「リカバリー全国フォーラム2010」は、約1200人に達する大盛況でした。
本郷の文京学院大学の仁愛ホールは、満席状態で、別室モニターも設けました。
昼休みには、お弁当を食べる参加者が、中庭のベンチや階段にあふれていました。
ふだんの学生の姿はなく、ちょっと年齢の高い華やいだキャンパス風景になりました。
僕は、当事者と支援者8名による「ライブトーク」の司会を担当させてもらいました。
舞台からフロアを見ると、びっしり席を埋め尽くした聴衆の、真剣なまなざし。
言葉を刻み込むように、耳を傾け、細かくメモを取る当事者・家族の姿が多く新鮮でした。
ライブ感覚の熱気のある集会というのは、舞台とフロアが一体になれるものですね。
僕は、初日丸一日、大ホールの進行責任者として、ずっと暗い舞台の袖にいました。
音響機器が総入れ替えになったばかりということで、調整不足は否めず…。
計9本のマイクは、プチハウリング状態、気を抜けず、なんかバタバタしてました。
舞台上の主人公たちにセッションは委ねられていますが、見えない裏方も、まぁ大変です。
今回のフォーラムは、昨年にも増して、分科会は23会場もあり、パワーアップ。
精神保健医療福祉施策から、家族支援、権利擁護、ピアサポート、恋愛結婚育児まで。
WRAP、IMR、ACT、IPSといった、今が旬のプログラムも盛りだくさんです。
僕は、第6分科会「アンチスティグマとリカバリー」を舞台袖から、ずっと見ていました。
かつて上司だった高橋清久さん(精神・神経科学振興財団)の司会・コーディネートです。
ひとりひとりの発言時間も延びて、休憩なし2時間35分のセッション。
僕はモニターをにらみ、シンポジストの表情を、3台の遠隔操作カメラで追いました。
リカバリーの大きな阻害要因となるのが、スティグマ(烙印)です。
欠格条項や偏見等の、外なるスティグマと、自身の中にある、内なるスティグマ。
7人のシンポジストが、当事者・家族の立場から、それぞれスティグマを語りました。
僕の司会したライブトークでも、当事者・支援者自身の病気への偏見が語られました。
「患者よりも、まず人として接して欲しかった」と語った外村さん。
「自分の中にも、最初偏見はあった」と医療機関で働く坂本さん、本田さん。
「病気を恥じ、隠す気持ちはあった」とコンシューマースタッフの磯田さん、永田さん。
「専門家でなく、ボランティアの視線を大事にしたい」と語った藤井さん。
「医療従事者が一番、偏見が強い。市民には、むしろ無い」と言い切った広田さん。
スティグマを形成するのは、当事者との接触体験の乏しさです。
施設建設反対運動など、接触体験のない人ほど、「怖い」イメージが肥大化します。
じかに当事者に接するようになると、市民の目線は穏やかなものに変わっていきます。
では、日頃病者に接している、医療従事者の偏見は、どのように除去できるのでしょうか?
精神科病院の中のスティグマを、PSWは自らの課題として、取り組めているでしょうか?
DSMとか精神医学の診断基準そのものが、リカバリーを阻害しているとしたら?
今日自明の薬物療法そのものが、リカバリー阻害の要因になっているとしたら?
そして、当事者のリカバリーを一番阻害しているのが、実は精神科病院だとしたら…。
精神障害者にかかわるアンチスティグマは、世界中で取り組まれている課題です。
障害者権利条約を批准できるように、この国の差別的な国内法の整備は必要です。
でも、それとともに、内なるスティグマの除去は、大きなテーマです。
むしろ、心の内側に刻印されたスティグマこそ、容易に消えることはありません。
願わくば、リカバリー概念が、精神科医療そのものを変えていくことを…。
まさに「日本の精神保健福祉サービスを『当事者中心』に変革するために」…。
※画像は、コープランドさんの記念講演を聴く、会場風景。
舞台袖からの、こんな記念撮影、なかなか無いでしょう?(笑)
僕の目に映っていた「リカバリーフォーラム2010」は、ずっとこんな風景でした。
本郷の文京学院大学の仁愛ホールは、満席状態で、別室モニターも設けました。
昼休みには、お弁当を食べる参加者が、中庭のベンチや階段にあふれていました。
ふだんの学生の姿はなく、ちょっと年齢の高い華やいだキャンパス風景になりました。
僕は、当事者と支援者8名による「ライブトーク」の司会を担当させてもらいました。
舞台からフロアを見ると、びっしり席を埋め尽くした聴衆の、真剣なまなざし。
言葉を刻み込むように、耳を傾け、細かくメモを取る当事者・家族の姿が多く新鮮でした。
ライブ感覚の熱気のある集会というのは、舞台とフロアが一体になれるものですね。
僕は、初日丸一日、大ホールの進行責任者として、ずっと暗い舞台の袖にいました。
音響機器が総入れ替えになったばかりということで、調整不足は否めず…。
計9本のマイクは、プチハウリング状態、気を抜けず、なんかバタバタしてました。
舞台上の主人公たちにセッションは委ねられていますが、見えない裏方も、まぁ大変です。
今回のフォーラムは、昨年にも増して、分科会は23会場もあり、パワーアップ。
精神保健医療福祉施策から、家族支援、権利擁護、ピアサポート、恋愛結婚育児まで。
WRAP、IMR、ACT、IPSといった、今が旬のプログラムも盛りだくさんです。
僕は、第6分科会「アンチスティグマとリカバリー」を舞台袖から、ずっと見ていました。
かつて上司だった高橋清久さん(精神・神経科学振興財団)の司会・コーディネートです。
ひとりひとりの発言時間も延びて、休憩なし2時間35分のセッション。
僕はモニターをにらみ、シンポジストの表情を、3台の遠隔操作カメラで追いました。
リカバリーの大きな阻害要因となるのが、スティグマ(烙印)です。
欠格条項や偏見等の、外なるスティグマと、自身の中にある、内なるスティグマ。
7人のシンポジストが、当事者・家族の立場から、それぞれスティグマを語りました。
僕の司会したライブトークでも、当事者・支援者自身の病気への偏見が語られました。
「患者よりも、まず人として接して欲しかった」と語った外村さん。
「自分の中にも、最初偏見はあった」と医療機関で働く坂本さん、本田さん。
「病気を恥じ、隠す気持ちはあった」とコンシューマースタッフの磯田さん、永田さん。
「専門家でなく、ボランティアの視線を大事にしたい」と語った藤井さん。
「医療従事者が一番、偏見が強い。市民には、むしろ無い」と言い切った広田さん。
スティグマを形成するのは、当事者との接触体験の乏しさです。
施設建設反対運動など、接触体験のない人ほど、「怖い」イメージが肥大化します。
じかに当事者に接するようになると、市民の目線は穏やかなものに変わっていきます。
では、日頃病者に接している、医療従事者の偏見は、どのように除去できるのでしょうか?
精神科病院の中のスティグマを、PSWは自らの課題として、取り組めているでしょうか?
DSMとか精神医学の診断基準そのものが、リカバリーを阻害しているとしたら?
今日自明の薬物療法そのものが、リカバリー阻害の要因になっているとしたら?
そして、当事者のリカバリーを一番阻害しているのが、実は精神科病院だとしたら…。
精神障害者にかかわるアンチスティグマは、世界中で取り組まれている課題です。
障害者権利条約を批准できるように、この国の差別的な国内法の整備は必要です。
でも、それとともに、内なるスティグマの除去は、大きなテーマです。
むしろ、心の内側に刻印されたスティグマこそ、容易に消えることはありません。
願わくば、リカバリー概念が、精神科医療そのものを変えていくことを…。
まさに「日本の精神保健福祉サービスを『当事者中心』に変革するために」…。
※画像は、コープランドさんの記念講演を聴く、会場風景。
舞台袖からの、こんな記念撮影、なかなか無いでしょう?(笑)
僕の目に映っていた「リカバリーフォーラム2010」は、ずっとこんな風景でした。