Randonneur旅日記

おじいちゃんの自転車一人旅
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みみ爺一人旅、真夏の林道盆堀線を行く (その4)      2013年7月19日 金曜日

2013-08-02 10:54:20 | サイクリング・自転車旅
<秋川・小和田橋→小峰峠→秋川街道→川口橋>



 さて、秋川・小和田橋を離れ、いよいよ恐るべき心霊スポット、小峰峠へ向かうんだ。
 途中、近道と思って選んだ道がなんと25パーセントはありそうな激坂だったよ。もちろん距離は短かったけれどきつかったね。写真左の道がその激坂だよ。この坂を上った後の右側の上り坂がとても楽に感じられた。



 秋川街道へ出て、500メートルほど南へ走るよ。
 新小峰トンネルが見えてきた。



 このトンネルができたことで、旧道は廃道となったんだ。今ではモノ好きだけが旧道を抜けたがるのだろうね。そしてみみ爺も今日、モノ好きになるわけだよ。
 新トンネル入口の左手に、歩行者だけが通れるような車両止がある。



 この非常に狭い隙間を通りぬけて金網の中に入るんだ。バイクでは無理だが、自転車ならどうにかこうにか通ることができる。





 通り抜けたすぐのところはこんなに広いんだ。



 道を上って行くにつれ廃道化が進んでいるのがわかるよ。



 2車線道路の両側から、草が路面を這うように伸びてきている。



 峠が近づいてくるとこのありさまだよ。



 いよいよ薄暗い緑の奥に朽ちかけたレンガ造りの古いトンネルが現れた。これが幽霊トンネル、旧小峰隧道だよ。大正時代につくられたらしい。以前はここをバスが通っていたとも聞くが、それが信じがたいほどの狭いトンネルだね。



 トンネルの中には、それでも小さな明かりがいくつか灯っているよ。かんぜんに廃道になったわけでもないようだね。



 ここは心霊スポットとして地元でも有名らしい。このトンネルに幽霊が出るという話は以前からあって、お化けトンネルと呼ばれていたそうだけど、特に新聞や週刊誌の紙面を盛んに賑わすようになったのは、当時幼女を何人も殺害した、あの有名な猟奇的殺人事件“宮崎勤事件”があってからのことらしいよ。なんでもその殺人現場がこの小峰峠だったというんだ。噂では、座っている女の子が手を振っていて、よく見ると手首が無かったとか。
 殺害された幼女の遺体の中には、首や手足を切り離されて捨てられていたのもあったというよ。
 なにもこんな恐ろしいトンネルを通らなくても、新しくできた広くて明るいトンネルを通ればいいんだけれど、みみ爺、ちょっとスリルを味わってみたくなったのさ。
 勇気を出して恐る恐るトンネルの中に入って行ったんだ。全神経を目と耳に集中して、幽霊に気付かれないように静かにペダルをこいだ。
 短いトンネルだけど、えらく長く感じられたよ。ただひたすら出口の明かりめがけて、なるべく音をたてないように走ったんだ。昼間なのに、臆病者のみみ爺は怖くて後ろを振り向くことができなかったよ。振り向いた途端そこに、ぎゃ~!…
なんていやだからね。



もちろん、幽霊はでなかったよ。昼間だからね。けれどスリルはあったね。あ~怖かった。昼間でも怖かった。暗い夜じゃ通るのはとても無理だ。
トンネルを出ると、さらに道が狭まっていたよ。トンネルより不気味かも。
見上げると、青い字で書かれた小峰峠の道標がひっそりと残っていた。この青い字の道標までうす気味悪い。



 峠を下って行くと、やがて反対側の出口に辿り着いた。人以外の車やオートバイは入れないようになっているよ。ということは、今でも通る人はいるんだね。トンネルには明かりもついていたし。
 あ~楽しかった。怖くて楽しかった。



 都道32号、秋川街道に出て、熱い照り返しの中を200メートルほど走って右折し、川口川に架かった小さな川口橋を渡ったよ。



<つづく>