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好奇心旺盛な長年の体験で、行って、見て、食べて、泊まった素敵な世界を、皆んなにちょっぴりお裾分け...

ブルターニュ紀行 66 < ブルターニュ防衛線『マルシュ・ド・ブルターニュ』 3 ラ・ゲルシュ と ヴィットレ >

2021-07-05 00:00:50 | 素晴らしき世界/パリ/美術
巻頭写真 : 「ヴィトレ」の城のある風景

海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を巡ろう
66



前回ご紹介した「シャトーブリアン」から北へ30km
絵図の⑩番『La Guerche-de-Bretagne ラ・ゲルシュ・ド・ブルターニュ』に至る


結論から言うと
この町「ラ・ゲルシュ」には城は残っていない
ほぼ跡形もなく

『Place Charles-De-Gaulle シャルル・ド・ゴール広場』

木の柱と梁の家々の残る旧市街の角の三角形の広い空間
「シャルル・ド・ゴール広場」を中心に
その辺り一帯で
毎週火曜日朝8時から12時まで市場が経つ



ここの位置は
実に1121年以来900年間にわたって連綿と続けられてきた
現在では
季節によって毎回100から150件の出店者が店を出している

『ラ・ゲルシュ市場900年祭の記念写真』

この市は
「ヴァンヌ」の空堀大通りの市に次いで
歴史的意義でブルターニュで二番目に位置付けられている








この「ラ・ゲルシュ・ド・ブルターニュ」の真西に15kmで
先日ご紹介した『la Roche aux Fées 妖精の岩』があります


※  ※

その「ラ・ゲルシュ」から北に20km強
「レンヌ」からは東へ25kmの位置で
⑪番の『ヴィットレ』に至る

『Château de Vitré ヴィットレ城』

ここ「ヴィットレ」の」城は雄大


創建は11世紀後半
13世紀前半に三角形の平面プランで拡充されて以来変わっていない
高い城壁で囲み
要所要所に塔を配し角々に頑丈な丸い塔を加えて防御している






さらに15世紀初頭に城門を形成するシャトレを増強


『Chatelet 大手門出丸』

左側面から見たシャトレ
跳ね橋を吊るす腕木が確認出来る


⑤が「シャトレ」で城門
⑧は天守に相当する最も大規模で強固な塔「サン・ローランの塔」

右が「シャトレ」 左が「サンローランの塔」


右から「サン・ローランの塔」
その左二つ目の丸い塔が⑨番「アルジャントリーの塔」
さらに左の飛び出した屋根付きの四角い塔は⑩「祈祷室の塔」
それに接する一番左隅が①「モンフィランの塔」

城内から見てみよう

左が天守「聖ローランの塔」 右端が「アルジャントリーの塔」




手前は井戸

『礼拝室の塔』
出窓の様な張り出しの部分が祭壇


中で見てみると



聖母子像が飾られてある


「礼拝室の塔」の先で直角に伸びるアーケードを持つ建物は
「ヴィトレ市」の市役所が使っている



その右側にかつては居館があった


その角の塔の屋根の部分や居館の一部が
近年復元された


市役所の建物の入り口は独特の階段付きポルシュ






この市役所が使っている部分を場外から見ると



こう見える

そして「シャトレ(大手門出丸)」の城内側は「Logis(居館)」になっている

『Logis du Châtelet』

ちなみに外側はこう


城門出丸(シャトレ)に向かって右側に城主たちの居館があった


居館があったのは右の窓のある城壁の向こう側
当然城壁の前には空堀がある


シャトレの大手門に入る橋(現在はリン位に赤く塗られている)が
確認できる
そのままこの方向のずっと先が「サン・ローランの塔(天守)」

『Tour Saint-Laurant』

ちなみに
手前の白い彫像は「戦没者記念碑」の兵士像
フランスはどんな小さな自治体でも
その町や村から出征して帰らかった兵士の名前を刻んだ「戦没者記念碑」が
必ず有るのです

その天守と
その他の主だった塔の中は博物館


塔の分厚い壁の中をくり抜いて造った通路と階段


城外の町屋敷から移設された16世紀(1583年)の暖炉


歴代「ヴィトレ家」が集めた中世からルネッサンス区の彫刻群


















1780年革命直前の時代の「ポーランド式ベッド」

「ヴィトレ」の町は
城から始まってぐるりと城に戻る城壁で囲まれて守られていた

Schema by ⒸPascal PIROTAIS

左端の中が白い三角形の部分が城
Shateauの末尾に繋がる部分が「シャトレ」
左上の黒い長方形が「市役所」が使っている部分
町を囲む城壁のうちこの図で赤い部分は存在しない

この図面の15番「Porte d'En Bas 下の門」という
町に入る門の部分から
町の城壁の残った塔と城を見る角度はよくガイドブックや絵葉書に登場する

『Porte d'En Bas』


やや下り坂で城壁内から出てきたところに4軒並ぶカラフルな民家の
それぞれの屋根の縁の反り返った具合に注目されたい



『Porte Saint-Pierre サン・ピエール(聖ペテロ)の門』 絵図面②

これを入ると



こうなっている

『Tour aux Chèvres ヤギの塔』 絵図面③
城の北面は下が谷になっていて高度がある

『Tour de la Fresnaye フレネの塔』 絵図面④

『Tour de la géometre 測量技師の塔』 絵図面⑤

『Tour de Bridole ブリドールの塔』 絵図面⑨

その他








また
旧市街の民家の家並みにも美しいものが数多い


ここは
先ほどの「下の門」に向かってゆく通り





では次回をお楽しみに



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