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ぬりえが大好きで
ぬりえを買ってもらって大喜びで帰ってきて
一心不乱に塗って
すぐに一冊塗り終えてしまって
次の週にまた同じぬりえを買ってもらって
繰り返しなのに、ていねいにていねいに塗って
お父さんやお母さんと一緒に塗ると楽しくって
大人のきれいな塗りかたがうらやましくて
真似をしていろんな色で虹のようにぬって
すごいね、はみ出さないで塗れるようになったね、とか
思いもよらない色づかいだね、とか
ほめてもらえるのがとてもうれしかった
ぬりえがこんなに楽しかったという記憶が
私にはあっただろうか
ぬりえにこんなに没頭していた記憶は
30年後この子の中に残っているだろうか
自分の子どもを見ていると
この時が永遠に止まってしまえばいいとか
子どもの頃の気持ちをずっと忘れないでいてほしいとか
勝手なことを考えてしまうけど
時間が止まったり精神年齢が停滞することはむしろ悪いことで
子どもはどんどん成長してしまうから
せめてそれを見守る自分がしっかり覚えていよう
と思うんだけど
たった5年前の感動だって私は簡単に忘れてしまっている
そんなことを考えていたら
たまらなく切なくなってしまった