2つの家族が隣り合って住んでいた。一方の家族の夫婦は絶え間なく喧嘩をし、もう一方の家族は静かで仲良く暮らしていた。
ある日、喧嘩の多い夫婦が隣宅の夫婦が醸し出す素敵な雰囲気が羨ましいと、夫に言った。
「隣家のそばへ行き、幸福そうであるために彼らが何をしているのか見てみようじゃないか。」と夫は言った。
まず夫が隣家の植木の後ろに隠れて、窓から様子を覗った。そこには部屋の床をモップで拭いている隣の主婦がいた。すると突然何かが彼女の気をそらし、彼女は一目散に台所に駆け入った。その時、彼女の夫は部屋に駆け込んできた。彼は水の入ったバケツに気づかず、それを蹴ってしまい、水が床に溢れた。
彼の妻が急いで台所から戻ってきて彼に言った:
「ごめんなさい、あなた、人の通るところにバケツをそのままにしてしまって、それは私のせいだわ。」
「とんでもない、これは君のせいではないよ。ごめんなさい、気づかなかった僕のせいだよ。」
物陰から見ていた隣の男は家に帰ると、妻は早速尋ねた。
「あなたはお隣さんの幸福の秘訣がわかったの?」
「多分ね。ほら、僕たちはいつも自分が正しくありたいとするが、お隣さんは、失敗や粗相があると相手を責めず、自分のせいにしているんだよ。」