寒い。ハンドルを握る手が凍える。

でも、天気はいい。
落ち葉のアップダウン。誰もいない。梢を渡る静かな風の音以外は何の音も聞えない。

朝起きると、女房の作ってくれた朝食を食べ、自転車に乗って一回りしてくる。戻ってくると昼食だ。そのあとコタツでうたた寝をする。目が覚めると、すでに日は西に傾き始めている。何とはなしにテレビを付ける。風呂に入る。夕食後はまたコタツでうたた寝。昼間寝すぎて夜中に目が覚める。枕もとの明かりをつけて、周五郎を読み始める。布団から出していた腕が寒さで冷たくなると、また布団にもぐって寝る。こんな日が繰り返される。
澄んだ青空を見、静かな風の音を聞き、冷たい空気を肌で感じる。町のざわめき、犬の吠える声、走り回る子供たち、それらを見、聞き、感じられることが、生きていることの素晴らしさなんだ。ひとり呟くそんなおまじないのような言葉が、最近少し色あせてきた。コロナの感染拡大のせいで閉じこもっているせいかもしれない。


でも、天気はいい。
落ち葉のアップダウン。誰もいない。梢を渡る静かな風の音以外は何の音も聞えない。

朝起きると、女房の作ってくれた朝食を食べ、自転車に乗って一回りしてくる。戻ってくると昼食だ。そのあとコタツでうたた寝をする。目が覚めると、すでに日は西に傾き始めている。何とはなしにテレビを付ける。風呂に入る。夕食後はまたコタツでうたた寝。昼間寝すぎて夜中に目が覚める。枕もとの明かりをつけて、周五郎を読み始める。布団から出していた腕が寒さで冷たくなると、また布団にもぐって寝る。こんな日が繰り返される。
澄んだ青空を見、静かな風の音を聞き、冷たい空気を肌で感じる。町のざわめき、犬の吠える声、走り回る子供たち、それらを見、聞き、感じられることが、生きていることの素晴らしさなんだ。ひとり呟くそんなおまじないのような言葉が、最近少し色あせてきた。コロナの感染拡大のせいで閉じこもっているせいかもしれない。
