本は、なかなか捨てられません。
服もそうですが、本はなおさらです。
服はまだ「また着るかも」という期待がありますが。
本は、「また読むかも」以前に、ただ手元に置いておきたい。
むしろ読んだ瞬間に、自分の一部になっている。
それを捨てるのは、身を削られるようで、淋しい感じがあります。
できれば捨てないで、ずっと手元に置いておければ良いのでしょうが。
本というのは、どうしても場所を取ります。
スペースの確保というのは、日本の住宅事情では、なかなか大変なことで。
どうしても、ある時点で、整理が必要です。
僕も、今まで、随分古本屋さんにお世話になりました。
たぶん、2千冊くらいは処分していると思います。
それでも、生きている分だけ、増え続ける本…。
でも、僕の場合、本のためのスペース確保は、ラッキーでした。
勤めていた病院では、使われなくなった病棟に空いている部屋があったりして。
PSW実習生の控え室、兼ミーティング室として、貸してもらえることになって。
そのうち「精神保健福祉研究室」などと看板をかけて。
自宅にあった専門書の類を、せっせせっせと、病院に運びました。
臨床現場にしては、結構な蔵書数の共有研究室ができました。
大学に転職して、一番うれしかったのは、本の置き場が確保されたことです。
病院から大学へ、すべての本を移動するのは、とても大変でした。
赤帽の軽トラック2台を契約しましたが、積みきれませんでした。
結局、自分の自家用車で、さらに何回かに分けて運びました。
段ボール箱にして80個分くらいあったでしょうか。
そんなこんなでため込んできた、精神保健福祉関係の本。
薄い雑誌や報告書も含めると、だいたい8千冊くらいになるでしょうか。
新任教員の僕の研究室を訪ねてきた、ある先生はびっくりしてました。
「ずっと研究者だった人であれば、ともかく…。
こんなに本を持ってきた、実務家の教員、初めて見た!」
学生時代に読んだ古びた本が、今も研究室に並んでいます。
もうたぶん2度と読まないであろう、記述内容も古い専門書。
もはや、絶版となり入手困難で、読みたい人もいないであろう本たち。
でも、なかなか捨てられません。
さて、ここを辞める時には、どうしましょう?
(^_^;)