俺の担当は津商業の郁と津西の良幸。
津東は同高を卒業した娘のめい(18期生・高田短大1年)と覆面レスラー。
そして津高が里恵(8期生)と娘のれい。
兵站の必要性・・・コーラを運んだり、人を運んだりだ・・・から、最初に津西にエスティマを走らせる。
良幸の462番。
去年までは皆が車を路駐していたが、今年初めてグラウンドの隅に場所を設けた。
誘導にはたくさんの先生が駆り出されている。
あまりの丁寧さ、慣れていない誘導で、グラウンドを合格発表会場まで突っ切る羽目に・・・。
そこへ雨がポツリ。
掲示板の前に着いた途端に耳をつんざくよう絶叫が上がる・・・始まった!
良幸の姿はない・・・右端のボード・・・462・・・あった!
再び周りを見渡すが、やはり良幸はいない・・・ポケットに忍ばせたコーラを握り締める。
このあたりから他高の担当者から携帯で連絡が届き始める。
電話の向こうで、今年の中3の国語を担当してきた里恵が絶叫している・・・全員受かったあ!
なかに見慣れない番号もある・・・誰かは分からないが、この時刻なら受かった奴だろう。
再びグラウンドを横切りエスティマに乗り込む。
郁だ、郁!
郁がいる津商業へとエスティマを飛ばす。
俺に翼をくれ!
塾に戻ったのを見計らったように橋本ドクターから昼前に電話。
「どうでした」
「全員合格はアカンかった」
「・・・そうですか。やはり内申ですか」
「ああ、10%の第三次合格に届かなかったようやな。・・・でも今日って開業二日目やろ」
「ええ、でも午後からで、午前中は休みです」
「ああ、そやったな」
「受験生として一番大切なのは就職。しかし、こと勉強においては大学入試。どこの高校であろうと最終学歴は大学の名前を書くわけですから。だから今日落ちた生徒には、大学入試を見据えてこれからの3年間を充実した過ごしかたをしてほしい・・・そうお伝えください」
「わかった。ありがとう」
毎年のように午後8時開始というものの、時間にルーズな生徒がいるためにカラオケ大会の開始は8時30分あたりだ。
結局は8時30分で予約することに。
場所はいつものように『パラダイス』・・・部屋もいつものところの30人部屋、1時間6,500円。
中3は全員参加というのが一応は基本・・・一刻でも早く社会復帰をさせるのが狙い。
しかし、強制ではない。
各個人が判断すべきだろう。
高校生も参加・・・基本的には高校生主宰なのだ。
中2も基本的には参加すること。
憑き物が取れたような先輩たちの阿鼻叫喚を脳裏に焼き付けておくことだ。
懸念はひとつ・・・兵站、つまり移動の問題。
アキラがいない・・・入院しているようだが・・・こりゃ、今夜は酒を飲めそうにもない。
午後3時をまわった。
呉では橋本クリニックの二日目が始まっている。