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プロヴァンスを巡ろう 18 途中でちょっと気分転換 <水のプロヴァンス フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ と イル・シュー・ラ・ソルグ>

2020-11-27 00:26:19 | 素晴らしき世界/フランス/プロヴァンス
ルネッサンス期の知の源泉『フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ』



今回は不思議な水源地をご紹介しようと思います
その名は「ヴォークリューズの泉」『フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ』

アヴィニヨンの北から北東に伸びる
『ヴァントウー山塊』の中
山だらけの土地に巨大な湧き水の洞窟がある

この場合の「泉」は
『水源地』
という意味です

冬場の最大水位

夏場は
源泉の水位が下がりほとんど溢れださなくなる

最低水位


途中から染み出す経路が他にいくつもあるので下流の流れは途切れない

ほんの少し水面が現れ始めた頃



そろそろ
洞窟から外に溢れ始める

最高水位になると
上の写真の右端の木が半分以上水没する


中規模水位


ほぼ最大水位

それが冬場になると
20m以上も水位が上がり
激しく溢れ出て様相が一変するのです

ここの水深は
数百メートルあると言われるが
正確には計測されていない

潜水夫が潜って事故が起こったこともあるそう


 水源地から流れ出した清水は
ソルグ川と呼ばれる

源泉以外の出水口の一つ




背後の岩山の上に城がある
アヴィニヨンの大司教(教皇ではない)の城



このような風光明媚な場所に
大詩人『ペトラルカ』が別宅を構えた


政変で故郷フレンツェで財産を失った
当時ペトラルコという名の公証人が
詩才を発揮して全欧に認められ

ローマ教皇ボニファティウス8世の特使
プロヴァンス伯でありナポリ王ロベール1世の寵を受け
ミラノ大公ヴィスコンティの特使
などの要職を歴任したのち

ローマ教皇がアヴィニヨンに法王庁を移すと
彼もアヴィニヨンに挙措定めた

最高権威者「ローマ教皇」の宮廷である法王庁には
全欧から
富と権力と文化が集中したのです

ただ
法王庁とヨーロッパ各国権力者とのは間で疲れ切り
ここ
ヴォークリューズに瀟洒な屋敷を購入し
従僕2名馬1頭
集めた膨大な書物
だけを持って引きこもる

その間に
架空の貴婦人『ラウラ』への全身全霊の愛を捧げる詩文を書き
友人『ダンテ・アリギエーリ』や
『ボッカチオ』が
訪れては
友好を深めた

ダンテは
この源泉池の水の噴き出す幻想的な光景に触発されて
『神曲』
を書いた


このような清流が
林の中を2キロほど流れると
地形が開けて村になる

途中に水車を使った製紙アトリエもあり
未だに観光用に稼働していたりする







水車の回転軸が


カムを通して槌を上下させる


その大小の槌が
古紙や布切れを水に浸した原料を砕き
何段階かの
同じ操作を経てドロドロにする


それで紙を漉く


その際に
南仏の花々の「花びら」を混ぜ込んだりもする

漉き終わって乾燥中

花びらを漉きこんだ
カラフルな手漉きの紙が出来上がる

村までくると



両岸にレストランが立ち並び



夏場は観光客があふれて


一躍
観光地の風情を高める



さらにその先に
何かの工場があり


あとは
林を抜け畑を横切り
鉄道も横切り




いくつかの村々を通り過ぎて
7〜8kmで
『イル・シュー・ラ・ソルグ』
という町に至る

※  ※  ※

『L'Isle-sur-la-Sorgue リル・シュー・ラ・ソルグ』
直訳して「ソルグ川の島」

その名の通り
川が二股に分かれて大きな中洲を挟んで流れる土地


町全体が『ソルグ川』で成り立っている
かのような町



かつては
製糸業や製粉業で成り立っていた


今は
骨董の専門業者が集まる町
として名高い


『Village des Antiquaires de la Gare  駅骨董店村』
とい一角には
『Quai de la gare  駅ホーム』
という名の40店舗ほどの塊りを始め
多くの骨董・古物商が集まっている




日曜日ごとに「骨董市」が
周辺の人々を呼び集める





さらに
毎年8月に60年の歴史を誇る
『リル・シュー・ラ・ソルグ国際蚤の市』
が催され
 町中が
世界中からのお客で溢れかえる

世界三大骨董市の一つと言われている







さらに
8月の第一日曜日は『舟市』
近隣の農家の作物である「野菜・果物」と
特に「花」
を売る船が河岸を賑わせる
これも60年の歴史がある












こうなると
もはや収拾がつかない大騒ぎ


そして
なんと川の中に


こんな
ユーモラスな飾りまでありました

普段は


こうなんですけどね


島の中に
狭い水路が通っていたりもします


水車も
一つや二つではございません







では
普段の静かな『リル・シュー・ラ・ソルグ』
に戻って






今回はおしまいにしましょう

プロヴァンスを巡るのは
まだまだ続きます
= = = = = = = = = = = = = = = = = =
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