私はまだ観ていないアニメ映画「風立ちぬ」に
数多く登場する喫煙シーンに対して禁煙学会が苦言を呈すると
今度はその苦言に対する批判が多く寄せられるなど
思わぬタバコシーンの賛否両論が巻き起こっているようです。
20代に2年間と50代に半年間の過去に2度、禁煙の経験があるものの
今ではまた1日1箱のタバコを楽しんでいる私には
この団体の“過去の悪しき歴史にはフタをして隠せ”的な苦言には
何もそんなところにまで口を挟む必要がないのでは、と思えてなりません。
30代の頃まで、会社の会議室などはタバコの白い煙がもくもくと立ちこめて
対面の人の顔が煙っていることは日常的な事実、つまりは
これも当時の社会風景の一片だったことは間違いがないのです。
あれから2、30年、こうした団体の“ご尽力”のおかげもあり
喫煙者はあらゆる場所の隅っこに設置された“隔離部屋”に閉じ込められ
文字通り、世間の片隅で肩寄せ合って煙を燻らせているわけで
公共の場が全面禁煙になったり、採用段階で禁煙の約束を取り付ける会社が増えるなど
近い将来、世の中から抹殺されてしまうことは、もはや誰の目にも明らかです。
民間を装ってはいても国が売っていることに代わりはなく
税負担率が6割を超える理不尽さに耐え、2兆円を超える国家財源を担っている
我々喫煙者に対する処遇としては大いに不満なのですが
これも健康を第一に考えるようになった時代の変化のためと諦めているのです。
せめて、実在した過去の風景としてアニメに描くことくらいはゴチャゴチャ言わず
「そんな時代もあったなぁ」とか「そんな時代もあったのか」と
笑って懐かしんで欲しいものです。