その医師は言った。
「 ジョーさん、良い知らせだが、私は貴方の頭痛を治してあげられますよ。
ただ、悪い知らせもあってね。
治すためには貴方を去勢する必要があるんです。
貴方のは非常に稀な病状でね、 睾丸が脊柱の底部を圧迫する結果となっていて、
それがこのひどい慢性の頭痛を起こしているんです。
圧迫を直す唯一の方法は睾丸を切除することなんですな 」
ジョーはショックを受け、落ち込んでしまった。
何か他に生きるすべはないものかと悩んだ。
しかしメスを受けるしか選ぶ道はなかった。
彼が病院を後にしたとき、彼はこの20年間で初めて頭痛を感じなかった。
けれども、 自分の中の重要な部分がなくなっているという感じを拭えなかった。
パンツジョーは道を歩きながら、 まったく違う人間になってしまったと感じている自分に気がつくのだった。
新しい門出をし、新しい人生を生きることも可能かと考えている彼は、とある紳士服店を見かけ、考えた。
「 これだ! 私には新しいスーツが必要なんだ !」
彼は店に入り、年老いた店員に言った。
「 新しいスーツがほしいんだ 」 すると彼はジョーをちょっとの間見つめてから
「 えーとサイズは44のLですね 」 と言った。
ジョーが笑いながら 「 そうだけど、どうして判るの? 」 と聞くと
「 私は60年もこの仕事をしてますんで・・・ 」 と彼は答えた。
ジョーが試着してみると、その背広はピッタリと合った。
彼が鏡の中の自分に見とれていると、店員は尋ねた。
「 新しいワイシャツもどうでしょうか 」
一瞬考えたジョーが 「 いいね 」 と答えると、店員はジョーに目をやって言った。 「袖丈34インチ、首周り16インチ半ですな」 ジョーは驚いた。
「 ピッタリだ。どうして判ったの? 」
「 60年もやってますんで 」 と彼は答えた。
ジョーがシャツを試着してみると又もやピッタリだった。
店内を気分良く歩き回っていると、店員が言った。
「 パンツも新調されたらどうでしょう 」
ちょっと考えたジョーが 「 良かろう 」 というと、店員は 「 えーとサイズは36です 」 という。
ジョーは笑い出した。
「 アッハー、今度は違うぞ。 私は18歳の時からずっと、34を穿いているんだ 」
すると店員は首を横に振った。
「 お客様、あなたは34を 穿いてはいけません。 もし穿くと、パンツがあなたの睾丸を押し上げ、 脊柱の下部を圧迫してひどい頭痛が起きます 」
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