
Photo Credit: Ringo H. W. Chju
レイバーデイで祭日の月曜日朝、二度携帯電話に緊急警報が送られてきた。現在クリーク・ファイアが我が家から1時間ほど東へ行った方でその勢いを拡大し、それがここに近い山間の町にまで広がりつつあり、住民に強制避難令が出されたのだ。その町には知人も多く、どうなるのだろうかと不安と心配があるが、2年前のパラダイス・ファイアのようなことにならないようにと願い、祈っている。
このクリーク・ファイアは、フレズノ郡とマデラ郡にわたる山火事で、9月7日朝の時点では、0%鎮火、すでに78,790エーカーの森林・山野を焼き尽くしている。その付近の人造湖シェイバーレイクのキャンプグラウンドでは、真冬に当時世話をしていたボーイスカウトの一隊とスノウ・キャンプを夫と共にしたことがあり、あの美しい森林が焼き尽くされないことを願う。
クリークファイア9月7日現在
先に書いた警報にあるオーベリー地区住民に、強制避難令が出されたことで、例えば私たちの属する教会などは、避難所、各教会員の住居提供、食事、などの計画・手配・調整を即時進め、援助・支援の要請をするメイルを発信している。緊急避難令だから、住人はどれほど焦りながら支度し、大きな不安を抱えてやってくるかは、誰でも想像できる。
自宅が消失してしまうかもしれず、山間の集落だから、馬やラマ・アルパカ、あるいは山羊を飼育する人も多く、もちろんペットの犬猫のことも心配せねばならない。ここらあたりでランチ(牧場)を片手間にする人も多くいて、そうしたランチに避難することも可能だ。逼迫した状況でこのような人々が無事に動物たちといち早くに避難されることを切に願う。
本来のワイルドファイア・シーズンは10月〜11月で、ここ数年はそれは、2,3ヶ月早まっている。今年はすでに2,094,955エイカーが焼失されている。その数字にピンとこないとすれば、そのサイズはニューヨーク市の10倍の広さである。ほとんどが自然発火(高気温による過多な乾燥、落雷)が原因だが、中には、人間による放火・過失によることもある。
2020年9月7日時点のカリフォルニア州火災状況(灰色は鎮火済み)
今年の残念な発火原因の一つは、近頃はやりの、生まれてくる我が子の性別を発表するパーテイーで、大掛かりなパイロテクニック装置(発火・発煙・閃光・爆発を演出する)を使用したことにある。そして火のついたままのタバコの投げ捨ても大火の原因に何度もなっている。
それに加えて、祭日だ、ロング・ウィークエンドだと、大はしゃぎで海やパーテイへ、マスクもせず出かけ、密集活動に勤しむアメリカ人はいまだに多い。「今まで篭り生活で我慢をしていたのだから」と嘯き、その思慮のなさ、自己中心的な態度が、さらにウィルスを媒介させている。なかなか収束の気配さえ見せないCovid-19、思うように鎮火できないワイルド・ファイア、過度なBLM運動(=デモンストレイション)、異常気象、電力不足問題、一度にこれほど問題が起きると息つくヒマがない。
それでも、私は負けまい。希望は捨てまい。今は文字通り試されているのだ。だからこそ、周りの子供たちの笑顔に感謝したい。下の眼科医(孫の母方の祖父)も、週末のオン・コール(待機医師)をこなし、その疲弊した祖父を気遣う孫の3歳児に癒されている。フロリダでやはり眼科医をしている私の長男も、毎日戦いのように仕事をして、その疲労困憊を救ってくれるのは、3歳の娘だ。
SNSで見つけた、新しく幼稚園生となった子供の初登校(登園)の記念写真や、マスクを独創的に装う14ヶ月の孫息子が、どれだけ夫や私に癒しを与えることか。けれど、真にこれらの事情でつまらない毎日を過ごしているのは、子供たちであるのを忘れたくはない。カリフォルニアでは、ほぼどこでも対面クラスは行われず、行われても限られた時間でしかない。仲良しと遊ぶこともままならず、これだけ汚れた灰燼の舞う大気の外では何もできない。不憫なことである。
今日は一日断食をして、この事態が少しでもよくなるように、祈りの日にしようと教会のリーダーから提案された。人智を尽くし、それでもやはり謙遜になって祈りたい。子供たちのために。世の中の善男善女のために。そして一人一人の平安のために。明日が来ることを。
バズ・ライトイヤーも、To Infinity and Beyond! 無限の彼方へさあ行くぞ、と言っているし。
独創的発想な孫息子にも癒し能力がある。私の「元気の素」。
ままちゃんはそんなかわいい孫たちに囲まれて幸せです。孫#9ももうすぐやってきますね。カリフォルニア、毎年山火事で大変な目に会ってますが、天災だからどうもできない、と言うのがやりきれない。山火事が間もなくおさまることを願っています。