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地中海の『美の島』 コルシカ島 11 < ポルト・ヴェッキオ から 最南端の ボニファチゥ に向かう >

2021-09-01 00:41:32 | 素晴らしき世界/コルシカ島
巻頭写真 : 「ボニファチゥ」 旧市街


海から突き出た高山と言われるコルシカは
大陸形成時代からの野生の姿が残るが故に『Ile de la Beauté 美の島』
と呼ばれてきた



「ポルト・ヴェッキオ」を出てすぐ北西に5〜6km『Araggio アラッジオ村』
の背後に迫る山を登ること30分
標高245mの山頂に「ポルト・ヴェッキオ湾」を一望にできる古代遺跡がある
『カステッドゥ・ダラッギゥ』


『Casteddu d'Araghju アラギュウ城塞』

紀元前4000年以前の青銅器時代に
コルシカ島南部に独自の巨石文明を築いた『Torreans トーレ人』が
ここに城塞型集合住居「カステッドゥ」を造った


入り口


大雑把に楕円形の頑丈な城壁のような形状で
その城壁の要所要所に小部屋があり
大きめの部屋を城壁でつないだような部分と
城壁の厚みを利用してその中に小部屋を作った部分とがあり
家族単位の住居だったりサイロ(穀物蔵)だったりしたらしい

案内板

入り口のすぐ近くに案内板があり構造がわかるようになっている

入り口を入って振り返った内側からの眺め


以前のシリーズ「プロヴァンス」の際に
「ボリー」という石造りの小屋でご紹介した「乾積み」構造で作られている
つまり漆喰や粘土やセメントなどの接着剤を用いない
石片を積み上げてゆくだけで作り上げる建造物












ここは結構長い廊下のような通路のような部分の奥に
右に曲がり混んで他より広い「部屋」がある



この「部屋」には窓もある
数家族の共同住宅だったであろうこのような「カステッドゥ」は
殺しかの南部には他にも残っている






遺跡から下る途中の山腹から「ポルト・ヴェッキオ湾」を望むことができる

では
長く滞在した「ポルト・ヴェッキオ湾」を発って
島の最南端の町『ボニファッチュゥ』に向かうことにしよう


Map by ⒸGoogle Map

ポルト・ヴェッキオから南下すること30分
「Bonifacio」と綴って
コルシカ語で「ボニファッチュゥ」 フランス語で「ボニファシオ」に着く


Map by ⒸGoogle Map

以前シリーズで訪れた「プロヴァンス」でご紹介した狭く
両岸が切り立った地中海特有の「かランク」の奥まったところの港と町がある

Map by ⒸGoogle Map

カランクの一番奥の港のところは低地で
白く太めで表示した道路が囲む内側のベージュの部分にレストランやお土産屋などが並ぶ
その道路から左側の横に伸びる全体が小高く切り立った高地
その中のベージュに表されている部分が旧市街になる

 上の地図の右上の道から下りてきて港に到着する


『Marina de Bonifacio ボニファチゥの港』

港の奥の突き当たりの左側から到着して最初に見える光景が


これ
この町の小さな港には大西洋を楽々横断できる大型クルーザーが
常に何隻も係留されている
その向こうに
高台の上にあるジェノヴァ時代の要塞が見える

Photo by ⒸOffice de l'Environnement de la Corse

この写真の手前の左隅に白い船が10隻ほどいるあたりから
周辺をめぐる観光船が出ているので
この町を最も美しく見ることができる絶景ポイントに行ってみよう


城塞の真下までがプレジャーボートの港
その先に
この写真ではたまたまいないがサルデーニャ島へのフェリーの発着埠頭がある




岬の先端は居住区はなく
墓地と「外人部隊駐屯地後」と第二次大戦中のトーチカなど
先端を左に回り込んで行く
この写真の岬の右下先端が『コルシカの舵』と呼ばれる


まるで「舵」そのものでしょう
この岩の中には第二次大戦時のトーチカがあるがもう少し後にとっておきます

「ボニファチゥ」一番の絶景が





1時間半ほどの船の絶景巡りも後にとっておいて
まず町を見てみよう


城塞に向かって港の左側の岸壁にレストランやお土産屋が軒を連ね
お店のすぐ前の岸壁には夏の間レストランのテラス席が並ぶ
上の写真の等幅の白い屋根がそれ


レストランの並ぶ通りを城塞を背に見る
左が右のレストランのテラス席


同じ道を波止場側から見る


逆に城塞の方向に向いて



同じ波止場を上から見た夜景




ここのテラスで港側の席食事をすると水面かクルーザーまで目と鼻の先


ここまで波止場の道を進んで左に入った小さな広場から



突き当たりから右に
波止場の建物の並ぶの背後の高台に登るスロープがある

『Monte Rastello ラステロ坂』途中から上を見る

上と同じ位置から下を見る

格好長い石畳の坂道の下半分にも左右にレストランや
気の利いたブティックがあったりする



これを登りきると


ヘアピンカーブの車道の折れ曲がるところに出る(少し石段が見える)
車道を横断して右斜めに斜面を登る


ジェノヴァの城塞の城門に向かって折れ曲がってぼってゆく


これを登りつめて左に曲がり



さらに登りつめて城門に向き合う




これを入ると「ボニファチゥ」の旧市街だ


上の城門を入って振り返る
跳ね橋をスムーズに開け閉めするための滑車のような仕掛けが左右に見える
この城門を入ってすぐ突き当る



そこでさらに右に直角に曲がると


もう一つの城門
同じような滑車のシステムがある
これで旧市街だ

中に入るとすぐ狭いエキゾチックな通りがあるが
ひとまず左に曲がって
海を見下ろせる角に行ってみよう

写真中央あたり
丸い塔のすぐ左に石で組んだテラスの壁が見える
それより左にある建物は崖の縁にそのまま立っているので通れる通路などはない




ちなみに右端のロッジア(吹き抜けのテラス)のある建物は
六十年代まで活躍した往年の大女優の引退後の家だったそう

そこから見ると


港の側と外海と
ボニファチゥの岬の両側の海を一度に見ることができる
ちなみに一つ前の写真は正面の高台から撮ったもの

右前方に見える丸い岩は


何千年前か何万年前かに上から海中に崩落した岩の名残で
『コルシカの砂つぶ』と命名されている

『Grain de Sable de la Corse』
砂の一粒...
すぐ左の岩は斜めに落下したことが風化して現れている堆積の線でわかる

海は青く断崖は白い
実はコルシカ島はほとんど99,99%が花崗岩の塊で
南端の「ビニファチゥ」のところだけが石灰岩なのです


海は葵というものの
海底が白い岩なので岸に近い浅瀬は緑に見える
人家が連なるこの断崖絶壁には一部陥没したところがある


これが崩落したのは一体いつ頃の時代のことだろうと考えると恐ろしい


よくこんな岩があるが
そんな心配を起こさせる光景だ


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