアレコレ“寄り道”しながら
Bさんの2反歩のリンゴ畑から上がる収入を私なりにさらに考察してみます。