12月も半に近付いている。
ホントにアッと言う間に、1年が終わってしまう。
これと言った、充足感も無いまま。
ただ、家の中で無為な1年が終わってしまうのだと思うと、
むなしい。
そして今晩、もっと虚しくなることが勃発。
もう午前00時にならんとする時、電話が鳴った。
母からの電話なので急いで下に降りて行く。
廊下に水滴が幾つか落ちていて、トイレのドアは開けっ放しで電気もついている
母の部屋に入ると、べッドに裸で母が横たわっていた。
何か具合いが悪くなって吐いたかして、パジャマを脱いで、新しいパジャマを出して欲しくて呼んだのだろうと思った。
けれど、一応何があったのか聞く必要があった。
それで「どうしたの?」と聞いてみた。
すると、私がお風呂に入れてくれなかったので、自分で入ったのだと言う。
何を言ってるんだ
夕方、いつもの様に5時にお風呂に入ったじゃないか
頭にきた
お風呂場に脱ぎ捨ててあるパジャマを持って来て着せながら、キンキン怒った。
「一人でお風呂に入るのはやめなよ
溺れ死んだらどうするの
」
ったく
人騒がせなんだから。
自分で脱いだ服も着れない、時間の感覚もない。
人に迷惑をかけても、自覚もない。
いつだったかは、夕飯を食べていないと真夜中に訴えた。
今まで、母に呆けは余りなく、それだけは救われていた。
けれど、これからは、それも覚悟しなければならないかと、
暗澹たる気持に襲われて床に着いた。