3月17日が夫の姉の誕生日なので、月曜日には、2ダースのバラの花束と箱入りチョコレートの配達を手配した。 もう今年もセイント・パトリックの日がすぐそこだ、と思っていたが、当日の17日の朝、出勤の支度をしている時はすでにそれを忘れていて、それでも偶然緑色のカーディガンを紺のワンピースに羽織った。そしてオフィスに着いてから、同僚が緑のカップケーキを持ってきていたのを見て、ようやく、そうだった、と気がついた。 別にアイリッシュではないし、カトリック教徒でもないが、普通この日は緑を身につけていないと、つねられる、と言われる。 尤も、つねられた3月17日は未だ経験していない。
何気なく羽織った緑色。
普段は遠慮するが、このちいさなカップケーキの美しい緑色に誘われて。。。意外に美味しかった!
特にアイルランド移民やその子孫が多い東部のボストンやニューヨーク、中部のシカゴでは、かなり大掛かりにこの日を祝う。 Covid-19のおかげで、行事を控えていたが、マスク装着義務の解けた今は、以前のように警官・消防士などを始めとする団体のパレードが催され、去年はホワイトハウスにある噴水を緑に染めたり、シカゴのシカゴ川も緑色になった。
この聖パトリック(下図)は、アイルランドにキリスト教をもたらしたとされているアイルランドの守護聖人である。 シャムロックは聖パトリックがその伝道に、御父(神)、御子(キリスト)、そして聖霊のカトリックの言う三位一体を説明するのに使ったと言われる。 (プロテスタントの宗派によっては三位三体である。) アイルランドでは、聖パトリック以前にも、古代ケルト人は四つ葉のクローバーを悪霊から守るお守りと見なしていた。
Nheyob/Wikimedia Commons
ローマン・カトリック国のアイルランドは、それでも昔から妖精譚がたくさんあり、以前ブログでも紹介したが、セイントパトリックスデイによく顔を出すのは、あの緑のちいさなレプラコーンLepracaunである。この妖精は地中の宝物(特に金貨)がどこにあるのか知っており、虹の橋の終わり(たもと)には、黒い大鍋いっぱいの金貨があるという伝説もある。もちろんそこには誰も行きつけない。このレプラコーンはアメリカのジェネラルミルズ社のシリアル、ラッキーチャームによって子供たちにもおなじみであり、毎年セイントパトリックスディが近づくと、下のように緑色の箱になる。
Lucky Charms, General Mills
朝食にセイント・パトリックに敬意を表する孫たち
横浜の姉がテキストしてきて、元町でセイントパトリックスディのパレードを催したと言う。 それには、姉も私も失礼ながらおおいに笑ってしまった。 カトリックの布教を祝うならば、アイルランドの守護聖人よりも、せめてキリスト教国ではない日本で布教したフランシスコ・ザビエルのためにパレードする方が理にかなうのではないだろうか。
原料や品物や技術をグローバル化することは、昨今のパンデミックやウクライナ情勢を鑑みると、原油・天然ガス供給から物流に至るまでの不具合は、非常に顕著で、考え直さねばならない岐路に国々は立たされている。 セイントパトリックスディのような文化や習慣をグローバル化するのは、罪がないようでいても居心地はあまり良くない。 それが商魂であると言えば、たくましさを感じるが、アイデンティティまでもグローバル化するのはいただけない。
本当にこの日はなにからなにまで緑色です。
アイリッシュは本場アイルランドよりも合衆国東部にもっと存在していると言われています。
日本のクリスマス、ハロウィン、バレンタインデー、全て商魂のためですね
その起源やそれを受け継ぐ人々の思いも共有してほしいです
お孫さんたちの成長の姿も楽しみにしています
いつもアメリカの習慣、行事が知れて楽しい時間です
ありがとうございます^_^