３月２１日・Ⅱ

附属中学から密航してきた中２の女の子から聞いて驚いた。
「今、数学はどこやってるの？　確率か？」
「いえ、確率は中１の時にやりました。今は因数分解やってます」
「そりゃ大変やな」
卒業したばかりの中３（新高１）の数学は逆に異常に遅く、最後まで終わらなかった。
それに比べると１学年下の早いこと早いこと。
どちらにしても極端・・・生徒にしわ寄せがいく。

新高１が姿を見せる。
粛々と因数分解と二次関数のグラフを教える。
真奈と良幸にはすでに教えている範囲だが、さすがに時間の流れが緩やかだ。
和輝がいることもあり途中から接続詞の英文プリントを訳す。

優哉が姿を見せる。
自分のブログのアドレスを俺に渡す。
reimei21_04・・・21は優哉の期か、04・・・塾内コード番号か・・・。
ウチの塾のＨＰのＤＩＡＲＹの下のほうに優哉のブログを掲載。
とりあえず、ブログのタイトルは『約束の地』

成績開示が始まった。
極めつけの一品・・・津東合格者の成績開示だ。
当日の得点が１５４点、内申は３９・・・震える。

３月２１日・Ⅰ

訂正です。
昨日のブログで、国公立大学後期の発表が今日だと書きましたが明日、22日の間違いでした。

午前中から悠佑が姿を見せ勉強している。
場所は高校生の部屋に移っている。
場所といえば、優哉が場所を高校生の部屋から中学生の部屋へと移した。
かつて自分が座っていた場所。
その場所は、過去１年間は良幸が座っていた。
数学の系譜だけではなく、ウチの塾には場所の系譜もある。
かつて愛（東京大学３年）が座っていた場所は、れい・瞭・優哉、そして良幸と代わってきた。
今年はだれが・・・そんなところに数日前の優哉のコメント。
「昔、全てを忘れて勉強に没頭できた頃を思い出したいんで、中学生のときに座ってた場所で勉強していいですか」
勉強・・・８月６＆７日に実施される大検。
優哉の体調には心理的要因が多大に影響するらしい。
日々の高校生活を送ることさえもストレスとなるようだ。
勉強に際しても、最も心が安らぐ空間が必要・・・それが、かつて中３の１年間を過ごした場。
さらに昨夜の電話でのコメント、「これからの自分の勉強のなかで、テンションを下げてしまうのが怖いんですよ。だから塾のHPのDIARYに僕のブログを載っけてもらえませんか。毎日やったこと、勉強したことを書いていくことでテンションを維持したいんですよ」
このような思考を、俺は「明日のジョー・シンドローム」と呼んでいる。
自分をあるべき状況に追いつめていく、自分で自分を追い込んでいく。
かつての古西（12期生・JT勤務）もまた、浪人宣言をウチの塾のHPのBBS上で発表。
派手にアドバルーンを上げることで、どうしても合格しなくちゃカッコ悪い・・・そう自分を追い込んだわけだ。
アキラ（12期生・某県職員）もまたウチの塾での公務員試験の勉強中にブログを立ち上げ、日々の勉強の足跡を書き留めていた。
共通する思考・・・不特定多数に見得を切ることで自分を鼓舞していく。
近々、優哉のブログがＤＩＡＲＹに掲載される予定。

午前11時、開業３日目の橋本ドクターから連絡。
「どうでした」
「スマン、今日やなくて明日や、橋本君のブログには間違った訂正を書き込んでおいたけどな」
「ああ、そうですか・・・午前10時を過ぎても連絡が来ないから」
用件は手短にして電話を切る。