巻頭写真 : 「ヴナコ」周辺の山里から「コルテ」に向かって標高が下がって行く点描
山賊と海賊とが跋扈した
地中海に切り立つ高山コルシカ島は
野生のハーブと果樹の森に覆われた『美しい島』と呼ばれる
地中海に切り立つ高山コルシカ島は
野生のハーブと果樹の森に覆われた『美しい島』と呼ばれる
コルシカ島全体の主邑「アジャクシゥ」から島の中央部を目指し
「県境」を越えて「上コルシカ県」に入って二回目の今回
歴史上初めて島の独立を宣言した「自由コルシカ共和国」の首都であった
「コルテ」を目指すことになります
前回の「ヴィヴァーリゥ」から10kmで『ヴナコ』に至る
「モンテ・ロトンド山塊」で4番目の高山『モンテ・カルド 2453m』
の前座の懐に抱かれた「ヴナコ村」
『Ghjesgia San Mihele di Vonaco』
村の中心の教会は『聖ミカエル教会』
村の中はいたって素朴で且つ自然の厳しさとそこで生きてきた頑固さを感じる
そんな山国コルシカの小さな山村の典型
今村にも電車が止まる
手前の緩やかな曲線が線路で石造りの陸橋の向こうはトンネル
まさにそのトンネルを出てきて陸橋を渡るっている電車
村の佇まいは半世紀全く変わっていなくて
電車だけ最近の新型になっている対比がとてもミスマッチに思えて仕方がない
※
その他にも『聖ペテロ教会』が「サン・ペトリュ・ディ・ヴナコ地区(村)」にある
『Ghjesgia San Petru』Photo by ⒸCorcica-tourisme
教会前の広場の片隅に「フォンテーヌ(水場)」が残る
この「聖ペテロ教会」のある地区を「サン・ペトリュ・ディ・ヴナコ村(地区)」と言い
「ヴナコ村」を構成する下位の自治体の一つで
そこの古い時代の「共同洗濯場」を保存してある
『Lavoire San Petru』
『Misognu』
山から流れてくる数ある清流の一つ『ミゾーニュ川』は
この村で「ヴェッキオ川に合流する」
「サン・ペトリュ・ディ・ヴォナコ地区」には他にも
『Saint-Sebastien de San Petru di Vonaco』
『聖セバスティアヌス教会』
さらに「カンプゥ・ヴェッキゥ地区」には
苔むすような古そうで小さな礼拝堂『サン・ロッカ礼拝堂』もある
『Chapelle San Rocca』
そしてさらに背後の高峰「モンテ・カルド」の山肌に
『Chapelle San Eliseu』
『聖エリゼ礼拝堂』
この「ヴナコ村」の域内には上にあげた「サン・ペトリュ・ディ・ヴナコ」以外にも
サブ自治体として魅力的な集落が幾つもある
※
『ポッジオ・ディ・ヴナコ村』
『Poggio di Venaco』
一番高い位置にお約束通りに教会が建っている
『サン・キリクゥ教会』
(標準フランス語では「サン・シール教会」という)
『Ghjesgia San Quillicu / Eglise Saint-Cyr』
中心の通りに教会がもう一つ
『Ghjesgia San Roccu / Eglise Saint-Roc』
「聖ロック教会」
かつてはコルシカ鉄道がこの村にも止まっていたが今はもう止まらない
廃駅が山岳事故などの際の救護施設として使われる
※
『カサノヴァ村』
この村名は元々「Casa Nova 新しい家」と呼ばれていて
その後「Casanova」と繋がって名前になった
『Casanova』
山間の窪地に村があるように見えるが
一方が棚場になっているのでしたから遠望すると
山の頂にある村のようにも見える
『Ghjegia de Sante Maria』
この村の唯一の見どころは
この「鐘楼」を肩に担いだような形の教会「聖マリア教会」
『Fontaine』
文化財指定の古い水場も健在
※
『ムラシオール村』
『Muracciole』
この村の売り物は二つ
左端に見える教会と奥にある城
『Ghjesgia Assunta』
「被昇天教会」
上の写真は後ろ姿
こちらが正面
お城は『シャトー・ルネッサンス』
『Château Renaissance ( de Muracciole )』
一見して奇妙な雰囲気だ
元来なら「シャトー・ド・ムラシオール」と言うような名称のはずだが
無造作に「ルネッサンス城」と呼ばれてきた
コルシカには所謂ルネッサンスの建造部物ほとんど無い
16世紀はジェノヴァの支配下にあり
手のかかる建造物など建てられることはなかったのだろう
教会などが一斉に建て直され始めるのは17世紀になってからのことだった
前の写真とは反対側の眺めの方がルネッサンスらしいと言えるだろう
城の門は閉ざされていて
左に開いているように見える部分は門ではなく道路
そfれを行くとすぐ左曲がりに上り坂になり
裏側へと抜けてくる
一般見学には解放していないが情報によると外観も内部も完璧に保たれているそうだ
※
『リヴェントーザ村』
『Riventosa』
この村も起伏した地形の頂にある
一番大切な建物はやはり教会
ただし一番高い場所に建てられているわけではない
中央やや左に教会の尖塔がお分かりになるだろうか
村の雰囲気はとても良い
丘の斜面にある村の通例で建物の一部をくぐり抜ける路地があり反対側は高低差がある
本土「プロヴァンス地方」に多い構造がこの村にも見られる
保存と管理が行き届いて美しい石の家も良いが
生活の年輪でススている建物もコルシカらしくてとても良い
では
コルシカ島が初めて独立を宣言した『自由コルシカ共和国』の首都であった
『コルテ』までもうあと7〜8km
次回から「コルテ」をたっぷりとご案内しましょう
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