2017年8月30日水曜日 晴れ。
今夏の職場はいろいろあって、連休どころか所定の休日数を消化できない状態だった。
だったが、月末になって急に休めとのことで突然の三連休が舞い込んできた。
それも29日の午後になって決まったので、なんの準備もしていなかった。
帰宅して晩酌しながら、滅多にないチャンスを無駄にしたくないが、準備してないしなぁと妻に愚痴りながらそのまま寝てしまい目覚めたのは午前6時である。
目覚めると気分はもうツーリングモードで、先日エアフィルター交換し組上げてから一度も試運転していない車両に荷物を括りつけ走り出したのは午前8時過ぎである。
現況の下調べもしていないのにとりあえず剣山スーパー林道を走ってやろうという気持ちに駆られてしまったのは何故だか分からない。
何故だか分からないが、折角の連休を無駄にしたくない一心から、ここのどこかにあった日本一長いダートを誇る剣山スーパー林道へ向わせたのかも知れない。
さて、目的地さえ決まれば、とにかく一目散にそこを目指して走ることになる。
スマホやナビを持たない私には、手元にある2004年度版の中国・四国ツーリングマップルを頼りにするしかないが何とかなるだろう。
できる限り下道で短いルートを漠然と考えながら走るが、とりあえず四国に渡るには橋か船しかないので迷わず大分県佐賀関と愛媛県三崎を結ぶ国道九四フェリーを選択。
◆12時過ぎに国道九四フェリー佐賀関港へ到着。
◆受付はこちら。片道二輪車750cc未満と大人1名で3,000円也。
◆愛媛県側からのフェリーが接岸します。ワクワク。
午後1時出航で、三崎港に到着予定が午後2時10分過ぎ。
八幡浜まで出るのに早くても午後3時過ぎか、結構時間的に厳しいなぁ。
八幡浜からのルートは幾つか考えられるけど、船内でゆっくりマップルでも見て考えようと思っていたら
タンクバックに入れたままで持って船室へ上がるのを忘れた。
しかし、久し振りにカップヌードル自動販売機を船内で見つける。
◆堪らずカレーヌードルを買ってお湯を注ぐ。
◆船室の外のベンチでいただきます!でも風が強くって麺が吹っ飛びます!!
カレーヌードルって、食べている本人は良いけど周辺へのスメルハラスメント被害が大きくご迷惑をお掛けするので外のベンチに移動。
ところが外は風が強くてまともに食べることが出来ませんが、なんだかそれが嬉しくてニヤニヤしながら完食する。
午後2時10分過ぎに下船し、三崎から八幡浜へ向う。
国道197号の三崎方面車線で大掛かりなネズミ捕りを行っていた。
そういや、この佐田岬には伊方原子力発電所があるが、原発がある地域の道路は本当に綺麗で走りやすい。
思わず速度も出そうで要注意だ。
八幡浜から大洲へ向かい、国道197号をそのまま南下するルートに決めて走った。
須崎まで100kmちょっと、時間にして3時間切る位を見るが、大洲を通過する頃には午後3時を大分過ぎた頃だった。
このペースだと高知県須崎市午後6時、高知市内午後7時過ぎになるだろう。
しかし、実際に国道197号を走るとハイペースで走ることができ5時半前には須崎市手前まで辿り着く。
が、ここで夕立に遭い雨宿りをすることになった。
◆野菜の無人販売所の軒先を失礼ながら緊急避難場所としてお借りし雨宿り中・・・。
夕立であるのは明白で、雨具を出さずになんとか雨をやり過ごしたいとの気持ちから、
無人販売所の軒先を緊急避難場所として拝借させていただいた。
ここで約30分雨が止むのを待つ。
時刻は午後6時を少し過ぎ、再び出発して道の駅「かわうその里すさき」へ。
◆道の駅「すさき」のトイレの軒先で雨宿りしつつ休憩。
ここで午後7時まで雨が完全に止むまで待ち、再び出発した頃には夜の帳が下りていた。
さて、こうなってくるとキャンプ場などでテントを張って野営するというのは難しくなってくる。
走りながら今夜の寝床の心配と夕食の心配もし始めていた。
今日、日中に口にしたのは船上で食べたカレーヌードルだけである。
キャンプ道具、食糧ももちろん持参しているが、テントを張らずの野宿が視野に入り始めると自炊もキャンセルかなと思い始める。
国道56号で高知市内へ入ると、昔と比べ都会になった印象を受けた。車も多く、以前より走り難いと感じたのは気のせいではないだろう。
市内を走っていると、地元のお弁当チェーン店が目についてきた。
自炊を半ば諦めかけていたので、どうせならコンビニではなく地元系弁当店のお弁当でも買って夕食にするかと思い始める。
すると目に付きだしたのが「くいしんぼ如月」というお弁当屋さんだった。
何店舗か通り過ぎたが、そろそろ郊外に向かいお店もなくなるかもと心配し始めた頃に目に入ったお店へ入ることにした。
◆くいしんぼ如月葛島店にて。
さて、店内へ入りメニューを見ると思いの外良い値段のするお弁当が並ぶ。
うーん、さてどうするか。
正直、お値段を見てしくじった!と思ったが、折角なのでチキン南蛮BIG650円を購入する。
ノンアルコールピアーでもと思ったが、なんと売っていなかった。
弁当のみ購入し再び走り始める。
国道195号へ移行し、徳島方面へ走る。
午後9時前になって、ここで最後ですよ感が漂う道の駅「美良布」で停車することにした。
古いマップルではお風呂があるようなことを書いてあって期待したが、そんなものはなかった。
併設してあるのはアンパンマンミュージアムと健康施設らしいが、暗闇で良く分からない。
道を挟んでローソンがあり、あぁローソンで弁当でも良かったなぁと思いつつ、テーブル付きベンチを探すが先客あり。
若い中国語を話す男女4~5名お話に夢中だった。
トラベラーではなく留学生か、研修生かといった所だろう。
他には真っ暗な所にあるベンチになるが仕方なくそこでチキン南蛮弁当を食べる。
食している途中、リードに繋がれた少し大きめのトイプードルに絡まれる。
暗闇の中で弁当食ってる中年オヤジはさぞかし奇異に写ったに違いない。
30代後半くらいのお兄さんが「すみません。何々ちゃん、ほら、こっち!!」と言いながらリードを強く引っ張り去ってゆく。
去り際にワン!と一声吠えて行きやがった。
なんだかもうどうでもよくなり、そのままベンチに寝転がって夜空を眺める。
気温は25度くらいで風が少しだが吹いていてジャケットを着たままでも何とか眠りにつけた。
眠ると言っても熟睡する訳ではなく、ずっと目を閉じているだけで殆ど眠ってはいない。
時々、時計を見ると10分、30分と時間がワープしていると言った感じで午前3時まで休んだ。
少し早いけど出発の準備を始める。
上半身だけ濡れタオルで拭き顔を洗い歯磨きをする。
前のローソンでホットコーヒーを一つ買ってベンチに座りゆっくり飲んだ。
持参してきた菓子パンを一つ食べる。
さて、行くかとKLEに再び火を入れたのは午前4時前だった。
2017年8月31日木曜日 晴れ。
道の駅「美良布」を徳島方面へ発つと、国道195号は一気に人気のない山間を走ることとなる。
信号も特になく、淡々と暗闇の中を東へ走る。
深い山々で見える夜空は狭く、まだ夜明け前で全てがひっそりと佇んでいる世界の中でパラレルツインのエンジン音だけが響いていた。
4~50分程度走った所で長めのトンネルがあり、それを過ぎて暫くすると剣山スーパー林道の終点に到着する。
◆高の瀬峡、剣山スーパー林道終点側の入り口。
◆通行止めとクマ注意の看板に萎える・・・。
午前5時前に到着した終点側の看板に意気消沈気味。
空は少し白んできたが、もう少し明るくなってちょっとそのゲートやらを見てみようと少し休憩する。
肉眼でライトが無くても走行できるくらい明るくなったのは午前5時20分ごろだった。
どうせだから様子を見ようと林道へ侵入するも程なく警告板が現れる。
◆再び通行止めと、今回は回転場なしの文言。
うん、仕方ないよね。
Uターンして、今度は起点側へ向うことにした。
国道195号をさらに徳島方面へ走る。
早朝とあって、対向車もまったくない静かな国道を走り続ける。
途中から国道193号へ左折する形になり北上、剣山スーパー林道起点側へ行くには途中県道16号へ右折することとなる。
大分遠回りになるが、ツーリングマップル上ではこのルートでしか起点に行けそうにない。
県道16号は、車1台が走れる程度のタイトなどこにでもある舗装林道だった。
クネクネ道を上ったり下りたり走っていると、あの嫌な感覚が突如として現れたのである。
スッ・・と言う感じで一瞬だけれども確かにエンジンパワーが途切れたのだ。
あれ?と思う。
ガソリンは満タンにしてから100kmくらいしか走っていないし、キャブOHして2,000kmも走っていない。
燃料系トラブル以外でこの症状と言えば電装系となるだろう。
しかし、心当たりは無くはない。
そう、バッテリーの経年劣化である。
前回バッテリー交換したのは4年前のあのトラブル以来。
http://blog.goo.ne.jp/prussianblueroad/e/7a1c81675dd964800a00407ac7c5ca9b
そうなのだ。
KLEのこの症状がでたらバッテリー不具合を疑って良い。
が、寄りにもよって何故今その症状が現れるのか!!?
でも、まぁ、バッテリー4年経ってるしいつ症状現れてもおかしくはなっかったのでここまで引っ張った自分が悪い。
出発前、一応充電もしていたしバッテリーチェッカーで12.6V出ているのを確認していたのだけれど、
このバイクでMFバッテリーが逝く時の前症状はいつもこんな感じになる。
しかし、おや!?と思いつつも、その症状は本当に一瞬であったのでまだ深刻さはなかった。
暫くすると、お目当ての剣山ナスーパー林道起点に辿り着く。
◆午前7時頃林道起点へ到着。
剣山スーパー林道起点側には、一切の注意書き看板はなかった。
とりあえずは起点側からは走行可能ということだろう。
今からが本番である。さぁ、出陣!!
と、意気込むが、暫くは舗装路を走り、ようやくダートへ至る。
◆ようやくダートへ到着。ワクワクである。
◆四国のやまなみを展望。空気はひんやりとして気持ち良いものだった。
ダートはガタガタしているのは勿論だけど走りやすい。
熊本の内大臣林道の椎矢峠付近よりはずっと走りやすい印象である。
しかし、ガタガタ道を暫く走行していると再びエンストしそうなし症状が現れ始める。
むむむ!!
それが走るにつれ頻度を増しているではないか!?
どうしたものかと思案しながらダート走行を続けると国道193号の舗装路に一旦出る。
さて、嫌な予感しかしなくなった今、このまま林道を走り続けるか否か?
恐らく、バイクの神様がこれ以上進むな!帰れ!とお告げを下さっているに違いない。
折角だけど、今回はアタックを断念するのが良策と考えて、このまま下り道の国道193号を南下することにした。
下りだすと、なんと頻繁にエンストするようになり、仕舞には自走困難にまでに至った。
幸い、ずっと下り坂なのでエンジン掛からなくてもなんとか人里まで下ることができた。
そして目に付いたガソリンスタンドで給油した後、バッテリーチャージャーをお借りする。
◆バッテリーチェージャーをお借りして充電中。
この時点で午前8時30分過ぎ。
「充電させていただいた分の御代を」と言うとご主人は「結構です」と仰るのでご好意に甘えることにした。
ありがとう御座います。
再び走り出したのは午前9時30分過ぎ。
来た道をひたすら戻る。
先ほどまで頻繁にエンストしていたのが、嘘のように快調に走り出したKLE。
走れるうちにとにかく街まで出てしまえば何とかなるだろうと必死で走る。
◆復路で立ち寄った道の駅「美良布」
一晩を過した道の駅「美良布」でトイレ休憩。
昨夜は暗闇でどんな感じか分からなかったが、明るいと素敵な道の駅であるのが分かった。
再び走り出し、高知市手前になって信号待ちでストトンとエンストする現象が2度現れる。
うーむ、確か高知駅近くにRD高知店があったはず!と勘を頼りに走ると男爵を発見し立ち寄ったのは午後12時30分過ぎだったろうか。
若く爽やかなスタッフが迎えてくれて親切に対応してくれた。
症状を伝え暫く待つこと約30分。
「バッテリーの接点がかなり緩んでいたので、それが原因じゃないですかね?充電側は14.2V以上出ていますし、バッテリーも12.4V出ていますから」とのこと。
「林道走っていたら症状が悪化していったからそれですかね?」と私。
「そうかもしれませんね(ニコリ)」と爽やかに返られると何となく今までの不安が一気に吹き飛んだ。
しかし、先ほど充電する際にはそんな緩み気にならなかったけど見落としたんだろうな、テヘペロ。
御代を支払い、再び路上の人となる。
本当は、もう1泊する予定でいたがKLEの調子も悪いので今回はもう諦めて自走できるうちに帰ることにした。
でも、折角なので桂浜に寄り、横波黒潮ラインを走って須崎まで出る海岸ルートを走る。
◆桂浜の駐車場にて。
◆本日は大変海が荒れています。
◆やぁ龍馬さん!10年振りくらいの再会ですね。
しかし、今日は波が高く波飛沫でシーサイドロードは潮の煙幕で煙っています。
ヘルメットのシールドが潮でベトベトになりながらも気持ちよく蒼い空を太平洋を満喫。
◆武市先生とは15年振りくらいかな?しかし、この角度のKLEかっこいい!(自画自賛)
再び道の駅すさきに到着したのは午後3時前。
腹ペコで何か食べたいが、特に食べたいものがなかった。
娘と息子にカワウソのキーホルダーをと物色したが、そういえばあの子たちにはぶら下げる鍵がないことに気付きやめる。
帰ると決まればフェリーの時間も気になる。
三崎側の出航時間は〇〇時30分で一時間間隔だったはず。
今から飛ばせば午後6時30分出航分に間に合うかもしれない。
それに乗れれば、佐賀関から3時間30分~4時間で帰宅できるので辛うじて日付が変わらずに済む。
そうと決まれば一目散に走り出した。
大洲、八幡浜辺りまで順調だったが、再びエンストの症状が信号待ちで一度現れた。
むむむっ、やっぱりバッテリー自体の寿命が尽きようとしている様子だと思われる。
なんとかもう少し(少しと言ってもまだ200kmくらいあるけど)持ってくれ!
◆午後6時過ぎ、国道九四フェリー三崎港乗り場へ到着。
なんとか午後6時30分出航分に受付間に合った。
ここで一息つきながら携帯電話を確認する。
ずっと走りっ放しでまともに携帯電話を確認していなかったが、妻から鬼のような不在着信が何度もあっていた。
やれやれ何事かと掛け直すと、今朝義父側の叔父さんがお亡くなりになり、葬儀に動けない父と母の代わりに私(妻)が行かないとと言う。
わかったわかった、帰ったらお連れしますよ、熊本まで。
はぁ、バイクの神様は、こういう事もお知らせしてくれていたんだなぁと思った。
◆フェリーに乗船後、拘束されるKLE。
船内で横になり目を閉じた。
腹が減ったが、もうカップヌードルを食べる気力がないし、満腹になると走行中睡魔が襲ってくるので食事を摂るのは諦めた。
TVではサッカーワールドカップ最終予選の番組が流されている。
佐賀関で下船した頃には完全に暗くなっていた。
ひたすら国道10号線を北上する。
何度か症状が現れ、道の駅中津では完全に止まりかけたが再び息を吹き返した。
信号待ちの度にヒヤヒヤしながらその後は症状もでず午後11時30分過ぎに無事帰宅。
久し振りにただただ走って疲れて疲弊しただけの何の収穫もないツーリングだった。
まぁ、帰ってこれただけ良しとしよう。
こんなこともあるさ。
・今回の走行距離 1017.9km
・今回の旅費 14,541円
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます