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ブルターニュ紀行 43 < リュイス半島 1 ル・エゾー 及び サン・タルメル と ペンヴァンス から サン・ジルダス・ド・リュイス まで > モルビアン湾に沿って 7 

2021-05-12 00:27:20 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ
巻頭写真 : サン・タルメル村の海岸の目と鼻の先にある『キステュニック島』

海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れる
43



「セネ」から南に下って
「モリビアン湾」の南側を塞ぐ東側から西側へ伸びる腕のような
『Prèsqu' île de Rhuys リュイス半島』
を東から入って西の先端の方を目指そう



「セネ」の南に
「Le Hézo ル・エゾー」
「Saint-Armel サン・タルメル」
「Saint-Colombier  サン・コロンビエ」(地図には書いてない)
と小さな海浜の村が続く

「ル・エゾー」で一つだけ興味深いものは
「潮力水車」


ブルターニュで一番有名な潮力水車小屋は
「ネーヴェ」の回の『エナン』でご紹介したが
ブルターニュのような潮位の差の激しいところでは
いくつも残っている



※  ※

『Saint-Armel サン・タルメル』

ここは塩田。
集落の周り中が沼沢地のような場所で




あとは塩田しかない




村の教会は
村名となった聖人「聖アルメル」に献堂されている

『Eglise Saint-Armel 聖アルメル教会』

正面に鐘楼が立ち
その塔は3方向にアーケードがあって
教会に入らなくても前を潜って通り過ぎることができる
この形は地方の小さな村の教会には時々見られる形

その「サンタルメル」から真南に降ると
『Penvins ペンヴァン』という町があり


その先端に
ミニチュアみたいな岬がぶら下がっている


そのくびれた細いところ(教会マークがある)に
可愛らしい礼拝堂がぽつんと立っている

『Chapelle Notre-Dame de la Côte 海岸の聖母礼拝堂』

これは岬の先端の方角から陸の方に向いて見た角度
全景はまるで東方教会の礼拝堂のような佇まい


十字架形の交差部の屋根が三角ではなくて丸く膨らんでいれば
ギリシアや旧東欧の礼拝堂みたいだが
硬い花崗岩を隅石に
全体を真っ白に漆喰で固めた形は南ブルターニュの建築物そのもの
もちろん
季節や角度によって見え方は様々




南ブルターニュは北側ほど激しい荒海はないが
それでも時には波に洗われることもある




内部は実になんとも言いようがなく


壁はまるでプロヴァンスの「ボリー」のように割り石積みみたいな素朴さで
祭壇の上と中央の天井は真っ白
ステンド・グラスは現代のもの
ちなみに建立は19世紀前半

 ※  ※

上の「ペンヴァン」から西へ数 Km 
『Kerguet ケルゲ村』のすぐ近くに城がある



『Château de Suscinio シュッスィニオ城』


13世紀の「戦国時代」の戦いの城塞


城壁や塔の上部は「石落とし(水平狭間)」を備えた巡警路が巡っている
実際13世紀後半ブルターニュ公国の大公「ジャン2世」も
領主だったこともあった


そして15世紀に内装など手直しして居住性を高めて城館の性格も併せ持った


この橋は入り口では無い






大手門に入るため堀を渡る石橋の最後の部分は「跳ね橋」になっている







祈祷室


ドンジョン(天守)内部
一番頑丈な塔を「Donjon ドンジョン(英語ではダンジョン)」といい
防御の最終拠点なので一応「天守」というが
すでに各フロアーの床は無くなってしまっている
写真の左に上の階の暖炉があるのがわかる
四方に空いている窓を見ると壁の厚みが理解できる

床のタイル

トイレの跡
塔の壁の厚みを利用してトイレも備わっていた



場内に城の模型の展示があるので全体の構造が分かる










Photo by ⓒchateaudesuscinio

Photo by ⓒchateaudesuscinio

Photo by ⓒchateaudesuscinio

Photo by ⓒchateaudesuscinio






※  ※

この「シュッスィニオ城」から北西に数 km で
『Saint-Gildas-de-Rhuys サン・ジルダス・ド・リュイス』という村があり
そこは同名の修道院で成り立っている


『Abbatiale Saint-Gildas 聖ジルダス大修道院聖堂』後陣

ここで出てくる「聖ジルダス」は前にもどこかで話題にしましたが
ブルターニュの重要なローカル聖人なのです

修道院聖堂の正面

もともとケルト人たちの土俗信仰の司祭たちの修行の場で
ローマ人が軍事駐屯地を作った跡地
つまり空堀や土塁で防御を図った土地に僧院があり
現在の修道院は11世紀
ブルターニュでは珍しい「ロマネスク様式」で建立された

ベネディクト会の修道院だが現実には聖堂しか残っていない
回廊部は巡礼者たちの宿泊と研修会用に使われている

回廊


北側側面

身廊から内陣を望む



12世紀の内陣






南翼廊の礼拝堂
下段の柱の柱頭はドーリア式上段はイオニア式という立て方は
来るべき17世紀バロックの予見をなしている

聖ジルダスの石棺と立像



聖グスタンの石棺と立像


「聖リオック」 と 「リュイスの聖フェリックス」 二聖人の墓碑を収めた壁龕














この村には「Fontaine de St-Gildas 聖ジルダスの泉」が
60もあるそうな

聖ジルダスの泉 1

聖ジルダスの泉 兼 洗濯場 2

聖ジルダスの泉 兼 洗濯場 3

そして泉ではないが極めつけが
6世紀前半に「聖ジルダス」が上陸した海岸の崖に


シケの時は荒波が打ちつける斜面に
聖人の像が建てられている



この項続く
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