「Bさんのリンゴ畑は2反歩」など
農家の方と田畑、つまり耕地の“広さ”の話をする場合
街なかの家屋、敷地に通常使われている坪という単位は使われず
反(たん)や町(ちょう)が登場し戸惑ってしまいます。
もちろん、a (アール)やha(ヘクタール)など
1度も聞いたことがありません。
大工さんが未だに寸や尺を使っていたり
不動産屋さんがほとんど坪で話したりするのと同じく
日本固有の“尺貫法”が実社会で脈々と生き続けていることの表れです。
㎡にしたところで、具体的な広さが掴み辛いからでしょう
「東京ドームの〇倍の広さ」など補助的な説明がくっ付くことが多々あります。
反・町は“面積”の単位ですが“長さ(距離)”にも使われたり
反は“布の大きさ”を表す際にも使われますので
それらと区別するため、面積の時は反歩(たんぶ)・町歩(ちょうぶ)と呼ぶこともあり
尺貫法が廃止されてから育ち、かつ職業的にも
使い慣れない環境だった私などにはかなり厄介です。
田畑の広さ(面積)の話をする時には
≒(約)は便宜的に=(イコール)としても何の問題もないはずで
そう置き換えてこれらの関係を見てみます。
1坪=畳2畳の正方形の広さ
1反=300坪=10a
1町(歩)=10反(歩)=3000坪=100a=1ha
1a=10m×10m=100㎡=30坪
この程度を押さえておけば大体の話は通じると思います。
ところでこの反は
元は「米1石の収穫が上げられる田の面積」として定義されたものでした。
加賀百万石など、実は知っているようで知らない“石(こく)”についての話は次回に。