道志みち(野原)→天神峠→藤野
厳道峠という、いかにも恐ろしそうな名前に、来るまではちょっとビビっていたんだ。その昔、盗賊どもが出没したという伝説のある峠だよ。とにかく無事に越えることができて良かったよ。それにしても鉄塔からの眺めは抜群だったね。きれいな富士山が見られたのはラッキーだったよ。関東地方に住んでいれば、いつでも何度でも見る機会がある富士山なんだけど、見るたびに改めて感動するというのは何故だろうねえ。
国道413号、通称“道志みち”だ。歴史のある道だよ。ご存じのとおり西は山伏峠を経て山中湖へ、東は津久井湖へと続く。
けっこうきついアップダウンがあるんだ。
国道だけど、たぶん平日だからだろうが、ここも車が少ない。そのかわり、何度もオートバイ軍団とすれ違ったよ。まるでレーサーのようにかっ飛んで行くんだ。
丹沢山塊だよ。
キャンプ場のようだね。道志みち沿いにはたくさんのキャンプ場があるらしいよ。
この道志みちは、みみ爺が若い頃から一度は自転車で走ってみたいと思っていた道なんだ。この年になってようやく、ほんの少しだけど実現したというわけさ。感慨深いよ。
上青根というあたりで道志みちをそれ、綱子大川原林道へ向かうんだ。
大川原橋のすぐ手前にある水神橋だよ。
この橋の上からの道志川の眺めは絶品だったね。浅く幅広い流れで、大小の岩や小石にはじける水が日の光でキラキラ光ってるんだ。みみ爺の目には、まるでとてつもなく広い光の絨毯みたいだったよ。こんなきれいな水の流れを見たのは初めてだ。感動するなあ。今日は本当についてるね。
こちらは大川原橋だよ。河原の管理をしている地元の環境整備の方に写してもらったんだよ。
橋の下に広がる河原でお昼にしたんだ。家から持ってきた“尾西のチキンライス”の袋を開けて、中に沸かしたお湯を注ぎ、景色を眺めながらできあがりを楽しみに待ったよ。さて、食べようと思って再び袋を開けたんだ。いいにおいがするよ。
ところが、スプーンを入れてかき混ぜていると、なんだか変なものが出てきたんだ。脱酸素剤の袋なんだよ。すっかりお湯につかって茹であがってしまってるね。食べられないと書いてある。こんなものを一緒に加熱してしまったから、もちろん食べないほうがいいだろうね。いいにおいのするチキンライスは諦めることにしたよ。はじめに作り方をよく読まないからこんなことになったんだよ。これを自業自得というんだ。
けっきょく、お昼はコンビニで買っておいたあんぱん1つとコーヒーだけになったよ。悲しいね。まっ、仕方ないか。そのかわり、あんぱんがおいしかったね。これから自転車に乗るときは必ずあんぱんを買うことにしよう。
天神峠へ向かうよ。
ここからが綱子大川原林道というんだが、ゲートは開いているね。
森の中をどんどん上っていくよ。がんばれ、がんばれ。
ほどなく峠についた。眺望もない峠だよ。地図で見ると奥相模湖が近くにあるから、もしかしたら湖を見ることができるかもしれないとひそかに思っていたけれど、木々に遮られていてそれはなかったね。木立に囲まれた薄暗い峠だ。でも、こんなさみしい峠も意外といいもんだよ。
峠からの下りだ。石ころや木の枝を踏まないように走ろう。こんなところでパンクでもしたらほんとに困るよ。ゲートだ。
綱子だ。こんな山の中にもひっそりと集落があるんだ。
さらに道を下っていくよ。静かだなあ。
吊り橋へ行くにはここを左へ進むんだ。
道はさらに荒れてきたね。ちょっと心細いよ。
ほら、吊り橋が見えてきたよ。実はみみ爺、この吊り橋を渡るのを楽しみにしていたんだ。吊り橋とトンネルが大好きなのさ。
一度に渡れる人数は10人までと書いてあるんだ。木造の吊り橋だよ。木の傷み具合が、風雨にさらされた年月を感じさせるね。ちょっと怖いよ。壊れないかね。
下に流れているのは秋山川だよ。
県道35号に出て、名倉方面へ向かう。日がだいぶ傾いてきたよ。
あらら、これは最近のことだよ。ちょっとビビるね。フロントバッグにさげてあるクマよけ鈴を手でガラガラ鳴らしたよ。潜んでいるかもしれないクマ君に聞こえるようにね。
下り坂で通り過ぎそうになるが、ここは右だよ。
小さな茶畑があったよ。そういえば新茶の季節だね。新茶が飲みたいねえ。歳をとるとお茶が大好きになるんだ。それと甘い和菓子。黄身しぐれとか鹿の子とか。
また上り坂だ。
小さなピークだ。金剛山への登山道があるね。
こんどは下り坂だ。
葛原神社(とずらはら)の前だよ。
そしてまた小さなピークだ。石楯山登山道の道しるべがあるよ。名倉峠というのはここのことかね。
もうすぐ藤野だ。何だろう、不思議なものがあるよ。空から落ちてきた飛行機かロケットの一部かね。
そうか、藤野は芸術の街だったね。
…それにしても芸術ってなんだろね。このオブジェを見てもさっぱりわからないよ。みみ爺には、芸術を理解する想像力というものが足りないということかなあ。
ほ~ら、藤野の街が見えてきたよ。
弁天橋だ。
いよいよ旅も終りだ。
みみ爺お疲れさん。厳道峠、天神峠と変化に富んでいて楽しかったね。そして、またひとつ自信がついたよ。…お腹がすいたなあ。
厳道峠という、いかにも恐ろしそうな名前に、来るまではちょっとビビっていたんだ。その昔、盗賊どもが出没したという伝説のある峠だよ。とにかく無事に越えることができて良かったよ。それにしても鉄塔からの眺めは抜群だったね。きれいな富士山が見られたのはラッキーだったよ。関東地方に住んでいれば、いつでも何度でも見る機会がある富士山なんだけど、見るたびに改めて感動するというのは何故だろうねえ。
国道413号、通称“道志みち”だ。歴史のある道だよ。ご存じのとおり西は山伏峠を経て山中湖へ、東は津久井湖へと続く。
けっこうきついアップダウンがあるんだ。
国道だけど、たぶん平日だからだろうが、ここも車が少ない。そのかわり、何度もオートバイ軍団とすれ違ったよ。まるでレーサーのようにかっ飛んで行くんだ。
丹沢山塊だよ。
キャンプ場のようだね。道志みち沿いにはたくさんのキャンプ場があるらしいよ。
この道志みちは、みみ爺が若い頃から一度は自転車で走ってみたいと思っていた道なんだ。この年になってようやく、ほんの少しだけど実現したというわけさ。感慨深いよ。
上青根というあたりで道志みちをそれ、綱子大川原林道へ向かうんだ。
大川原橋のすぐ手前にある水神橋だよ。
この橋の上からの道志川の眺めは絶品だったね。浅く幅広い流れで、大小の岩や小石にはじける水が日の光でキラキラ光ってるんだ。みみ爺の目には、まるでとてつもなく広い光の絨毯みたいだったよ。こんなきれいな水の流れを見たのは初めてだ。感動するなあ。今日は本当についてるね。
こちらは大川原橋だよ。河原の管理をしている地元の環境整備の方に写してもらったんだよ。
橋の下に広がる河原でお昼にしたんだ。家から持ってきた“尾西のチキンライス”の袋を開けて、中に沸かしたお湯を注ぎ、景色を眺めながらできあがりを楽しみに待ったよ。さて、食べようと思って再び袋を開けたんだ。いいにおいがするよ。
ところが、スプーンを入れてかき混ぜていると、なんだか変なものが出てきたんだ。脱酸素剤の袋なんだよ。すっかりお湯につかって茹であがってしまってるね。食べられないと書いてある。こんなものを一緒に加熱してしまったから、もちろん食べないほうがいいだろうね。いいにおいのするチキンライスは諦めることにしたよ。はじめに作り方をよく読まないからこんなことになったんだよ。これを自業自得というんだ。
けっきょく、お昼はコンビニで買っておいたあんぱん1つとコーヒーだけになったよ。悲しいね。まっ、仕方ないか。そのかわり、あんぱんがおいしかったね。これから自転車に乗るときは必ずあんぱんを買うことにしよう。
天神峠へ向かうよ。
ここからが綱子大川原林道というんだが、ゲートは開いているね。
森の中をどんどん上っていくよ。がんばれ、がんばれ。
ほどなく峠についた。眺望もない峠だよ。地図で見ると奥相模湖が近くにあるから、もしかしたら湖を見ることができるかもしれないとひそかに思っていたけれど、木々に遮られていてそれはなかったね。木立に囲まれた薄暗い峠だ。でも、こんなさみしい峠も意外といいもんだよ。
峠からの下りだ。石ころや木の枝を踏まないように走ろう。こんなところでパンクでもしたらほんとに困るよ。ゲートだ。
綱子だ。こんな山の中にもひっそりと集落があるんだ。
さらに道を下っていくよ。静かだなあ。
吊り橋へ行くにはここを左へ進むんだ。
道はさらに荒れてきたね。ちょっと心細いよ。
ほら、吊り橋が見えてきたよ。実はみみ爺、この吊り橋を渡るのを楽しみにしていたんだ。吊り橋とトンネルが大好きなのさ。
一度に渡れる人数は10人までと書いてあるんだ。木造の吊り橋だよ。木の傷み具合が、風雨にさらされた年月を感じさせるね。ちょっと怖いよ。壊れないかね。
下に流れているのは秋山川だよ。
県道35号に出て、名倉方面へ向かう。日がだいぶ傾いてきたよ。
あらら、これは最近のことだよ。ちょっとビビるね。フロントバッグにさげてあるクマよけ鈴を手でガラガラ鳴らしたよ。潜んでいるかもしれないクマ君に聞こえるようにね。
下り坂で通り過ぎそうになるが、ここは右だよ。
小さな茶畑があったよ。そういえば新茶の季節だね。新茶が飲みたいねえ。歳をとるとお茶が大好きになるんだ。それと甘い和菓子。黄身しぐれとか鹿の子とか。
また上り坂だ。
小さなピークだ。金剛山への登山道があるね。
こんどは下り坂だ。
葛原神社(とずらはら)の前だよ。
そしてまた小さなピークだ。石楯山登山道の道しるべがあるよ。名倉峠というのはここのことかね。
もうすぐ藤野だ。何だろう、不思議なものがあるよ。空から落ちてきた飛行機かロケットの一部かね。
そうか、藤野は芸術の街だったね。
…それにしても芸術ってなんだろね。このオブジェを見てもさっぱりわからないよ。みみ爺には、芸術を理解する想像力というものが足りないということかなあ。
ほ~ら、藤野の街が見えてきたよ。
弁天橋だ。
いよいよ旅も終りだ。
みみ爺お疲れさん。厳道峠、天神峠と変化に富んでいて楽しかったね。そして、またひとつ自信がついたよ。…お腹がすいたなあ。